・ウサギのキグルミみたいなパパとその一家を描くファミリー4コマ。
・実写化されているんだよねえ。木村佳乃氏がみゆきママかあ。と、そこいらの撮影風景を取材したエッセイコミックも収録。
・本編、ラビパパとムスコがウサギっぽいってだけのほのぼの4コマってとるにはカンタンだけど、「いろいろ」を乗り越えてまとまって現在にいたる、その瞬間での「家族」をピシっと押さえているところがすごいと思うよ。
・今の、ラビパパで、ラビ彦で、みゆきままで、ラビ子で、チェジウ(亀の名前)で成立する「今」(ま、物語内はサザエさん時空ですが)のマンガってのがいいよなあ。
[ポトチャリコミック: 「この世界の片隅に」下巻 こうの史代(双葉社)]
・ここでも書いたけど、「家族」は作り上げられていくものであり、それは日々微妙にカタチを変えているものでして、上書き更新されていくわけで、それに正解や成功もなければ終わりもないのです。
・ラビパパがムスコのラビ彦と天国の話をするわけですよ。地面が全部おっぱいでできてるとか。
・お母さんのみゆきさんは保育所の先生と連絡帳でいつしか文通みたいな状態になって、ラビ彦はその配達人になっていたりとか。
・ラビパパとラビ彦がお風呂からお母さんを呼んで、ドアのすりガラスにチンポを押し当てて見せつけているというイタズラをやったらすりガラス(プラスティックだよね)ごしにパンチされてうずくまったりするわけです。
・これらの上手いところついてる感と、「あるある」感に、彼らへの愛を感じずにいられないのですし、それぞれがそれぞれの「家族」を模索してるなって感動があるわけです。
・なかでもおれがスキだったのは、最後のエピソード。あこがれのダイニングテーブルを買いました。これで私らもレベルアップとよろこびながら食べてましたが、子どもらは緊張してお行儀よくなり、ラビパパも父親ぶってしまい、すごくギクシャクする。で、結局ちゃぶ台をだして「我が家はこれだ」って話。
・これまでグダグダとおれが書いてきたことが凝縮されているようないい話です。
・というか、すごく「あるある」です。まったく同じことやってます。
・多分に実体験やそれに類似したことに基づいた、ベタな中にキラリとひかる「あるある」がステキな4コマでした。
・家族やワキキャラも全員キュートです。全員ちゃんとスキや欠点をイヤミなく描いているところに作者の非凡なセンスが光ります。
・もうベテランの風格も漂いはじめてますね。
(ただまあ1000円は高いよね)
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