2019年06月11日

新九郎、奔る!(2)ゆうき まさみ (小学館 )


すごく正直に率直に、読むのにとっても時間がかかった。

応仁の乱の争いに巻き込まれた主人公(新九郎)の生涯を描く大河マンガですね。

まず歴史モノがまったく苦手です。まったくダメです。このんで手に取るモノもあまりないですし、「容れ物」だけ時代劇がベースというのですら牽制するくらい。
それはマンガに限らずメディア全般ですかね。

その歴史モノにおいてもいろいろとジャンルがあるけど、1番苦手なのは、お家騒動ですよね。なおかつ群像劇。いろいろなひとがいろいろな思惑で行動するって。
本作はまさにそのど真ん中。というか、あえて合戦とかそういう絵的に映えるものは伝聞みたいな感じにして誰それがこういったああいったみたいな感じで展開していく。
ときおりのアクションはあるがそれはあきらかにメインではなく、いろいろな思惑で応仁の乱がはじまっていく感じが描かれてる。

だからまず最初に思ったのが中学のときに「応仁の乱」を授業でならって理解できたのか?ってことだよなあ。非常に複雑で、なおかつ当時の人間関係や常識やしきたりみたいなものをそこそこ理解してないとダメだよな。そしてそこらへんを懇切丁寧に描いてる。うーと、シン・ゴジラ的といえば通りが早いか。いままでのドラマが省略しがちなところを丁寧に描いている。

ということで実に読みづらかった。キワキワではWIKIの「応仁の乱」を引っ張ってすっかりネタバレをみつつ、5ページ読んじゃまわりにもどり、wikiを眺めって、じんわりと読みすすめていった。そうするとおもしろい。当然だ。ゆうきまさみ氏のマンガだからだ。

ゆうき氏のマンガには全幅の信頼をよせている。「絶対におもしろいはず。つまらないのはおれの読み込みが足りないはず」こう思うマンガ家のひとりだ。おれはそういうひと多いけど。その中でもトップクラスにそれ。
独自のリズムをもっているマンガ家にたいしては緊張とともにこれはちゃんと立ち向かわねばと思う。それこそ「究極超人あ〜る」からそうだし。

いろいろと艱難辛苦を乗り越えて、なおかつ中断中断しつつもついに読了した。1巻から読み直してたからな。
そこまでする価値があるのか?と問われると「ある/あった」と即答する。やっぱり読んでおいてよかった。まあ2巻までは。Wikiという攻略サイトをみるかぎり応仁の乱はかなり途方もない話になりそう。あらすじをどこまで書いていいのかもよくわからない。だから完結(いつになるのだろう)してからまた書きたい。



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平太郎に怖いものはない(後編)スケラッコ (リイド社)


児童書「ヘイタロウ妖怪昔ばなし」にインスパイヤされたマンガ。完結。
高校にいかずにひとりで親がやっていたお好み焼き屋を切り盛りしてるヘイタロウ。
何故か出没する妖怪や怪異現象。それに動じず寡黙にたんたんと日々を過ごす。
非日常そのものの毎日を強引に日常に過ごす。彼はなんでも極力平気で「いつもどおり」にしようとする。この「いつもどおり力」がすごい。だから、こわくないんだよね。こわいものでもこわくないひとが平気でいるから。だからとっても不思議な感覚。アイスクリームの天ぷらみたいな。まあ、お好み焼き屋の話なのでそっちのほうでうまいたとえがみつかるとよかったのですが。

「盆の国」「大きな犬」からのコマ運びやセリフなどのマンガ内に流れてるテンポはやはり独自でいいよなあ。落ち着くわ。

このマンガで1番思ったのは、「へいちゃん」みたいなお好み焼き屋が近くにあるといいよなあと。あとそういう店をやりたいなあと。

スケラッコさんの次回作を楽しみにしてます。



posted by すけきょう at 19:05| Comment(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

午前4時の白パン 木村いこ (ぶんか社 )


木村いこさんの創作マンガ集。イラストレーターやエッセイコミックの印象が大きいので意外な感じでした。

食をテーマとしたオムニバス読み切り集。「だし巻き卵」「ソース天ぷら」「立ち食いうどん」「白パン」など1食1話。

「夜さんぽ」という名作では夜にさんぽするというマンガに、視覚聴覚触覚などをフィーチャーして「夜」を描くということをやっておられてすごかったのですが、本作も、食に関して、積極的に泣かせるでなし笑わせるでなし、毎日3食に出てくるあたりまえの食とともにある日常を描いている。そう、食事をフックにしてるけど、それをことさらにありがたいものとはしてないんだよね。戦争で食べたあれはうまかったなあ〜とか、遭難して食べたチョコが〜とか。それの真逆。そこが最大の特徴だと思う。
もちろん美味いまずいって話じゃなくて、その食べ物はいつもそこにいて自分を形作ったりいい影響を与えてくれると。

たとえば「だし巻き卵」。通りかかる居酒屋のお姉さんに惹かれてる男子高校生。名物らしいだし巻き卵を1回食べたい。でも、高校生は居酒屋にはよう入ることができん。と、落とし物をきっかけに食べるその甘口でもしょっぱいだけでもないだし巻き卵に「大人」を感じる。お姉さんには彼氏がいたこともわかるし。そこがまた大人の味ってね。

みたいな。

食べ物とそのひっかけるところのギャップというか変なところが絶妙で、「いこまん味」になってるなあと。また、天ぷらにウスターソースをかけずにいられない父や、毎日うどんを食べないと気がすまないギャルJKとか、関西圏なのがまたうれしいところ。無理して全国区にしてないというかな。

女の子がまた気負いがないんだよな。プールの売店で売ってる焼きそばを食べる話の豊満な女性やら、ドテラにギブスの主人公のお姉ちゃんとか、美少女なのにオタク2人をさそってピクニック。焼き鳥の缶詰を食べ続ける等、みんな愛嬌のある女性ばかりで最高。そしてこっちも関西風味かねえ。なんつか、いくつのひともこのまま「ひとのええおばちゃん」になる感じがして。

料理ネタも、上記の天ぷらソースもそうだし、餃子を両面焼いたり(パリッと感が高まるそうで)、雑煮のもちにきな粉をつけて食べたり(奈良らしい)、食のこだわりのある回もあるし、へーと思う。

母親が関西圏出身(鶏肉をカシワっていう)なので、ソースに天ぷらは昔からおなじみ。富山のうずまきかまぼこを厚めに切って天ぷらにしてソースかけて食べたら最高だったなあと。久しぶりに食べたくなったわ。




posted by すけきょう at 19:04| Comment(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

怨霊奥様(2)若狭たけし (BookLive )


結婚した奥様は怨霊でしたと。
ネットでかなりバズってらっしゃるようで。マンガ家さんでもかなり昔からフォローさせてもらってるので情報は入ってくるほうなんですが人気があるそうで。

わりと同じことを書いているのですが、今回も30分の深夜コメディ・ドラマなドタバタをすごく丁寧に描いております。この褒め言葉になるのかわかりませんが「テレビみたい」って感じでは孤高ともいえるくらいの作風だと思います。

マンガのテンポやギャグとはちょっとちがう感じ。これはなんだろう?と毎回謎に思うのですが、前記のように多くの方に受け入れられているようでなによりです。

いつも思うけど若狭作品ってすぐにでも実写ドラマ化デキそうなの多いんだよね。というか逆で、またまた前記のように実写ドラマのコミカライズみたいな。若狭さんの中では映像である実写ドラマをそのままマンガにしてるんじゃないか?ってくらいで。それでも本作は際立って「ドラマ映え」しそうな気がするんだよな。

「美味い玉」食べたい。ドラマ化してコンビニとタイアップして「美味い玉」発売してほしい。コンビニのどこに売るんだ?




posted by すけきょう at 18:59| Comment(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

剥かせて!竜ケ崎さん 1 一智和智 (オーバーラップ)



Twitterでブイブイいわせてらっしゃる作者の新刊。紙の本で買うのははじめてです。というのも、Kindleで無料の本をけっこう出されてるからですね。本作もKindle無料版として本作の3話まで収録してたものがありました。

https://twitter.com/burningblossom/status/1135493508242894848

亜人ものです。リザードマンのJKのトカゲであり人間である竜ヶ崎さんの脱皮した皮にのみ興味を示す変態少年とその少年に恋してる竜ヶ崎さんのいろいろとおかしい話。
少年は皮を丹念に拾って組み替えて皮だけの竜ヶ崎さんを作ることに命をかけてます。竜ヶ崎さん自身は「本人に興味を持って」とストレートにいってるにもかかわらず。

と、現在はほぼその1ネタなんですが、ネタや話へのバリエーションや展開はさすがベテラン。しかも、変態同士のラブコメ未満(男があまりラブっぽくないし)なのにきちんと後半にクライマックスを用意してるしなあ。

半透明のまぶたやキレイなエメラルドグリーンの瞳、ひび割れて脱皮がはじまる身体など、フェチがビクビクくるところも多いしで、スキのないバカ亜人マンガとしてとてもいいです。



posted by すけきょう at 18:57| Comment(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ぼくたちは勉強ができない 12 筒井 大志 (集英社)


珠玉…。アニメ放映中での新刊はやはり気合が入るのかね。注目が高まるからなあ。それにきちんと高クオリティで応えるのが素晴らしい。アニメ化のときの原作単行本発売のクオリティってどれも気合入ってる説を誰か記事にまとめてくれよ(ま、「気合入ってる」が主観だからわからんか)。

勉強を教える家庭教師役の主人公がかわいい女の子に翻弄されるハーレムモノ。

表紙は読者投票で1位だった桐須先生オンリーで、当然クライマックスの話もそれを持ってきている。でも、他のキャラもそれぞれすばらしエピソードをぶっこんで色を薄めない感じ。前巻では薄めだった緒方さんとあすみさんのエピソードもすばらしい。

これがおもしろいのは、それぞれのキャラと主人公のマンツーマンのラブ模様がそれぞれレベルがちがうんだよね。
なにげに緒方さんは最初にキスしてるけどそれは事故。文乃さんはぬいぐるみ越しのキス。うるかは「あいさつ」での口のキス。そいでうるかは崖っぷちでどうするか?のキワまでいってるし、文乃は彼女らの気持ちに配慮し遠慮しつつも惹かれている自分に揺れてるし、緒方さんはピュアすぎて本人もやっと自覚し無自覚のアプローチからかなり意識して先に進んできてるし。桐須先生は先生と生徒というラインを死守してるけど惹かれる自分を否定しきれなくなり、あすみさんはそれらからいっさい距離をおいてるけどそれはポーズで本当はすごく憧れてるみたいなな。
全部別のマンガのヒロインできそうなキャラなんだよな。それらをすごく上手に交通整理してる。んまあ、もっと直截な表現するなら「まとめて」る。

と、でもそれって両刃の剣でもあるわけでさ。ラブコメで魅力的な女性を描けば描くほど、「いずれひとりを選ぶ」という展開に抵抗が生じてくるし、それが魅力的に描けば描くほど選ばれないと辛いことになるからなあ。それを選別するための11巻かと思ってたらまたリセットになったよなあ。それぞれがそれぞれの親密度をジワっと上げてる巻でさ。

作者はバランスのひとであるから、そういう方面にもいい着地点を用意しているのかそれともウヤムヤのママ終わるのか。11巻のヒキも意外に消化したしなあ。でもそれらの経験値をキャンセルしているわけでもないし。うーむ。目が離せないマンガだ。



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その着せ替え人形は恋をする(3)福田晋一 (スクウェア・エニックス)


ギャルが実はオタクでコスプレをしたい。主人公は陰キャで祖父のやってる雛人形づくりにしか興味が無いと思っていたら服作りに才能を発揮してすげえ服を作って、彼女に見事なレイヤーデビューを果たした。そしてギャルは主人公をスキだと自覚してしまった。
ここまでが2巻で、3巻は新キャラが現れてどうなる?ってヒキだったんだけど。

新キャラが!

すげえ!

すげえ!

かわいい!

そうなんですよ。新キャラって恋の鞘当てかと思ったら、コス募集でおしかけてきて美味しいところすべてかっさらっていった台風のような3巻でした。そういう展開ってアリなのか?と思ったりしましたよ。かなりピュアな「かわいい」担当なんですよね。

伝説のレイヤー。だけどちびっこで純情でかわいい。彼女と新しい衣装を作ろうという名目でいろいろと遊んで回る。

うーむ、闇属性光属性とあるけど、本作はレイヤーの光の部分のみ。しかも、真夏のギラギラな感じで。

そいでもってヒロインも依然いい子でかわいいという。なんだこれ?「かわいいマシマシ」かよ!(ハライチ岩井風)って感じ。

ただどうなるんだろうかなあとも。このまま「かわいい」でフルスロットル勝負でいくのかと。いまはその真っ白になるくらいのライトに照らされた(バラエティに出てる大物女優風)カワイイのインパクトにやられたけどそのままで済むのか?と。
そんな無用の心配をしたくなるほど、カワイイ強行突破な3巻でした。




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