2017年08月09日

マーチャンダイス 2巻 大石 まさる(少年画報社 ヤングキングコミックス)


2巻になって本領発揮というところかな。人が住むようになった50年代くらいのアメリカのオールディーズな雰囲気の火星。そこのアパートの住人を舞台とした1話読み切り連作集。
まったくもってゴージャス。

年増のバウンティーハンター、宇宙人からもらった宇宙船を駆使して悪をこらしめるねこねこ仮面の姉弟、300年前の宇宙船トラブルから唯一生還した夫婦、火星の湖で釣りをすることが夢の男。火星のボニ&ークライド。
そしてそれら全てに関わる謎の植物スキュラを操る女。
これらが全員同じアパートにそうと知らずに住んでいるってのがいいじゃないですか。

デフォルメギャグは同時発売の4コマ作品「タイニードライブ」に振ってあるので、こちらはあくまでリアルトーンの絵。毎回磨かれていって多分本シリーズから誰にも似てない大石まさる画になったなと思う。そんじょそこらじゃ描けない真似ることのできない凄まじい絵。

そんな絵でドタバタを描いているのがいいねえ。すごく贅沢な感じ。どこかチカラの抜けた感じなのは、上記の通り火星を舞台としてハードなSF的な設定を何重にも張り巡らしているのに結果としてオールドアメリカンなやや牧歌的な雰囲気があるからなんだろうなあ。ガソリン車を郊外のスタンドで給油したり、男性も女性もドーム的な環境にいるのにタバコをスパスパ吸ったりなあ。あと女性キャラのほとんどがハダカになってるし。
そういう出し惜しみしないし「楽しんで描いてるから楽しんで読んでいってね」の雰囲気が心地よい。もちろん押し付けがましいこともない。

売れないかなー。彼の編集じゃなくてよかったような残念なような。売れてほしいわ、知られてほしいわ。もっともっと。


posted by すけきょう at 18:14| Comment(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする