2017年01月17日

いちまつ捕物帳 5 細野 不二彦(小学館 ビッグコミックス)


博覧強記の人だなあとつくづく思う。
細野版江戸バディ捕物帖。もっといえば細野版「佐武と市捕物控」かな。佐武と市のほう知らないけど。
ヌンチャクをつかう直情径行漢気の岡っ引きいちと女性のように美しくも謎の多い麗人まつとのバディもの。毎度毎度情報が鬼のように盛り込まれてる。スキあらば埋め込みまくる。最近長い長いスパンでもって出た「ギャラリーフェイク」の最新刊も情報量はすごかったけどそれを超えるイキオイ。細野作品最多であろう情報が圧縮して入ってる。しかも、ご丁寧なことにおまけとして江戸の時代考証をしている人の「添削→(コミックスで)訂正」まである。
ただ、情報だけにたよるよくSFの人やファンタジーの人によくある情報と設定だけでクビが回らなくなるのとちがい、あくまでそれはストーリーとキャラに使役するわけです。相変わらずの職人だよなあ。


今回感心したのは新キャラの登場シーン。物語に新キャラを登場させるというのはいかに難しいかということを知る。
本巻では千羽平八郎といういちの上司の同僚にあたる同心が登場する。そのタイミングとキャラつけが最高。四角四面な真面目な堅物を表現するのに不正などに怒ると懐から堅焼きせんべいを取り出してバリバリ食べながら喋る。で、名前にちなんで、せんべい同心ってな。ここいらはちょっとこってりしすぎるくらいわかりやすくもくどいくらいの細野節だね。おれみたいな長年のファンには「待ってました」となる。
そして、そうじゃない読者にも絶対にキャラを見逃さない。漫画家はもっとキャラを読者にわかりやすくするために命を削ってほしいわと。

いいところでつづくのですぐに続刊が出るのはありがたい。


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2017年01月16日

ベルサイユオブザデッド 1 スエカネ クミコ (小学館 ビッグコミックス)


ゾンビの跳梁跋扈する血まみれのダークファンタジーでホラーなフランス史。マリー・アントワネットは殺されて双子の弟が成り代わって王妃の座についてって1話。まだまだ開幕戦ですが耽美ありスプラッタありフランスの優雅な上流社会ありでかなりのドカ盛り作品。正直高校で世界史をとってたけどきれいさっぱり記憶が無いために話においていかれそうなんだけど展開が派手なのでがんばって追いついていこうという気持ちにはさせてくれます。




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2017年01月15日

田中圭一の「ペンと箸」: -漫画家の好物- 田中 圭一,GMOクリエーターズネットワーク(小学館 ビッグコミックススペシャル)


「ぐるなび」で大反響連載だった作品がコミックスになったのでそりゃあ買いますよ。マンガ家のお子さんにマンガ家さんゆかりの店で食事をしながらいろいいろと話を伺うというこの時点でも濃い内容を各漫画家さんのタッチをマネつつも「ほろり」のほうにかなりウエイトを置く、田中圭一氏の作品でも異色作でありながらさしあたっての最高傑作になってしまったのです。
内容も、おもしろエピソードあり、泣ける話あり、隠された逸話、家族への接し方、田中氏やご子息によるマンガ論などなど多岐に渡っており、本題である料理ネタが少なめなのはご愛嬌ですが非常に読み応えがあります。


またネット連載では気が付かなかったけど各漫画家さんのタッチの再現度がすごいことになっている。こういう絵柄タッチをマネするマンガ作品はずっとあるジャンルだけどオールカラーで「印刷の具合」を再現していることで、マネ度合いではトップクラスの出来栄えになっている。とくに「そういう路線で行く」ってがっちり決まった山本直樹さんの回からの完成度が異常。元ネタを雑誌で読んだことがある人なら「ああこうだった」と思うこと請け合い。
そういうことなので紙の本でみることを絶対オススメ。


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2017年01月14日

映像研には手を出すな! 1 大童 澄瞳( 小学館 ビッグコミックス)


読んでいるあいだじゅうずっと涙が止まらない。むろん感動してだよ。
JK3人組の映像研がアニメを作るために奮闘する青春マンガ。「私の考えた最強の世界」を仲間と想像を共有させて作り出していくシーンに涙腺が刺激されっぱなし。
たとえば、オンボロの部室を自分らで直しているとき、この部室は宇宙船で船外作業をしていると思いこんでやってたりとかね。その妄想も派手なら、実際の展開も波乱万丈でみていてまったく静かでおとなしいイメージはない。実際アニメ制作は机に座ってシコシコと作業するのが大半だからね。
メンバーのひとり浅草さんは「未来少年コナン」にやられて「アニメを作りたい」=「自分の考えたすごい設定を具現化したい」なんて背景画、イメージボードと呼ばれるものを描いてばかりいる。
おそらくは作者の趣味とリンクしているだろうとは思うが、妄想の世界も現実の世界も「背景」が主役とばかりに大活躍。すごく芸をしている。学校といいコインランドリーといい。妄想での崩壊後の世界といい宇宙船部室号といい。
なおかつ話もきちんと段取りを踏んで1巻でちゃんと起承転結になっている(終わってはいない)。本巻のラストにも大きなクライマックスが用意されていてそのシーンがまた趣味趣味しているのに感動的だったりする。

作品詳細『映像研には手を出すな!』 | ビッグコミックスピリッツ公式サイト -スピネット-

まあまあ。おためしの1話を読んでくださいよ。論より証拠。読モやってるお嬢様だけどアニメ大好きな木崎さんの描いた人物画と浅草さんの背景画の合体なんてもう最高に美しいシーンですよ。
吹き出しにパースかかっていたりなどの、絵や人物や台詞回しなんかの作者の「気持ちいい」「かっこいい」「おもしろい」「こだわり」がギュウギュウにつめこまれているのでずっとニヤニヤしてしまう。
最高です。ぶっ飛びました。ジャケ買いだったんだぜこれ。なんだか宝くじの特等ひいた気分だわ。


女子高生がアニメを作るったらこれもあるけど、まったく関係がないのが素晴らしいね。まったく関係がなくてどちらも名作という。


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2017年01月13日

けんもほろろ 4 完結 ハトポポコ( 竹書房 バンブーコミックス)


ハトポポコ氏の新刊はでたら買ってはちびちびと読んでいるのでなにをどこまで読んだのかよくわからなくなる。それでほぼ女子高生がほがらかに会話している4コマが多いのでさらに倍率ドンでわからなくなるが楽しいのでいつも買う。

本作は不思議が少なめで会話オンリーで成立している4コマが多くてアナーキーや鬼畜なオチが少なめで百合度がちょっと高め(微熱程度)のバランスになっているな。おもしろかったです。来月も新刊がでます。今度は学校が舞台じゃなさそうな。



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2017年01月12日

天女さま、すんません! 山本 健太郎( KADOKAWA ビームコミックス)


天女が出るという伝説のある寂れたシャッター商店街に本物の天女が現れて大騒ぎという最近の邦画みたいな話。天女さまがずっと裸ってので昨今の基準で言うと実写映画化は難しそうだけど、そこをクリアしたらすごく実写映画にむいた内容かと思った。
気合の入った作画とエロいかなーって思ったらそれを思いきりスカす青春な展開。天女さまと主人公ももうひとつステレオタイプで、もうちょっとおもしろいアクセントがほしいかなとは思った。良くも悪くもオーソドックス。ただ、作画はダイナミック。このギャップ。原作モノを手がけてみられてはと。

こういう感じの小説のコミカライズとか。映画をコミカライズした方がいいかな。動きのある。


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2017年01月11日

サンタクロースの候補生 1 染谷みのる(芳文社 芳文社コミックス)


人見知りで派遣社員やっててもなんだか浮いてたけど叔父の喫茶店の仕事と「公認サンタ」の仕事をして変わっていくの私なマンガ。
公認サンタという職業(儲けはほぼなし)と、それゆえに垣間見える世界を描く。
セオリーとして毎話読み切りでサンタ仕事をして出会った人々の感動エピソードってのがあるけど、本作はそれと並行していろいろな準レギュラーなキャラが出てきて、はっきり表現させてもらうとゴチャゴチャしてる。すごい一生懸命交通整理されているのはわかるけどもゴチャゴチャしてる。そのキャラたちは「必要」なのか?と思う。サンタでのエピソードがおもしろいので余計にそう思う。あとキャラが立ってるのでさらにゴチャゴチャに感じる。ちょっと残念です。


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2017年01月10日

クノイチノイチ! 1 金沢 真之介 (集英社 ヤングジャンプコミックス)


現代の男子高校生が京都太秦映画村でくノ一のカッコしてたらタイムスリップして江戸時代の伊賀に来てしまい、そのままくノ一として養成学校に潜入して現代に戻ることのできる巻物を探せというダンドリでやらせてもらってます。
あとは女装で男子禁制の場に潜入するモノになります。
個人的にはくノ一らしいエッチな忍術とかそういう方向に特化していただければいいのですがわりと現状はセオリーどおりの潜入モノで、風呂に入ったり同室の子にバレないようにしたりとか。くノ一モノはスキだけど女装潜入モノはあまりなのと、エロのバリエーションに新鮮さがないのでちょっと残念でした。
あと目が肥えてしまったのかデッサン狂いがちのエロは興ざめ度が高いっすね。


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2017年01月09日

クリスマスプレゼントなんていらない 売野 機子( 幻冬舎 バーズコミックス)


短編集。初めて読む方です。6編からなる少女漫画集。さっぱりとした描画はかつてのニューウェーブ期を連想し読みやすい。
そう、本作を読んで最初に思ったのは、高野文子氏のデビュー作「絶対安全剃刀」だったんだね。あの短編集のようになんでもありだけどどこか薄皮一枚入り込めない感じ。それは性別ってのもそうだけど、少女マンガの流儀のようなものにもうひとつ乗れてない自分をみつけてしまうのですよ。
恋愛に冷静なところ熱狂しているところそのどちらにも感情移入できなくて「そういうものなのか」という疎外感を味わうんだよね。とくに「パーフェクトケーキ」「リラの消えた森で」なんかに。
「おれが美しいと思うもののために」は逆に無口な男を主人公に据えている分わかるところがある。
カバー表紙、表紙、ウラ表紙、カバー裏で短編になってたり最後のSFな「機子ちゃん」などもあって幅広い才能を感じます。



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2017年01月08日

監禁嬢(2) 河野 那歩也(双葉社 アクションコミックス)


1,2巻いっきに読みました。
男が突然監禁される。両手両足を縛られた状態で監禁した女性に逆レイプされる。
そこから脱出する話かと思われてたけどあっけないほど簡単に逃げ出すことは成功する。ただそれは悪夢の前兆でしかなかった。
2巻になっても謎が謎を呼ぶ展開は相変わらず。随所にエロティックなシーンがあるのに恐怖やら複雑な気持ちが先立って全然エロいと思えない。むしろどこでもだらしなく射精する主人公が情けないと思えるほど。コレは珍しいマンガ体験。別におかしなプレイはしてないんだよな。でも、登場する女性でマンガ的なラインで「まとも」な女性はひとりも登場しない。女性恐怖症になるマンガ。それでいてこれはこれで「ハーレムもの」なんだな。

少ないページ数だけど主人公の人格を形成することになった子供時代のエピソードがまたエグい。

あと、嬢は錠と掛けてるのね。ほかにもそういう仕掛けがいっぱいあるね。

ただこのノリで10巻20巻ってやられたらただしんどいだけだなあと思ったり。





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