2019年06月26日

ものするひと 3 オカヤ イヅミ (KADOKAWA)





売れない小説家マンガも最終巻。作者のほぼ最初の長編だったそうです。

1巻より主人公のまわりにいた女子大学生と「気づいたらやってた」って文学的なやつをやっていいなあと。それが3巻の最大の感想です。文学だとどうしてそうなるのかと思うよなあ。気づいたらやってたいよなあ。と、そういう事ばかり考えてしまうのです。いわば文学的な感想です。

そしてオビにあった「心を揺さぶるフィナーレ」ね。そのJDとの生活が楽しくて書けなくなる主人公がふたたび書くようになるまでのきっかけなんですよね。そこからラストまでが本当鮮やか。そのきっかけの場面でフォーカスがキチっと合う。そこにはたしかにゆっくりではあるけどココロは揺れた。

ああ、ふとつながった。「の・ようなもの」だ。森田芳光監督の落語家のめんめんを描いた映画。だいぶ昔の。昭和の映画。これを連想したんだ。ちょっと誤解を招きそうだけど、「うそくさい」ところが。
「の・ようなもの」は売れない栃木弁丸出しの二つ目の落語家が主人公。ほかにも抑揚のない「テクノ」みたいな落語をする同期、妻帯者なのに後輩に金をたかってまでソープに行く兄弟子とか、いろいろ。
このそれぞれの「本当にいるかもしれない。でもいなそう」ってラインというか、それが実在しようとしまいと、別にかまわないという、ここに漂う空気を愛でるマンガという点で、本作と「の・ようなもの」は似ていると思った。

主人公は警備員のバイトで生計を補助しつつ、ポメラDM100を開いては帰り道の電車でも言葉を紡いでいく。そして10歳年下の女子大生と懇ろになったり、大学の学園祭でDJとかいかしたメンバーと「たほいや」をする。
それがリアルなのかファンタジーなのかおれにはよくわからない。でも、この雰囲気は悪くない。その雰囲気が「の・ようなもの」に似てると思ったのでした。

そういや、本作のラストページは、同じ森田監督の「家族ゲーム」のラストのそれに似てたな。

オカヤさんの次作を期待してます。あとやっぱりポメラがほしくなるな。小説を書く気はないんだけどさ。




posted by すけきょう at 20:50| Comment(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

イジらないで、長瀞さん(5)ナナシ (講談社)



もう1巻の衝撃がとかいうのはうんざりでしょうし、こっちも気持ちを切り替えようと。

非モテ美術部の男子になぜか惹かれるイケイケチームの長瀞さんのラブコメ。

先輩はキモいからエロ本を部室に隠している。長瀞さんはそう予測。実際に持ってた。でも、かなりわかりづらいところに隠してある。長瀞さんはそれを必死で探してる。しょうがないのでみつかるようにした。そうしたら大喜びでエロ本を持ってた先輩に「キモ」「エロ」っていう。語尾にハートマークをつけての「エロ」「キモ」ですよ。

長瀞さんの友達がストーカーにつきまとわれて困っているので恋人のふりをしてデートをしてみせつけようと。長瀞さんは反対してたけど受けてしまう。で、デート当日あとをつけておもしろがろうという長瀞友達ズの思惑と裏腹にソッコーでストーカーを捕まえてしまう。

まあでもヤキモチ焼きの長瀞さんといい感じになったのかなーって思ってたらアンパンのネタはエロくてよかったな。

話もはじめて「次巻につづく」ネタだったしな。安定期の1冊でしょうか。


posted by すけきょう at 20:45| Comment(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

六道の悪女たち(15)中村勇志 (秋田書店)



14巻でカンフー編になって、「なんだそりゃ」と思いつつも、それがそれでおもしろくて、「調子に乗ってる!」「ネタ切れでやりたいことやってる!」「迷走しやがって!」なんて書くには完成度が高すぎてモヤっとしてたところ15巻でさらに完成度が高くなって、なおかつカンフー編が見事に重要エピソードとして終わってこれまでのキャラが学園に入ってきて悪女グループがさらに強固になってネクストステージって完全に鉄板展開で、それがまたつまらないはずもなくと、ホメる以外に書くことがなくてこちらも手持ち無沙汰だわ。

とくにカンフー編でのゲストヒロイン役の鈴蘭さんがとてもいい。まあ、久しぶりにみる喫煙するJKってキャラだけどそこも含めていい。

このまま悪女版水滸伝みたいな感じになっていくのかしらん。



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丹沢すだちが此処にイル!(1)(2)額縁 あいこ (講談社)





コミュ障だけどラップに勇気をもらったのでラッパーを目指すことになったすだちさん。でも、コミュ症のまま。で、隣のラップに興味のないメガネが巻き込まれてしまう的なよくあるやつ。

授業中、トイレに行きたいけど先生に手を上げていうのが恥ずかしくてできない。だからメガネが「プチョヘンザ」と煽って手をあげさせるってのが説明しやすいですね。

1巻ジャケ買いで買って、ほおこりゃええわいと2巻を買ったら2巻で完結しちゃったよ。マジかよ。おもしろかったのに。ちゃんと1巻より2巻のほうがおもしろくなったし、最後すごく盛り上がったのに。

と、このラップに勇気をもらってラップをはじめるのは同じ講談社のラップ女子マンガ「Change!」と同じ図式なんですね。2巻での感動の度合いもいっしょでしたよ。

で、オビがいいんだ。2巻のオビね。なお、1巻のオビは大川ぶくぶ氏が書いております。同人仲間だそうです。で、おれが感じ入ったのは2巻のオビね。

「眺めて楽しい!ポンコツ可愛い系ヒロイン!」

この「眺めて楽しい」ってのが非常に的確でさ。まさにそうなんだよ。すだちさんがかわいい。眺めてるのが楽しい。彼女にしたいとか、ヨコシマな気持ちってのとはちがって、彼女がけなげにちょこまか行動してるのを観察するのがとてもたのしい。2巻になってさらにリミッタが外れたかのようにかわいい。主人公でかわいいのに猛烈なイキオイで影が薄くなるところがまたかわいい。
すだちさん、巨乳ではあるし、そのネタがたまにあるけど、それ関係なくかわいい。あまり巨乳が機能してないかな。まあ巨乳であることに損はないんだけど。

1巻より2巻のほうが絵がブレがちではあるんだけど、不思議と2巻のほうがかわいいんだよね。あと迫力がある。だからこっちのほうが断然いい。そしてラストへの流れがいい。なんで終わったんだろう。このままキャラが増えて賑やかになった3巻もみたかったなああ。


posted by すけきょう at 19:36| Comment(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

メタモルフォーゼの縁側(3)鶴谷 香央理 (KADOKAWA)


いやおもしろいマンガではあります。「このマンガがすごい!」で1位なのも異論がないです。
ただ、2巻までだとなんていうかやや雰囲気系のマンガかなと。

BL好きが縁で出会うJKとおばあちゃん。彼女らは友情を深めていく。それぞれにうっすらとしたストーリーを進行させながら。そのふわっとしつつも重かったり苦かったりする話のなか、おたがいがおたがいにいろいろと考えている。

でも、それらは3巻でギュッと結実する。もっというと3巻の最後のページで。

あざやかにスパーン!と決まった。そうか、こうしたかったのかと。このスパーン!に涙が出るから糞チョロだよなあおれ。

人生があきらかに変わった瞬間であり、それをJKが自分の手札からドローしたのよ。それに感動した。

そう思ってみてみるとこのJKの表情のない描画がものすごい。表情をあまりオモテに出してこない無愛想なJKではある。でもその葛藤や勇気がすごく伝わる。しかもその「大事なセリフ」をいってたときの表情がすごい。両方凄い。こういうとき「決め」た顔か、あえてなにげない顔にするか、もっというと表情を隠すなんてのも割合とポピュラーな手法(実は本作でも多用されてる)。でも、このマンガの決めのシーンではばっちり描画してる。これが正解かどうかはおれには判断できない。でも、「凄み」がある。これだ!と。しかも、これタイトルに帰結してる超重要なシーンだよ。それを「これ」にしたのか。ちょっと震撼。

すごいマンガになっていくんだなと思った。




posted by すけきょう at 19:22| Comment(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

メイドインアビス 8 つくしあきひと (竹書房)


読み終えて最初に思ったことは「うわ、これアニメ化できねー」だった。

アビスという巨大な穴に潜っていく話。8巻はまるごと過去編。ほぼメインキャラは登場していない。そして凄まじくダークでアレな過去。

おもしろいんだよ。マンガとしてなら最高なんだよ。でも、マンガくらいすばらしいアニメをみたらやっぱりアニメでもずっとみてえじゃん?ってなるじゃん?でも、8巻はほぼテレビ放映に耐えられないくらいのアレな話ばかりじゃん?エロのほうもグロのほうも。

そこが残念でした。マンガとしてはいよいよ深淵に。クライマックスではあるんだよな。おもしろいおもしろい。でも、アニメでもみたいのー。でも、だからって手加減しろとはいえないのー。すごいモヤる。

つくしあきひとさんのツイート: "51話でございます。これは出番のなさにふわつくナナチです。 メイドインアビス│WEBコミックガンマ https://t.co/zOjpGSsjCX #WEBコミックガンマ… " https://twitter.com/tukushiA/status/1112168449583665152

ほんと、この階層にいってからナナチがあまり活躍してなくて不憫なのでそろそろいい仕事させてあげてくださいな。



posted by すけきょう at 18:56| Comment(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする