2017年08月01日

ようことよしなに 1 町田 翠(小学館 ビッグコミックス)


富山県の田舎に住むJK2人が音楽ユニットを組んで群雄割拠のショービジネスに乗り出そうって話ではないようです。
なにもない田舎、それでもなにかしてやろうとあがく。でも、田舎の虚無感となにもなさとまわりの「それがあたりまえ」に飲み込まれて自分が消えてしまいそうになる。それに必死に逆らってるふたりに感動という。
身も蓋もない書き方をすればJK版「日々ロック」。ただもっとgdgdしてて汗臭さがないです。JKだから。でも泥臭さはあります。なんたって富山の田舎が舞台ですし。

というのと別に思ったこと。いろいろと察してほしいとも書いておきます。

まずざっくりした絵のようですがドン引くほど写実的です。「サクラクエスト」というアニメのように富山を舞台にしてますが架空の地名ではなくて思い切り実在する富山の地名が出てきてそこが舞台です。そしておそろしいことに背景に描かれてるものも中途半端に隠す必要があるのかと思うくらいその実在する地名にあるものです。それが写実的です。小さなコマの見切れてるような背景がどこって特定できるレベルで写実的です。
なおかつそれは「昔」のものなのですね。今はないところもあります。とくに駅。なんで知ってるのか口がさけてもいいませんが、カバー裏の駅舎の左側の木にカミナリが落ちて倒れて駅舎をぶち壊したんですよ。
JKがまだガラケーをポチポチしていた時代です。ただまあそれだと背景がおかしいところがある気もしますがまあそれはそれ。これまたドン引くほど写実的だった「おおかみこどもの雨と雪」もおかしなことになってましたしね。
こうなるともうまともな感想は書くことができません。たとえば、「この世界の片隅に」を広島の呉市在住の人がみたらざわざわとして気持ちになるのと同じですね。それを初体験しております。
なるほど、これまでも富山を舞台にしたりした作品はあちこちでありますがそういうレベルじゃないところを舞台にされるとまたちがった感慨を持つんだなとわかりました。

そしてそれがなにか効果あるかというと、むしろ普遍的な青春讃歌を感じるから不思議なんですよね。同時に、たぶんに作者より頻繁に「そこ」をみているものとしては登場人物がここでギター弾いたり髪を引っ張って喧嘩したりしてると思うとこれまでにない「リアル」を感じると同時に、まったく逆のこと、つまり、どこでもそれはあることなんだなあという普遍的、いいかた変えるとおなじみの青春が繰り広げられているんだなあと。

応援します。2巻も楽しみ。いきなりロケ場所が広がるようだし。あとおれの店出して〜(そこでそんなこと書いたらダメか)。



posted by すけきょう at 23:44| Comment(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする