・同時発売の「柘植文のつつウラウラまんきツアー」でのオビ推薦人が、小田扉氏、松山花子氏、安田弘之氏。
・と、この6人、だれか1人でもファンがいらっしゃるなら本作は強烈にオススメしておきます。確実に野田さんのファンになることができるはずです。おれと同じで。
・おれはオビの推薦人の面々(松山花子氏以外はみんな単行本を持っているファンです)と、ピンとくるものがあり買いました。まったくの初見です。前情報ゼロです。そして、すごくおもしろかったんですよ。
・いわゆるFランクの大学に通う野田さんとユカイな面々がおりなす、ユカイな日々を描いておられる1話4pのショートコミックです。
・野田さんは、ひとり暮らしで、ファミレスでバイトして、いつもミツアミにトレーナーにジーンズという地味なカッコのメガネっ子です。メガネを取ると「3」の目になっております。
・彼女はファミレスで、こないだ合コンで、石破防衛大臣のモノマネをしてどんずべりしたので、今度は誰のモノマネをすればいいのか真剣に相談するような方です。
・すごく美味しいピロシキがあるという理由で、埼玉西部ライアンズのファンクラブに入り、会員割引で球場に入っては3つ4つ食べるのです。
・家のテレビがこわれ、商品が42インチのテレビというだけの理由で、大学のミスコンに出場しようと思ったりします。
・野田さんはちょっとずれてますが、実は、すごくリア充です。そしてみんなに愛されています。こういうパターンだと、ひとりはツッコミ役が存在するものです。それでいうと全員がツッコミではあるんですが、全員が野田さんのファンなので野田さんを受け入れるのです。そのピースフルな感じと、野田さん自身の特異なキャラに、すっかりハマってしまうのですよ。
・上記のマンガ家さんが推薦するワケもわかりますし、共通するセンスのようなものもありますが、それよりも、小学館青年マンガのギャグのテイストがより近いような気がします。
・小田扉氏ももちろん。中川いさみ氏、吉田戦車氏、中崎タツヤ氏などにも通じるものがあると思います。
・たまにおれのセンスと相容れないドンズベリな回、たとえば、「野田家の伝説」とかも込みで、小学館ギャグ、もっといえば、ビッグコミックスピリッツなノリがあるなあと思ったりします。
・読んだら野田さんのファンになりますが、同時に重松さんのファンにもなりそうな気がします。それはおれがそうだから。彼女も特異なキャラでいて野田さんのファンというところがいいね。超無口だけどココロの中で毒舌まくってるという。その彼女が野田さんは好きというのはすごくよくわかる。
・ということで、みなさんも野田さんのファンになりましょうよ。
オススメ
[Amazon.co.jp: 野田ともうします。 1 (ワイドKC キス): 柘植 文: 本]
[Amazon.co.jp: 柘植文のつつウラウラまんきツアー(バンブーコミックス) (バンブー・コミックス): 柘植文: 本]
・ついでといったらなんだけど、同時発売のこれにもふれておきます。
・こちらは作者の柘植氏が1人でいろいろなツアーに参加するというルポエッセイコミックになっております。
・伊豆大島の日帰りツアーはオッサン2人組と自分だけ。
・ヘリコプターフライト体験はなんと1人。
・あとは担当さんといったりするルポもありましたよ。セクシーショーってメンズの方がパンイチで踊るやつとか、サファリパークとか。
・えーと、レビューとか感想文とか書くにあたって最大の禁止フレーズってなにかわかります? それをあえて今から書きますよ。
「普通におもしろい」
・これです。これ、おれが同時発売の「野田ともうします。」を先に読んだのが敗因ですね。まあ、それですごくおもしろいからこっちも買ったわけで、逆だったら、「野田ともうします。」を買っていたかは微妙なんですがね。
・ルポエッセイコミックとしてはスキなしですごくおもしろいです。ただ、エッセイコミックってのも今や百花繚乱になっております。その中にあってアクセントが少し足りないかなと。
・というか、作者、すごくマジメなんでしょうね。そして堅実な方なんでしょうね。それが伝わってきます。
・旅ならではのハプニングみたいなことがなく淡々としている感じがどうもね。
・こちらノリがまた上記にも登場された小田扉氏の「男ロワイヤル」というルポマンガにすごく似ております。
・ちなみにマンガ内でも紹介されていた渋温泉の外湯めぐりはおれもいきました。すごく苦行だったことを思い出します。
・もう1度書いておきますが十分におもしろいです。ただ、この分野は神がたくさんいらっしゃるのでってことで。