2008年07月11日

「ポルノグラフィティ」1巻 とみさわ千夏(双葉社)


昭和の女たちの懐かしくて甘いエロス


・タイトルにオビの感じで「三丁目の夕日」でエロみたいな感じかしら?と思う。しかも、オムニバスで。

・で、とみさわ千夏氏。オビ裏に復刊案内ありましたが「てやんでいBaby」ってたしか「ミスターマガジン」に連載してましたよね。赤ちゃんにヤクザの若頭の魂が入り込むってやつでしたか。雑誌内では楽しく読んでました。

・それくらいの知識でジャケ買い。と、これがたいそうおもしろくてエロいから世の中おもしろいわけで、ジャケ買いとかアドリブやノリで適当に買うのは止められないワケですよ。

・舞台は昭和。でも、時代はバラバラ。戦後以降の昭和でしょうかね。

・1編の前後編をのぞいて1話完結のオムニバスです。全6話。

・沖縄旅行に、彼女と彼女のトモダチといって、トモダチと浮気してしまう「サマーフラッシュ」

・農村が舞台。遊びクセのある長男のためにムリヤリ女房をあてがって跡を継がせようとしたけど、長男は東京が忘れられなくて逃げる。しょうがないので隣家の農業手伝いとして雇うが、そこの息子と小屋でできてしまう「健児の嫁」

・温泉街のビアホールでバンドのバイトをしていた男が芸者と休みの日に海水浴に行ってバンガローでいたす「温泉さくらんぼ芸者」

などなど。

・エロかった。

・最近、成年コミックや、それに準じたノリの準成年コミックばかり読んでいたので、それらの文法やお約束に則ってない本作がすごく新鮮でした。これが最高に大きいかもしれない。やはり、マンネリはエロの最大の敵ですよ。

・絵は双葉社エロ劇画ともうしましょうか、「ピザッツ」とかに連載するにふさわしい、現在の主流の技術を盛り込んだエロ劇画というカタチでして、そのまま「快楽天」やら「メガストア」にあっても違和感がないものですが、その作りというか、手触りが全然ちがうのですね。
・表紙の絵とはずいぶんちがうのでご安心を。表紙のはあれで昔の映画のポスター風にしてあるんで、中の絵とずいぶん受けるイメージがちがう。おれも正直そこがネックでしたので安心しました。

・ポイントは「昭和の女」ってことですかね。恥じらいがあって貞節を持っているけど、男の押しと、自分内の「女」に負けてしまう感じでね。
・背景描写や、風俗などにも、昭和フィルターが丹念に丁寧に精緻に張り巡らされております。とはいえ、そこがポイントってわけではないですので、必要以上な、解説みたいのはありません。

・作者の性的嗜好なんでしょうか、「入れてから」描写が細かい。もっというと内部描写を言葉で表現しているのがたくみです。

・エロ描写は絵もあるけど、ナレーションとかモノローグの文体は官能小説のそれですね。黒っぽい背表紙の。エアーブラシで描かれた美女が表紙の。「淫」っていろいろと工夫してタイトルに盛り込んでいるタイプの。

・白眉は「温泉さくらんぼ芸者」でしょうか。ゆっくりと挿入されていく感じを細かく描写されてます。エロいです。

・あー、まー、だから、オッサン向けのそういう小説の雰囲気が苦手ならダメかもしれない。でも、そういうのも含めてすごく昭和的だとは思うし、この雰囲気はいわゆる黄色い楕円の「成年コミック」にはないものです。

・昭和51年が舞台。アパートで同棲しているカップルが朝から延々とテレビや外の音をBGMにやりつづける「ビューティフルサンデー」がよろしかったなあ。これは寝取られモノじゃないか。

「ドレミファドン」のスーパーイントロクイズの答えを頭の中でお互いに考えながら行為におよんでいたりな。そういう日曜の昼下がりっていいよなあって。

・エロかったよ。成年コミックには及ばない薄い描写ではありますが、負けないくらいエロかったよ。とくに、成年コミックなれしている方には新鮮な驚きがあるんじゃないかしら。

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posted by すけきょう at 18:15| Comment(0) | TrackBack(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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