2010年10月14日

「あまくちナイト」1巻 富沢順(竹書房)

・実はあまり富沢順氏のことを知りません。
・ジャンプ系列で活躍されていて、いつまでもいろいろなところで名前をおみかけする方だなと。縁がないといいますか。

・ジャンプ系列の方のエロマンガということで気になったので買ったのです。実にジャンプは延々とその枠を保持し続けてますし、ジャンプエロ枠の方はずっと活躍されておられるように思います。

・とはいえ、富沢氏の場合、オビに「新境地」とあるくらいなのではじめての踏み込んだ本格的なエロアプローチじゃないかなと思われます。そこも興味をそそられました。ベテランがはじめて挑む本格エロ。これが意外にノる場合が多いんですよね。
・本作、ノりました。

・ヤングジャンプやスピリッツやモーニングのコミック版型でのエロマンガ、コンビニで発売されているエロマンガ誌連載です。非成年コミックです。

・お菓子会社に勤めて3年目の主人公。休日出勤で部長に呼び出される。新入社員をいれるので教育係をせよと。
・メガネのカワイイ女の子。その子と会社を案内していたらいきなりエロアプローチと告白。「部長の愛人でした」と。そして、主人公に愛人契約をしないか?と。
・ということであとはメガネで小柄でグラマーな女の子と会社内外でちちくりあうと。それでいながら女の子が謎めいていていろいろと動くことで仕事も順調と。

・ベテランマンガ家はいろいろと「置き」にいきます。本作も、その典型的なサラリーマンエロコメという体裁で、いろいろな点を置きにきてます。
・これは全然ネガティブな言葉ではなく、むしろ、話に集中できるための必須テクで、新人はすべてを置きにこないからあらゆる点でやかましくなって読みづらかったりおもしろさを相殺したりするのです。まあ、「抜き」という表現でもいいんですが。

・本作の特長はその典型でありながらもエロさがちょっと尋常じゃないんですよね。
・んまあ、エロに関しては100人男がいたら100以上のストライクゾーンがあるし、それは年々のインプットによっても変わりますから、正確な表現だと「今」のおれのストライクゾーンにびっくりするくらいガツンときました。

・作者にとって、エロを描く目的は、読者に「エロい」と思ってもらうためで、そのためにもっとも確実で正確で効果的な方法は、作者にとって「エロい」と思うことをぶつけるわけです。そりゃあ自分が1番エロいと思ったことが1番上手に描くことができるわけですし。よって往々にして作者にとってのストライクゾーンが露呈するのです。これがまたエロマンガを読むおもしろさでもあるんですし、こういうエロパッションがないエロマンガなんてカスです。つーか、エロマンガはパッションのみでも成立しますし、なんとなれば、ほかがゼロに近くても「おもしろい」となることもあります。

・でも、これまたベテランの弊害というか、エロも往々にして置きに行くわけですよ。エロばかりは置きすぎるとパッションが弱まるからダメなんですよね。「置き」と「パッション」は両立不可です。

・本作も、置きにいってはいるんですよね、「ここでエロだろ」っていいタイミングで、いい具合のエロを配置してますが、加減がわからないのか、おれのツボだったのか、ちょっと度が過ぎるくらいエロいなって。こういうコンビニエロとしては戸惑うくらいアクセルを深めに踏んでおられるんですよね。2文字で「濃厚」と。全然置きにいってないんですよ。

・どうも、富沢氏、クンニというかナメるのがお好きでいるみたいで、そのシーンがエライ多く、なんつーか、匂い立つくらい生々しい。それにあてられて、おれも好きだということを気づかされたりしましたよ。
・3話目、仕事をしている主人公のとなりの机の上で四つん這いになっておしりを向けて誘ったり、7話目にあらためて「いいところ」をレクチャーしたりとか(肩甲骨の下をグリグリしながら乳首愛撫すると効くとか)、えらい力が入ってるのですよ。
・しかも、上記の通りコンビニエロなワケで、けっこう厳しい(らしい)審査をクリアしてるはずだからして、描写自体のエロ度はそんなでもないです。消しも大きいですし。

・でもね、エロパッションってのは消しとか関係ないんだよ!少年誌の乳首描写でいい年こいた男が(ネット上とはいえ)ワーワーさわぐのってつまりそういうことなんだよ。

・そして本作のは久しぶりにおれにとっての少年誌乳首的な鮮烈なエロパッションがあったんですよね。もっとも、少年誌のそれに比べ、より直接的なエロなのはおれ自身のパッションを燃やすエンジンがポンコツになりかかってることでしょうがないんだよ。もう乳首みえたくらいじゃこのポンコツは燃焼しないんだよ。

・と、まあ、ここまで書いて急に「ふぅ…」状態ってことで冷静に書きますが、たぶん、このおれ内のテンションは1巻で終わりそうだなとも思うのです。
・ベテランさんだから2巻以降の盛り上げもすっかり考えておられるでしょうし、話も、エロも、展開があるようにいろいろと伏線をはっているんだけど、おれにとって1番のインパクトであったエロパッションは2巻では望み薄かなと。
・完成度は非常に高いので2巻も楽しいのはまちがいないから買いますけど。

・あと、今、アフィリエイト貼るためにAmazonのレビュー目にしたんだけどさ、少年誌からのファンが「エロなんかイヤイヤ描かれて」みたいなこと書いてありましたけど、イヤイヤ描いたらあのパッションは保てないぞ。そりゃあ嬉々としてやってはいないだろうけど、絶対に「やりたくない仕事」ではないと思う。それが読み取れないあたり、おまえらはファンではないだろ?

[Amazon.co.jp: あまくちナイト @ (バンブーコミックス NAMAIKI SELECT): 富沢 順: 本]

posted by すけきょう at 16:32| Comment(0) | TrackBack(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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