2018年08月02日

ようことよしなに 3 町田 翠(小学館 ビッグコミックス)


最終巻。
富山の田舎のJKがなーんかやりたいねえと思いつつもダラダラすごすマンガ。と思ってたら3巻では展開。東京に行くんだもんな。
と、この高速夜行バスで東京に着いたときの風景が本当すごい。これは同じ高速夜行バスで東京にいったひとはみんなわかると思う。「ああこの空気とライティングだ」って。「これこそが東京だ」って。
超超地元が舞台なので(ぶっちゃけるわほぼほぼおれの家の半径500mで起こってるマンガだよ)、風景がよく描けてると思ったのは身内びいきかなと思ってたんだけど、そうじゃないんだ。その後のちょっとした東京生活もすごく「っぽい」。ここはどこかはわからんけどな。

ということで、エモい背景が描けるってのがわかった。これはすごい武器だと思う。当然、エモいキャラも描ける。エモい背景を描くことができるひとは、エモいキャラなんかお茶の子さいさいだよ(理論上は)。
あとがきもよかった。地元のサイン会行きたかった。

うむ。またこんど地元が舞台のマンガのときは当店もだしてねー。



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魔法はつづく オガツ カヅオ(リイド社 LEED Cafe comics)

魔法はつづく (LEED Cafe comics)
Posted with Amakuri at 2018.7.18
オガツ カヅオ
リイド社

すばらしい作品だし、絶対に取り上げないととは思うけど、そうなると難しいんだよね。「いい」というのは簡単だけど、どういいとかどう書けば伝わるのかというプレッシャーがすごい。本作そういう作品なんすよね。と、書くと小難しいのかと思われそうだけどそうではないので、実はこういう書き出しもあまり上手くないんですよね。だから長い間書き出すことができなかった。

短編集です。オビにホラーマンガ界最大の切り札とあります。たしかにそういう要素の話が多いですし、ジャンルもそっち側となるのかもしれませんが、「怖くない」です。断言します。それは「怖い」以外の感情や情報が激流のように流れ込んでくるからです。

道路の崩落事故により彼氏が透明病にかかる「はじめましてロビンソン」や、死んだかと思ったら3歳だったはずの娘が15歳になり迎えてくれる「千年蟻と一日母さん」なんかは涙が止まらない。軽く嗚咽したよ。

ビジュアルショックがすごい「かえるのうた」「猫のような」。どっちもあらすじもネタバレになるけどオチの「画」のインパクトが低く重くズバンと決まる。ウッと唸る。

絵で殺すタイプがありながら話も非常に繊細で練られている。あっと驚くオチや展開。読後の深い余韻。意味ありげな暗喩や直喩。
表題作などは、ガロが毎月出てた頃の青林堂的であり、SFマンガ競作大全集が出ていた頃の東京三世社的であり、ネムキの朝日ソノラマであり、コミックビームのエンターブレインであり、そういうサブカルの極みと言えるような作品でなつかしくも新鮮さを感じた。いま、こういうアプローチをする人いねえんだもんな。

んまあ「このマンガがすごい!」のWEBランキングがあったらその月の1位(どうしてもベスト3に入る)に入ったし、年間にもはいったろうな。おれがまだそれに参加できる立場ならねじ込んでいる。
2018年に持っておかないとマンガを語る資格のないタイプのマンガ。好き嫌いじゃない。ある時期のロック好きはビートルズの新作は絶対に聞いておかなければならなかったのと同じで。そういうのも久しぶりだな。

そして「そういう作品」なのにとっても読みやすくておもしろいことなんだよ。恐ろしいのは。ここが1番のホラー。



posted by すけきょう at 07:37| Comment(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする