2020年06月15日

藤カラー ZERRY藤尾 (クリベロンコミックス/リイド社) 年コミック

ZERRY藤尾名義の成年コミックとしては4年ぶり。その前の「いろつき」は10年ぶり(その前は幻冬舎から出た「COME TOGETHER」になるのか)。そしてその間は「山田穣」名義で「がらくたストリート」等を執筆されてます。とはいえトータルでも寡作とはされてますよね。大ファンではあります。

とはいえ、最近の成年コミックはとにかく高い。本作もオールカラーで1760円です。だから前作「いろつき」も買ってなかったです。おれはオールカラーコミックにいい感情はないから。「高い、薄い、読み応えがない(見応えはあるね)」だから。
そういうことで本作も買う気はなかったのですが、たまたまみていたFANZAで電子書籍版の「いろつき」が半額で売っていたから、それでも880円どうかなあと思いつつも、給付金10万あるからと気が大きくなったので買ったら、まあ、うん、最新作もお買い上げと相成った次第なのです。

本書の内容は折りたたんでおきます。このためにFANZAのアフィリエイトも申請して登録して仕込みました。というのも、本書の電子書籍版はFANZA限定の4pマンガが描き下ろしで。これがまたいいんだよ。だから、ぜひ、FANZA版で買いましょう。その中身には触れませんが、「おお、こうきたか」ってかなりニヤニヤできる内容です。

書籍版を買うのが1番いい(というか現在すごくほしい)んですが、次はFANZA版かなと。

(で、まあ、蛇足なんですが、これ、楽天もアマゾンもアフィつけられないんだよね。なんでだろう?アマゾンKindleのほうは本作の単話をバラで売ってるけどさ)

参照:

[「がらくたストリート」1巻 山田穣(幻冬舎コミックス) : ポトチャリコミック]
(ボーナストラックとして過去のおれが書いたZERRY藤尾全成年コミック感想文付き)
追記あり
posted by すけきょう at 20:58| Comment(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年06月12日

チェンソーマン 7 藤本 タツキ (集英社)




順調に巻を重ねていることも、人気があることも、週刊少年ジャンプで連載されていることも、そして娘が興味をもったので読ませろってバックナンバーを集めさせたこともすべていまだに信じられない。
そんなことでいえば、「鬼滅の刃」が狂った売れ方をしていることも、もっといえば「ONE PIECE」もそうだ。もっと前もそうだ。おれが本当の少年だった年齢で少年ジャンプを読んでいた頃から、ジャンプのマンガには納得のいかないものが多い。どうしてこれがイケると思ったのかわからない。
でも、わからないからこそおもしろいんだと。

デビルハンターのデンジはチェンソーマンとして活躍してます。そのチェンソーマンを殺そうと世界各国から敵がやってきてバトルロワイヤルがはじまったのが7巻です。

前作の「ファイヤパンチ」もそうですが、藤本作品は世界がずっと不安定です。根本からグラグラのあまり誰にもコントロールできません。だから、全員がそれぞれの「おれルール」で動いております。それゆえに全てのキャラが無軌道にみえるし無秩序に振る舞ってます。むしろ秩序を求めるひとから死んでいくというシステムこそが唯一の秩序と思えるくらいです。
おのれの欲求に従い、めちゃくちゃやっているひとがなんかがんばってる。でも、それを上回るめちゃくちゃが世界を覆っていて、なんの意味もなく死や残酷やグロやエロが訪れるのです。

それがとてつもなく痛快であるが不安でもある。どこかで辻褄を合わせて「安心」したいのだけどそれを藤本タツキ氏は許してくれない。デンジもパワーも各キャラもみんな無軌道に行動して、あっさり死んだり殺したりする。そして物語自体もどこに向かい、どうなるのかも見失いそうになる。
もちろん、マンガ家はマンガにおける神としてコントロールしている。でも、本作は、「え、大丈夫かな?」とは思ってしまう不安定さがある。それがすげえよな。

「BURUTUS」のマンガ特集で言及されていたけど、7巻では榎本俊二氏の「斬り介とジョニー四百九十九人斬り」のオマージュがありました。10年前のマンガっすね。すばらしく効果的でしたし、それを週刊少年ジャンプで令和にぶちかますところですよ。作者は神として「チェンソーマン」世界に混乱と混沌とその他を起こし続けているわけですよ。

あといいたいのはパワーがかわいいなと。(読者のキャラ人気投票でも1位だったのでライバルは多いな)

[「斬り介とジョニー四百九十九人斬り」榎本俊二(講談社): ポトチャリコミック]





posted by すけきょう at 22:47| Comment(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年06月09日

ぼくたちは勉強ができない 17 筒井 大志 集英社



マルチエンディングを採用したラブコメのひとつめが終わりました。

5人の女性にホレられる主人公。それらとそれぞれ結ばれます。そのうちのひとりと結ばれた最終巻でした。次から別のひとと結ばれるエンディングがはじまります。

これさ、発表されたときにネットでたいそう話題になったよ。賛否両論らしい。独自ということでもないらしいんだけど。
同時期に5つ子の娘とする恋愛マンガはひとりに決めて終わったことの影響なんかもあったのかしら。

でも、そういう「些細な」ことをぶっ飛ばすかのような王道の大団円が17巻にはある。筒井氏はシンプルにマンガが上手いと思いましたよ。え、これ、マルチエンディングする余地があるの?これが「正史」じゃねえの?って。ほかの子のエンディングなんてただの蛇足になるんじゃないの?って思ったり。

そして、この作者だから大丈夫とも思った。それくらい見事だった。これまでもそうだけど、きちんとケリのついた17巻もそう。王道や1発めだけあってきっちりとした正面的な展開。そして終わってみればほかのも堂々とした納得いくエンディングなのは確信してても大丈夫だろうとも。

ラブコメで、ハーレム展開の場合、1番の問題は、魅力的なメンバーがひとり以外ふられるんだよな。そこらへんどうするんかと思ったけど、そこも見事だった。全員の「思い」を丁寧に拾った。
そして次はまたそれぞれの「思い」を拾うのだろうな。


ほかも楽しみだ。あと作者の本作の次の展開も。



posted by すけきょう at 00:05| Comment(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする