2019年01月16日

伊豆漫玉ブルース 桜 玉吉 (ビームコミックス)


出れば買う本。つきあいもファミ通がファミコン通信からだから何年でしょうか。
そのキャリアの大半はエッセイコミックということで、それに関しても実は西原理恵子先生くらいの長さがあるよなあ。
だからずっとそれは「生き様」になっており、なるほどブルースと言うタイトルもむべなるかな。これまでは日記でしたが。
伊豆の山荘を本宅として住みはじめて3年ということで、周辺雑記がほぼメインになる。

前作「伊豆漫玉日記」からこっち相変わらずの生活ではある。夜にマンガ仕事をして朝に寝て昼にコンビニに買い物に行き、山の虫やケモノや鳥やジジババと戦う。

しみじみとスローライフなんて山に引っ込んでの生活の幻想を粉々に打ち砕いてくれる。気をつけてても侵入してくる虫。そして年に3回は噛んでくるムカデとスローライフを夢見てるひとには完全にないだろう事柄が描かれていて、そういった点じゃ痛快。
あと、人間全体がモブといういかときおりのゲストになってるな。そこでも若い女性がまったくエキストラ。セリフすらない。そういうもんなんだなあと。

筒井康隆氏が老人は孤独を我慢することこそが美学とおっしゃってましたが、なるほどなあと、身につまされるというか、うん。通る道なんだろうなあと。

ただ、まあネット環境ともうちょっと山の下のに住んだらかなり快適なんじゃないかと思ったり(たぶん標高1mちがうとすべての住居費が桁がちがうんだろうけど)。でも、それでも、孤独は孤独なんだろうな。

相変わらずこのネタなし状態で「エッセイコミック」が成立してることに同業者は恐れおののけ。観察の非凡さを、描写の的確さを、それらをユーモアの糖衣に含めるセンスに、恐れおののけ。非マンガの同業も含む。あ、WEB日記やってるおれもか。



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2019年01月11日

事情を知らない転校生がグイグイくる。(1) 川村拓(スクウェア・エニックス ガンガンコミックスJOKER)


10月発売のものですが衝動に動かされて買いました。翌月重版かかってます。

[【事情を知らない転校生がグイグイくる】「事情を知らない転校生がグイグイくる」/「川村拓」の漫画 [pixiv]]

Web連載です。こういうのネットで転がっていると実はこういう商売上がったりになるんですね。ぶっちゃけ ここで読めば以下の文章はいらないもんなあと。そりゃあブログ文化もレビュー文化も廃れるわけやで。

転校してきたピュアピュアな美少年。同級生でいじめられっ子で「死神」ってあだ名されてる女の子がいます。彼女の「死神」ってあだ名や眼光の鋭いところ(あだ名の由来)が好みにハマッてむこうが困惑してる中ぐいぐいくるわけです。まわりのからかいや本人もモノともせずにぐいぐいと。
あーと、「からかい上手の高木さん」の性差逆転版ですね。

あ、そういや、「からかい上手の高木さん」にあったな。悪意のあるコピペ。高木さんのからかいに西片くんが嫌気をさして「もうそういうのやめて」っていうやつ。こういうアンハッピーエンドなことを書きたくなるのはわかるけど、本質的なことをわかってないよなあ。
本作にしても「高木さん〜」にしても、両思いだからこそ成立してるってこと。カップルの双方がやさしくていい人でお互いが好き同士だからこその関係なわけで。それこそ、本作にあるまわりをからかう悪意を跳ね飛ばすほどのラブラブ空間なわけでな。まあ、本作でも高木さんもそうだけど、オトコのほうに明確な自覚がないんだよね。そこがええんじゃ。

本作、シンプルな描画ながらも、死神っていじめられる意味もわかるし(たぶん、そうなったエピソードもいつかやるかもしれん)、少ないけど台詞のある他キャラもいい感じで立っているし、それぞれが愛らしい。

ひとつ謎といえばワクを全て黒く塗りつぶしてあることかな。これは通常回想シーンで使われる演出ですが全編それになってる。ご丁寧なことに1ページ1コマの絵も断ち切らないで黒い枠を描いている。なんか仕掛けがあるのかしらね。最終回で全部回想編でしたとか。まあ、絵が白いからちょっと引き締めるためなのかもしれないけど。

2月には2巻が出るようなのでタイミングはよかった。これは2巻も楽しみにして大丈夫と思う。


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2019年01月09日

その着せ替え人形は恋をする(1)(2) 福田晋一(スクウェア・エニックス ヤングガンガンコミックス)





11月発売ですがつい先日買ってよかったので。1,2巻同時発売で即重版になってる。

校内カーストの最上位にいるギャルのかわいこちゃん。そして主人公は最底辺。雛人形にココロを奪われて人形職人の祖父と暮らしながら日々人形を作ってる(まあ美形)。ところがギャルがエロゲオタクであることが発覚。そしてコスプレをしたがっていることも発覚。そして主人公のコス服を作るということになる。

1巻2巻で初コスプレでイベントデビューまで。じっくり話が進んでます。なんたって、主人公の家に突然押しかけて採寸するって話で1話ですからね。そうま竜也氏の「タヌプリちゃん」という作品で主人公が通販で届いたバニーガールのコスを着がえる(狸だから厳密にはバニーじゃないけど)のに1話ってのを思い出したなあ。

2巻まではほぼふたり。「かわいい」ふたりを丁寧に丁寧に描いてる。どっちもかわいいしお色気シーンも充満してるけど、わりにマジメにコス活動してるのがいいんだよね。2巻のクライマックスは本当に決まってたなあ。これも1巻からの伏線をキレイに爆発させてさ。そりゃあ売れるわけだわ。

問題は3巻よ。2巻のラストページがどうからんでくるか。でも、1巻2巻までは「ああええもん読ませていただいたわ」って、あ、ちがうか。「なんちゅうもん、読ませてくれるんや、、、」って「美味しんぼ」の京極はんパロなんてなれないこといいたくなる感じで。

ぼくは個人的にはエロくないのでサービスカットはほどほどでいいです。それより普通のやりとりや表情がいいです。




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2019年01月06日

ナノハザード 2 かざあな(集英社 ジャンプコミックス)



Twitterのフォロワーがプッシュしてたので買ってみました。

研究機関からカネ目当てで持ち出したナノロボットだけど交通事故で死んでしまいばらまかれてしまう。それをたまたま近くにいて体内に取り込んだ何人かが特異変化を起こす。まあミュータントな超人になると。そいで、主人公はいちおうの味方側について敵と戦うと。

2巻では同級生の敵味方とひときわ凶暴なジジイとメインの敵が決まり展開しております。

プリミティブだなと思った。原作はドラマにもなった「怨み屋本舗」の方です(未見ですが)。たぶんにまとまったシナリオですが、作画の方のセンスがぶっ飛んでらっしゃるのかしら。なんだかハイテンションであちこちはみ出している感じがあるんですよね。
暴力描写が多い、残酷でもある、でも、それだけに収まらない禍々しさがある。非バトル非暴力のシーンでもなにか起こるんじゃないかって不穏さがある。だから気を抜けないんだよね。それでいてみょうな緩さもあるし、ギャグっぽいところもある。お色気シーンもあるし(全然エロくない)。

3巻までは買いたい。先が読めないのはスリリングでもあるけど、不安が募りすぎると今度は読むのが嫌になるんだよね。その見極めは3巻でできるかなと。







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君の大声を聞いたことがない (1) くれよんカンパニー(小学館 ビッグコミックス)


史上最弱モブ子登場!

なんてオビのコピー見て、「モブ子の恋」というマンガ作品を連想して一瞬いいのか?と思ったけど、別に「モブ子」は商標登録とってあるわけじゃないからいいのか。もちろん、内容とか微塵も関係はないですね。

アラサーのオトコどころか人間関係が希薄な空気のような女性が演劇に目覚めていく話。

前半はドタバタして演劇をやりたいのになかなか入れないってやつだけど、後半劇団に入ってからは、わりとトントン拍子で進行。
才能を見出されていくモブ子さん。それでいてちょうど同じ舞台をするために一時劇団入りしていた超アイドルといっしょになり彼女の才能に嫉妬しほだされていくというできすぎた展開。

空気で野暮ったいようでいて、かなり最初の方から美人に描いているんだよね。表紙の絵が1番地味でブスに描かれているくらいで。裏表紙はもうキレイだし。そこが逆表紙詐欺みたいになっているな。

主人公も含めて各キャラがマンガ的に「地味」かなと思う。それぞれなにかを潜ませてる感じはあるけどさ。主人公が演劇の才能がちょっとあったみたいに。そこいらもうちょっとエッジを効かせていったらいいんじゃないかしら。

絵はとてもいい。21世紀のくじらいいく子さんっぽいかな。一色まことさんの影響もあるかしら。今後の展開次第かねー。2巻はどうするか? これは縁次第かな。



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2019年01月05日

セイキマツブルー ヒロタ シンタロウ(ワニブックス ガムコミックス)

セイキマツブルー (ガムコミックス)
Posted with Amakuri at 2018.12.30
ヒロタ シンタロウ
ワニブックス

オビの竹熊健太郎氏が決めて。

1999年。いじめられてる同じクラスの女の子。彼女は腹からアンゴルモアの大王が生えている。そこではじまる彼女との友情の表題作。

バイト先の彼氏が虫になった。だから廃墟ビルで飼っている話し「怪虫の夜」の2編。

どちらもJKの百合っぽい関係性。ほとんど登場しない男性キャラ。そして異形のもの。せつない。などの共通点がある。あと、日本的なウエットもあるな。ジャパニーズ・ホラーな触感がある。

なんといっても魅力的な絵。これが非常に大きい。カラー表紙よりも中のほうが魅力的。なおかつセイキマツブルーに合わせての青い紙が生きている。青い話しなんだこれがまた。
複雑にすぎない話題。なるほどオビにある「暗黒のメルヘン」というのもわかる気がする。これが男性キャラやもう一歩二歩理詰めで展開するとホラーでもなくなるし暗黒メルヘンでもなくなるし半端にSFになったりもする。そういったなんもかも込で総合的にシンプルにいうと、とてもいいさじ加減だと思う。

なるほどホラーとはある程度のあやふやなんだなとか。

実写向きなのに絵はまったくそうじゃないのがまたいいね。

次回作も買います。



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2018年12月31日

僕の心のヤバイやつ(1) 桜井 のりお(秋田書店 少年チャンピオン・コミックス)


「みつどもえ」のひとですね。買おうかなと思ってるとマイドーターが買ったので読ませてもらいました。

陰キャ中2病のTHE典型な少年と、陽キャというよりちょっとファニーでストレンジな美少女。雑誌モデルもやってる同級生。
彼女がまぶしくて中2病がまざって殺意をもったりしてたけど、彼女とどんどんお知り合いになっていくわけです。

ドーターいわく「途中から普通のラブコメになる」と不満げだったけど、おれとしてはそれがすごくよかった。

少年少女が少しづつ「知って」いく感じがとてもいい。まあ、陰キャ少年が彼女を「知って」いくんだね。どんどん接触(実際さわるシーンはあまりないけど)していき、彼女に惹かれていく。

あの少女の行動というか動きの感じが福満しげゆきさんを思い出すのよね。影響を感じられるというか。性差云々の話をするのはどうかと思うけど、福満しげゆき氏の描く女性はそれが長年いっしょにいる妻ですら「オンナはわからない」というところがある。そしてそれこそが魅力の多くなんだよな。だけども、本作の作者は女性なんだよな。だからエキセントリックなところには裏付けがあるなあとは思うけどさ。そこのところが非常にうまく描けてる。これまで福満しげゆき氏の独占市場の牙城を崩しにきてるなあって(そんな大げさなものか知らんけど)。
ただ、反面といったらなんだけど、男の方は気持ち悪さとかが足りないかなとも。心根のやさしい少年だしなあ。それでいいとも思うけど。

クライマックになるバスケットボールが顔に当たって鼻血まみれになって以降のエピソードはすごくいい。

2巻からオレが買います。




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野良カメコのピラミッド だよね(KADOKAWA MFC)


最近多いTwitterのTLでみておもしろそうと思って買ったパターン。

コスプレイヤーと非モテのカメラマン(カメコ)のリアルな自虐ギャグという感じで。

奥が深い世界だというのがまず。なるほど、アイドルオタクといっしょで「こういうこと」でもなければ美女と知り合う近づける(それ以上はなにもできないにせよ)という機会はないしって。

その中でも一部のカメラマンは気軽にコスプレイヤーと寝たりするピラミッドの頂上にいるし、そこを目指そうと。

たとえばカメラがどんどんすごくなっていくのは、スマホでとると加工できないからいやがる。きちんとしたカメラでとってレタッチして加工したものじゃないとアップしてほしくない(その結果作り物丸出しの画像があふれるんだけどな)、だからカメラには金がかかる一方。

そしてレイヤーに好かれるために様々なノウハウもある。菓子を配って回ったりSNSに早く投稿して話題にしてもらうために命をかけたり知り合いのレイヤーを作ったりとか。

えげつなくリアルな世界。そういう意味じゃすごく人間が描けてる。

そしてそこにあって上記のようにとてつもない美女と知り合いになれるということな。後半に美少女JKが登場する。彼女がちょっといいんだよな。そのモテないおっさんカメコに近づいてくる。いわゆるBL的な興味からくるような変人。でも美少女。うーむ。なんていうかなおれ内の結論とすると「夢がある」わけよ。そこのところがよかった。キャラとしてもいいし。




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保安官エヴァンスの嘘: ~DEAD OR LOVE~ (6) 栗山 ミヅキ(小学館 少年サンデーコミックス)


モテたい一心で保安官を営んでるけど、モテなくて事件ばかり解決してしまうエヴァンスの話。

すごく正直に書こうか。5巻でもう買うのやめようかなって思ってたんだ。なんか飽きてきて。
で、6巻はすごくよかったからセーフっていいたかったところだけど正直なところそれほどでもなかった。

ここしばらくの巻であった長編がなかった。けっこう本格的なアクションの回。何回かつづく。これは最初は新鮮だったけど本格的にアクションすぎて逆に飽きるという現象が起こったなあと思ってた。
6巻では残り1/5ほどはエヴァンスの偽物編があったけどこれはかなりいい感じにほどよいギャグを織り交ぜてあった。ギャグもキレがあったし。その前の単発ネタもよかったしな。

もうちょっとギャグにステ振りしたほうがいいんかなーとは思った。あともっとオークレイ出さないとダメだな。ほぼレギュラー化してたけど。あともうじれったいからつきあえよ。あのふたりつきあいはじめたとしても話は続けられると思うんだけどな。

7巻は買います(多分)



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パンダ探偵社 1 澤江ポンプ(リイド社 torch comics)

パンダ探偵社 1 (torch comics)
Posted with Amakuri at 2018.12.30
澤江ポンプ
リイド社

こうサブカル特有のスカしたマンガのようでいて、実は王道も王道のストーリー。それでいてサブカルのスカしもある。

変身病のある世界。病気にかかるとひとは動物に変身していきついには人間じゃなくなる。

主人公はパンダになる病気にかかる。そこで会社をやめて探偵事務所で働くようになる。そこでの変身病のクライアントの人間模様を描く。5編収録。

1話読み切りでいながら2巻につづくという王道仕様。

すべてが洒脱。ストーリー、キャラ、台詞回し、作画力。それでいて難解ではない。わかりやすさの上に立った洒脱。もっといいかたを変えると、マニアックなようでいてきっちり売れ線にいるというか。そこのところが最高にすごい。

家出娘の調査。彼女は鳥になる病気にかかっている。そこからはじまる1話。

パンダくんと所長との関係。各人の家庭事情、そして「大きなうねり」。なんていうかスキがなさすぎて物語に素直に没頭できる。計算され尽くしてる。

売れるぞ。これは売れるぞ。そしておれはすごい先見の明があったってことにしてほしいです。とてもよかったです。2巻楽しみです。




posted by すけきょう at 01:07| Comment(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする