2018年08月09日

ゆとりの町長 小坂俊史(芳文社 まんがタイムコミックス)


また進化されたような。
夢破れて東京から実家の田舎の小さな町に戻る。そしていろいろあって町長として立候補するようになる。
そして選挙するまでを描いた、田舎選挙4コマ。
ちょっと前にアニメでやってた「サクラクエスト」をちょっと思い出す。こちらは町おこしのために作った架空の王国の女王になるって話だったな。ああいう感じで奮闘しているうちに町の問題とかがみえてきて、なんとなくはじめた町長選挙にマジメに取り組むようになる。

そんな田舎の問題とか、じわじわとからめつつ、小坂マンガ王道のグータラ女子とツッコミでゆかいに進行。
各キャラが立っており、それぞれの思惑もあり、大きな話の流れもある。そして選挙も最後までどうなるかわからない(というかあとがきによると5日前に急遽展開を変えたってくらいスリリングな感じ)。

選挙ネタも豊富で、駅前に立って挨拶する回。限界集落っぽい村に挨拶にいく。麻雀を覚える(なぜかは読んでのお楽しみ)。若者のココロをつかむためにパーティーを開くなど、リアルなネタをうまく笑いに和えながら展開している。

そしてラスト。ちょっと泣けるんだよな。ここがまた新機軸でさ。
これまでにもストーリー4コマチックな作品はある。ドラマを前に出してるのもある。でも、どこかドラマチックに振り切れてないところがあるんだよね。テレなのか信条なのか。昔気質の4コマ作家はわりにそういうところある。
そこに業田良家氏の「自虐の詩」というドラマドラマしたのが新鮮に斬新にきた。そして小池田マヤ氏をはじめとするストーリー4コマが花盛りになっていく。
小坂氏は実にその花盛りのなかにあってみんなと花の向きをちょっとちがわせてるところが新鮮だったんだよな。
実際最長記録で先日終了した「せんせいになれません」も盛り上がったりお涙ちょうだいを丁寧に避けて淡々と終わっていった。
本作も基本はそうっちゃそう。でも、ちょっと、ドラマチック。この「ちょっと」のセンスがすばらしい。そのドラマチックすら最後に笑いに変換してオチにするのもベテランの技だし。

非常にいい。最高傑作かどうかはともかく、これまでで1番1冊でのおさまりや据わりがいい。これを原作にアニメ化、いや、劇場アニメ化や実写化してもいいんじゃないか。


posted by すけきょう at 18:05| Comment(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする