2009年10月24日

「刻刻」2巻 梶尾省太(講談社)

・おもしろい。
・2ちゃんねるで紹介されていて1巻2巻とまとめて買ってまとめて読んだがこれはおもしろい。

・1巻のオビでは、「異界逍遥奇譚」と書かれていて水木しげる氏が絶賛されており、2巻では「Sic-Fi クロノサスペンス!」で伊坂幸太郎氏が絶賛。このコピーと両名をきっちりつなぐほどの幅と奥深さを内包してるんですね。

・2巻まで読んで1番よかったのは、「ちゃんと」終わるなと思えたことです。現時点では終わりはみえてませんが、きちんと1本のお話として完結してから、作られていると思えたのです。

・1巻1話目からずっと展開しているドラマです。
・姉の子供が誘拐されます。ついでに迎えにいった引きこもりの兄も。
・祖父は時を止めます。時間が止まっている間に彼らを救出しようとしたのです。そして、止まった時の世界を舞台に物語ははじまるのですよ。

・と、1巻は「どうしてこうなった?」のAAがアタマに踊りまくっていてなにがどうなっているのかわからないので、2巻が出てる今はナイスすぎるタイミングです。だいたいの構図がみえてきてます。それでも依然として話の先はみえない。だけど、「ちゃんと」終わるなと思えるくらい緻密に話は展開している。

・止まった時間内でのルールがすごくアタマに入ってくるのがステキです。これも「ちゃんと」の1要素ですね。
・ルールのマンガったら、映画化もアニメ化も作画者が逮捕もされた「DEATH NOTE」があります。比較するのはナンセンスではありますが、本作のルールのほうがすごく自然です。そして物語に密接してるし、つじつまが合ってます。現実ともつじつまが合ってます。こういうところグダグダでナアナアだと話はとたんにしょうもなくなりますからね。

・それは描画もしかり。劇画タッチで精緻だからこそ、荒唐無稽なところがウソにみえなくなる。
・だって、考えてみてよ。「時が止まった世界」をマンガで描くって、マンガの絵はずっと止まったままだからね。

・あと、時が止まった世界を描くってのはなかなかに前例があるし、それをちゃんとやろうとしたらいろいろと矛盾は生じる。だから、スーパーナチュラルなところをうまく利用したりとかの設定が上手いよなあ。そこいらにもムリがない。

・そして、時がとまった世界を舞台にグランドラインにいってひとつながりの財宝を探したりなんて長期展望はどう考えてもムリです。ヒトがいてはいけない世界というヤバさもきちんと描かれてますしね。

・そのくせ、二転三転し、どう収拾がつくか検討もつかないってのがすごいんだよなあ。
・ちょっと矛盾した表現になりますが、反面、貼った伏線や、謎も的確に回収していってるのがまた快適です。無駄にひっぱるマンガってあるじゃないですか。それでいてその謎解きがクソみたいのとか。

・でも、水木先生のコメントが「80点」ってのがすげえ的確で驚いているのです。
・本作、いろいろとすげえんですが、1番すげくないのは、キャラが弱いことです。それは描画も内容も。敵のみわけがさっぱりつかない。
・そこは今後も課題なんでしょうし、とりあえず、余裕でカバーはできているおもしろさは有ります。タマに傷ってところですか。

・連載マンガが人気があるからつづける。で、ダシができったらフェイドアウトするかのように終わる。このパターンは必要とは思いますが、その割合はもっと少ない、少数精鋭のものにすべきだなと思うのですよ。マンガ家です。キャリアは1作だけです。まあまあ人気はありましたけどなにか? 今は次回作を構想中です。もう10年経ちますけどってのはあまり増えたらダメよ。エコの時代よ。リサイクルの時代よ。

・おもしろいマンガを描くヒトに、どんどんおもしろいマンガを描いてもらわないと。いろいろおもしろいマンガを読ませてもらわないと。

・それは本作のようなちゃんと終わるようなおもしろさもそうです。いろいろと向き不向きってありますからね。
・そしておれはちゃんと終わるマンガが好きです。大好きです。1巻で終わったり、上下巻だったりが好きです。本作も今のところ好きです。

・とりあえず2巻までイッキに読まれること推奨。現時点ではね。ベストは終了してからだろうね。どんなに長くてもあと2巻くらいで終わると思うんだけどなあ。それをイッキに読んだらさぞや快感だろうなあ。

参照:
[日刊スレッドガイド : どうしてこうなった!どうしてこうなった!]

[Amazon.co.jp: 刻刻 2 (モーニングKC): 堀尾 省太: 本]


[Amazon.co.jp: 刻刻 1 (モーニングKC): 堀尾 省太: 本]


参照:
[日刊スレッドガイド : どうしてこうなった!どうしてこうなった!]
posted by すけきょう at 14:09| Comment(0) | TrackBack(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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