「女の子が可愛くて何も考えなくても楽しめる軽い感じの漫画にしよう
「一話一回はにかめる」が目標」
・ファミレス「ハニカム」で働く主人公を自分の視点として、いっしょに働くカワイコちゃんたちを「カワイイ」と目尻を下げながら読む1話4pのショートギャグです。前記、あとがきのとおり、余計なものは一切ないそれこそ純はちみつのような、無菌で、無敵な、純萌えマンガ。
・これが目尻が床に着くまで下がるから恐るべしなのよ。
・2巻ではキャラが増えるそうですが、まずは1巻表紙の4人に萌え狂いましょう。
・シャアを理想の人としている女子。
・赤貧で主人公をカゲながら慕っている(まわりモロバレだけど)ツンデレ。
・計算したロリ巨乳でデブ専でちょいとSないじめっ子体質。
・無口で「妙な子と書いて妙子」ないろいろとスペック不祥なホール長。
・自分のメガネ姿がすごくブサイクだと思っている、シャアの子がすごくいやがる姿で玉砕。
・ビンボーでいつも店の手つかずを持って帰る子に実家の芋をあげようかというと「人に施しは受けない」と強がるも、最終的には涙をこらえつつ「イモをください」と訴える姿に玉砕。
・主人公が猫耳が好きというから、つけて主人公の前に現れて「カワイイ?」と聞いて、バカにされているのを知っているから怒り気味に「ああカワイイですよ!」といったら「カワイイっていってくれた」ことに対して無邪気にヨロコブ巨乳さんに本気でカワイイと思ったりしてなあ。
・というか、まあ、赤貧の子が最高なんですけどねボカァ。
・こういう「お気に入り」ができたり、ロクに本も読まずに人物紹介が可能って時点でもうアウツです。白旗状態です。
・萌え系のマンガはそこが最大ポイントですね。まあ、萌え系というか、もっと広義に「アイドル」の商売。
・好きなときはAKB48の全員のプロフィールをソラでいうことになんら労力を必要としないのに(脳内に流れ込む)、そうでもないときはマナカナがどっちがどっちかもわからない始末ですよ(たとえとして不適切ですね)。
・そうやってキャラがアタマにインストールされた時点で、そのマンガの勝ちは決まります。そして逆に、いくら魅力的なキャラでも、アタマに入らない限りはどんな高スペックでも上スベリするんですよ。
・浜崎あゆみにすべてのスペックで勝っていた安西ひろこが失速するのに似てますね。
・サンドウィッチマンをはじめとして、漫才の人、とくに新人が登場したときによくいうセリフ「名前だけでも覚えていってくださいね」ってのは相当重要なコトバだったりするんですよね。
・昨今の萌えマンガはそこを怠っているような気がしてしょうがないです。カワイイ子をずらりと10人ならべても覚えてもらわなかったらまったく意味がないわけです。逆に容姿やキャラを覚えてもらえばそれだけで成功ですし、とにかくそれに全力を傾けるべきなのです。1巻1人くらいのイキオイでやっていいくらいです。ま、それだけ魅力的に描かなければなならないでしょうが。
・まあ、作者、あるいは、本作は、「なみだ目」が武器ですかね。目に涙を浮かべる女性というのはこうまでもココロを動かすのかと二次元にあらためて学びました。あとテレはやはり二次元でも三次元でも無敵ですよね。
[ポトチャリポラパ/コミック/2006年11月/「そこはぼくらの問題ですから」 桂明日香(太田出版)]
・作者の作品は以前、これを読みました。これは正直ピンとこなかったのですね。あと、萌えでヌルギャグも、飽和気味に思ってましたので、恐る恐る本作に手を出したのです。でも、まあ、これだけいろいろと書かせるほど楽しませていただいたと。
・こういう笑いより「カワイイ」配合が高いコメディマンガは相当供給過多だし、おれ内でも飽和しきっていたのですが、やはり「カワイイ」は強い。そしておれの意思は弱い。そういうことを知りました。
・カワイイに貪欲な方はぜひどうぞ。鐘成さん(赤貧の子)はおれのものだけど、他のコはどうぞ。
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