2019年04月16日

六道の悪女たち(14)中村勇志 (秋田書店)


カンフー編の佳境。

カンフー編て!なんて思っていたけどきちんとおもしろくできる作者の器用さがうらめしい。「ほれみたことか」とはいいきれないおもしろさ。

しかも、13巻ではほとんど出番のなかったヒロインを天丼につかって鮮やかに決めた14巻。このまま15巻でカンフー編が完結と。決まってるな。

でも「あちょー」はねえよなあ。と、ヒロインのチート級の強さをなんとかしないとなあ。もうけっこういろいろな封じ手を使ったからあとがない気もする。あるいは、大いなるワンパターンとするのか(大河連載ではしょうがない)。



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働かないふたり 16 吉田 覚 (新潮社)


ニート兄妹のほがらか話。
前巻でだいぶ大きな話になってきてると懸念していたけど、いい感じでバランスをとっていたね。16巻ではここんところスーパーマンになりがちの兄がちょっとおマヌケだったりおとなしくしてたなあ。
妹の新しい友だちであるキャバ嬢さんとのエピソードが多かったな。これはなかなかいい感じ。その前の親友であるユキさんはちょっと出番が薄くなったけどさ。
あとまあ兄は最後は決めたな。兄の大事にしている本の話。これが連作短編のように続く続く。ここだけ抜き出して映画にしても通用できるくらい。たとえるならクレヨンしんちゃんの映画、「アッパレ!戦国大合戦」がのちに実写映画化するくらいのノリ。それくらいいい話なんだよな。しかも、たぶん、描き下ろしであろう、その本の別視点の話がまた最高。うむ。最初に短編集を出しただけあるなあ。

あと、前はシールで、いまはポスターが毎巻ついてくるんだけど、そのポスターの妹が「いい顔」してるんだ。前は薄幸の美少女というか、やや、メンでヘラ入ってたんだけどみんなと触れ合うたびにいい顔するようになってきたなあと。

近所の知り合いのような目でみるくらい長い連載になりつつあるね。



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鬼滅の刃 15 吾峠 呼世晴 (集英社)



アニメ化で絶好調
15巻衝撃の展開。いまさらこうくるかと思ったりもします。

そいで読んでいてしみじみ思ったこと。
このマンガはバトル以外のほうがおもしろいなあと。
わりにワンパターンのバトルと同様ではあるがそれぞれのメンバーとのほがらかなやりとりとかはおもしろい。少なくともバトルよりおもしろい。バトルがおもしろくないということではなくて、たぶんに100%ギリギリを絞り、燃える展開を探していたら似通ってしまったってことなのかもしらないけど。

絵がデフォルメのときとシリアスのときとお互いがお互いに別の方向に進化しているといういよいよわけのわからないほうに向かっている。

いい意味でも悪い意味でも初心忘るべからずを地で行ってるイメージ。

そこいらは超美麗なアニメにより吉と出るか凶と出るか。原作とのギャップを感じるような気はするんだ。うん。


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恋煮込み愛つゆだく大盛り にくまん子 (KADOKAWA)


いいっすね。ネットにあったときから追いかけ続けていたけど、商業誌も同人誌も敷居が高くて(おもに金銭面)全貌をうかがい知れなかったがついに商業出版にて解禁となりましたよ。同人をメインとした短編集です。同じ月に商業誌初連載の「泥の女通信」も出ます。

男女間の機微を描いた短編集です。

道端に落ちていたちんちんを拾って飼う「さよならちんちん」
割り切って楽しくセフレをする「Hotel」
ずっと異性としてみてないがさつな友人に彼氏ができる「よよの渦」

これはおれの感覚です。
これはおれの感覚です。
これはおれの感覚です。念の為3回書いてみました。

よくあるといえばよくある男女の機微を描いた短編集です。そしてあらゆるひとが描いてますし、それなりに読んでます。

本作で特筆すべきは、なんていうかなズコズコやりまくりつつ悩むという男女の話のわりに、漂う嫌悪感がないことです。この嫌悪感は前記の通りのおれの価値基準や感性によるものです。

嫌悪感があるなしは作品の善し悪しとは別という気持ちはありますが、字の通り好き嫌いはあるわけです。本作は男女とも好ましいキャラなんですよね。

多分にかわいらしい絵が大きいのだと思います。そして中立かどうかは作者のサジカゲンではありますが、男女ともそこそこに愛嬌があり、そこそこにクズで、そこそこにお茶目といういわゆる「いいキャラ」なんですね。

それでいて簡単にはじまるセックスを日常のちょっとだけ上がるイベントって位置づけて日々楽しく苦しく過ごしておられるわけです。

「よよの渦」なんて処女の「よよ」をどこか小動物としてみて、自分は彼女の家にお泊りデートなんかにいくような感じであるが、よよに彼氏ができてくるとときおりよよが「女の子」になる感じとかとてもいい。

どっちにも「うん、わかるわかる」となるのがとっても新鮮。こういうのはやっぱり性差も作風もあるからどっちかの肩を持ちがちなんだけどね。そのへんのバランス感覚というか恋愛両成敗な感じが。

あくまでおれの感覚ですよ?

とくにこの本でも3コマか4コマある、うつむいてしょんぼりしてそうでそれが普通の無表情であまりなにも考えてないって顔が好きなんだよな。

https://twitter.com/oic_oniku/status/1114865897447936000

ここの1コマ目とか。

ということでこのあと出る「泥の女通信」も楽しみです。もちろん今後の作品も。

「セフレに彼氏が出来た話」1/4
https://twitter.com/oic_oniku/status/1116635228892569600



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重粒子の旅 -鼻にガンができた!中川 いさみ (小学館)


ベテラン大御所マンガ家(といっても差し支えないだろう)の中川いさみ氏の鼻の奥にできたガン宣告からの5年に渡る軌跡を。
とはいえ、タイトルの通り、日本に二箇所しか無くてそのうちの一箇所の神戸にいって重粒子線治療を受けるというもの。その2ヶ月の日々がメイン。
しかも、本人にはまだ自覚(痛みなど)がなくて、むしろ重粒子線治療によって起こる鼻の変化くらいかな。鼻の皮がベロベロにむけて赤くなる。
でも放射線や抗癌剤治療による副作用もない。すごく画期的。保険適用外で金がかかるくらい。だから、主人公は普通に仕事をして、なおかつ、日課として1日1万歩歩いたりしてる。

この退屈な感じは非常にわかる。3ヶ月だらだらと入院してたからなあ。

そして重粒子線治療もわかる。なぜなら父親がガン宣告されたときにどこかでここを週刊誌でみつけてもってきたから。ただ、こんな一箇所どころでもない転移しまくりの末期だったので「あきらめなはれ」ってことにはなった。

淡々とした退屈な日々。なまじ動けるし不都合と行ったら人前に出ると鼻の赤いのが目立つのでマスクを手放せないくらいで、なおかつ、歯科医に通う必要があるのでいろいろと寄り道したりとちょっとした単身赴任くらいな感じ。PCとタブレットを持ち込み普通に仕事もできてるみたいし。

書いてあることに嘘はなにもないが、帯のいろいろはちょっと大げさだと思った。
「病室で原稿を描き、瀬戸内グルメを行脚し、患者仲間と出会い」とか。
その淡々としつつ、入院も含めての「旅」な感じ、でも、それははしゃいだりことさらにアッパーな気分になるようなものではないって感じは非常によくわかる。病院のとき窓から見える世界一風景のキレイなスタバにいくまで死ねないと思ってたもんだ。いまだにいけてないけどそのスタバ。

かように氏の今後の症状も大げさなことがないことを祈りますわ。



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団地ともお(33)小田 扉 (小学館 )



あっと驚き最終巻。平成で終わるものってここんところいろいろあってメランコリックな気持ちになるけど、これもそうだなあ。

とはいえ、団地に住んでいる小学生ともおが活躍する1話読み切りのマンガは16年つづいて「いつもの」感じで終わっていた。Twitterの作者のコメントによると最終話らしいものが思い浮かばなかったからだそうで。そういやその手の最終回的な後日談や老齢になったともおとかも描かれていたもんな。

近年の作品は「おそ松くん」をホーフツとさせた。現在の「おそ松さん」のほうを想像されるとちょっとわからなくなるけど、原作漫画のほうはとくにおれが物心ついたリアルタイムの週刊少年サンデーのほうだと、もはやイヤミしか出てないマンガだったからな。
6つ子のハチャメチャ劇場な話はかなり奥にひっこんでイヤミが主人公のドタバタだった。それは「おそ松くん」でアニメ化されていたときもわりにそうだった。必ず「シェー」ってギャグをおさえていたからな。あのころはおじさんがおもしろいことをするのが流行っていたんだ。いまもそうだけど。

本編のラストエピソードは廃線跡をさぐる話だしなあ。小学生らしい学校ネタはなかったしなあ。各小学生メンバーや他キャラも活躍するデなし、そもそもともお自体もキャラを立てるでなくいつもの調子だった。描き下ろし連載のスポーツ大佐はエモい最終回だったのかな。

何年化してあっさり続編がはじまるような、「ハイ、つぎ」とばかり関連のない新作がはじまるような。

とまれ16年ご苦労様でした。平成の半分を駆け抜けたわけですね。NHKでアニメ化もしてるし。アニメもけっこう長かったんだっけ。

しかし、謎といえば、微妙に過去の設定ではあったよな。コンビニのゲームに興じたり、だれもケータイとかもってなかったりとか。



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メランコリア 下 道満 晴明 (集英社)



小惑星メランコリアが地球にぶつかります。地球はおしまいです。さてどうなるどうなるのオムニバス下巻。
地球が破滅するマンガは数あれど、静的なものではベストに近いデキだよな。あらゆるものが収束して結末へと向かうグランドホテル形式のラスト。すべてに道満じるしのおもしろが加わりつつ。

集英社のマンガでゲッサンを称賛するあたりのアナーキーさもいいやなあ。それすらもギャグでありながらエモいラストへの小道具に使用されるあたりのうまさ。

道満晴明作品がコンスタントに楽しめるっていい世界だよなとしみじみ思う。もうふたまわりほど売れてほしいとはつねづね。



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さすがの猿飛G(3)細野不二彦 (ヒーローズ)


アニメ化もされた「さすがの猿飛」の正式な続編。
3巻も続いているし、本格的に続いている。
GはグローバルのGということで世界各国から集まった忍者志望の生徒たちと学園に渦巻く陰謀をおなじみ肉丸が各国の仲間とやっつけるみたいな展開。

特筆すべきは作者がマジもマジの大マジでおもしろくしようと十重二重に趣向を凝らした展開で描いていることだな。
ややもするとこういう懐かしのマンガの新作ってのは余計なことをしないのが最善になるってのがセオリーで、いつもの通りのキャラがやりとりしてメタ展開(年をとった、最近の世の中描写等)をしてお祭りの今回限り復帰を出してわーっと騒いで終わりが1番多いし無難。それでも、最盛期との絵柄のちがいにみょうな年月を感じて、うーむってなる。
本作も絵柄はちがう。なによりも女性キャラな。いまの細野画風での猿飛たち、当時のキャラも主人公の肉丸のみ前面にいてヒロインの魔子はわりに奥の方、というか、別ラインで動いているね。

3巻では肉丸はエジプトとウクライナ出身のメンバーとチームを組んでロシアのチーム相手に3on3ってサバイバルゲームを繰り広げてる。すげえグローバル。
もちろん、各国の歴史や各人の事情をからめてのアクションが豊富であり読むだけで「ほー」って知識がつくのも「ギャラリーフェイク」仕込みのもの。

楽しんでいるというのはベテランであり職人である作者にむかっていうことではないんだろうが、読者に飽きさせないようにしつつあらゆる要素を、かつてのキャラに流し込んでいる姿勢はとてもいいなと。

そして、たとえば3巻である、贅肉を移動させておっぱいを作る疑似巨乳のような「なんだそりゃ」ってネタもある。それもまあわりに初期からの細野氏の作風ではあるんだよな。「なんだそりゃ」ってズレ。
キライな時期もあったけど、そういうのも細野マンガの味だなあと思ったりするようになったのでもう100%のファンではあります。そこがいいんだよ。そしてその「なんじゃそりゃ」なアクセントがとってもあとあと効いてくる。細野マンガで覚えてるのは案外とそういうところだったりするし。



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