断腸亭にちじょう(4)【電子書籍】[ ガンプ ] - 楽天Kobo電子書籍ストア
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完結しましたよ、全6巻。
マンガ家が突然のガン宣告。しかもステージ4。さてどうなる?マンガです。
断腸亭にちじょう ガンプ 小学館: ポトチャリコミック http://sukekyo.seesaa.net/article/502134535.html
元も子もないことを言えばガンになった作者がガンのことをマンガにしてて「完結」しているということです。
2019年にがんが発覚した断腸亭にちじょうは、2019年に断腸してにちじょうへと向かうのです。
寛解ってやつですね。めでたい話です。
そしてその状態じゃないとこんな名作は描けないわけですね。なぜか?マンガを描くに当たってのHPとMPって必要だからです。必要十分な状態で描かれたと推測します。
上記の感想文リンクでは3巻まででした。がんを宣告された絶望と世界への怨嗟がすごく描かれていて「がん」になった心境を掘り下げられてました。
4〜6巻でもそれがすごく変わってるわけではないし、6巻までで、手術、抗がん剤、放射線と3大がん治療を制覇された作者が「クソッたれ」っておっしゃってたような、「闘病」は続くし、それは多分にマンガ内の期間が終わったあとの現実時間の「いま」もそうじゃないかなあと思われます。
ただ、「明るく」なった気はします。写真用語でいうと露出が高くなった気はする。コントラスト?ハイライト?わからないけど。
絵面もそうですが、内容もテンポやノリも。治療の見通し?出口が見えたから?よくはわかりませんし、もしかしてそれらも計算されての演出なのかもしれません。すごいマンガ家なので。
6巻通して読むとこれはラブストーリーだったのだと気がついてあわてて読み直してみると、本作はずっと一緒に暮らしているサテコさんへのラブレターであり、愛の話だったんだなと思い知らされます。
がん患者が隣に爆誕して不安と心配とともにすごしてくれる彼女のすばらしさがどんどんどんどんと蓄積していって、6巻で「離婚しよう」と切り出す。
このあとのサテコさんの答えにもう!
でも、この「もう!」には全米が泣いた的な感動的シンプルなものばかりでもないのです。
おれはサテコさんの立場でした。おれの奥さんががん患者でした。
そしてサテコさんみたいにはなれなかった。
サテコさんの心情に踏み込んだ、どっちのモノローグも適当に混ぜ込んでくる成年コミック的なお手軽なやつじゃないので、サテコさんがなにを考えてるのかわかりません。でも、少なくとも物語の主人公(作者)が「いろいろ」と考えられてたことや渦巻いて蠢いて出たり引っ込んだりする感情を同じ時間身近で受け止めていたり自身も感じて考えていたことはまちがいないわけです。
その末のサテコさんの回答、そして、さらにとどめのシーン。
ああ、尊いラブストーリーだ。
手塚治虫文化賞「新生賞」受賞!『断腸亭にちじょう』の新刊が発売!! | 株式会社小学館のプレスリリース https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002162.000013640.html
このお祝いイラストがサテコさんとのツーショットも当然なのだねえと。
そしてそれは「にちじょう」としてまだ続いている。
なんと尊い。
羨ましい。だが後ろめたい。おれはいまも反省ばかりしてます。あのときどうしてああできなかったのかとか。ああいえなかったのかと。ふいに思い起こされます。
そんなメソメソ野郎の個人的な事情を抜きにしても本作はすばらしいものです。
伴侶がいるという奇跡を考えます。
全6巻の闘病記をエンターテインメントととしてまとめてしまった作品を前におれがいえることは「次回作期待してます」だけだなあと思いました。
そして!
こんな素晴らしい作品の4-6巻は電書だけなのですね。紙の本が出ていない。ぜひとも紙の本で全6巻出してください。そうしたら予約して6冊買います。(おれ電書で買ってたんですよ)
編集の方!昨今の厳しい(らしい)出版事情のなか、電書でも出していただけたことはとても感謝ではありますが、ナニトゾ!紙の本もお願いします。
ナニトゾ!

断腸亭にちじょう(4) (サンデーうぇぶりコミックス) - ガンプ

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