・鬼才でも奇才でもいいんだけど、道満晴明先生の祭りが起こっている昨今です。じゃあ奇祭ですね。ここのところ彼の作品が刊行されております。寡作な彼の作品がどんどんと。
・去年「ヴォイニッチホテル」が出て、本作がでて、月の終わりには「ファントムブレイブ」の復刊(新刊?)が出るという。惑星直列とグランドクロスが同時に起こったような事態です。奇祭です。
・で、本作だよなやっぱり。
・ひらがな4文字のタイトルで女の子がたくさん出る4コママンガ集です。きっぱりとした売れ線です。でも、こんなに悪夢のようで、それなのにカラリとしていて、かわいくて、笑えて、禍々しいの。
「「た行」ってなんかいやらしくない?」
「「ちつ」ってはいってるからでしょ。」
と、オビに書いてあります。
「どうしよう…。大統領の前でガバメントとガバマ*コ間違えちゃった…………。」
「オバマならきっと判ってくれるよ!」
と、オビの裏に書いてあります。
・だいたいこういうマンガと思っていただければ。
・カワイイ女子高生がドシモネタを繰り出してるマンガです。でも、シモネタ=エロじゃない感じで。エロ度だけでいうなら氏家卜全氏のほうがマシなくらいです。
・まあ、全裸部って常に全裸でいる女子高生が登場しますけど、エロくはないよなあ。
・あ、でもエロくないっていろいろな捉え方があるから、一概にエロくないって決め付けるのも問題あるか。
・と、まあ、gdgdと書き散らかしてすみません。ちょっと露払い的な意味合いで思ったことを散文しました。以下、本題。
・本作、「らき☆すた」の裏だよな。それを意識されておられる気が。
・それは「こなちゃん」ってアホ毛のロングヘアーの少女がいるからだけじゃなくて、構造がそうですね。
「コージ苑/相原コージ」が直接的なルーツと思いますが、4コマの連載、3ページなら3ページの中で、いくつかのキャラがいて、連載内連載のように毎週展開していくパターン。本作はそれのユルいもので、毎号4p連載の各4コマはシリーズ展開していきます。
・たとえば、メガネの朧さんとひらめきさんでエロの掛け合いをするの。
・ロボットメイドさんと少年のエロ話。ロボットメイドさんが少年にエロアプローチするけど、いかんせんロボット三等兵みたいなフォルムなので少年はいつまでも嘆き悲しんでいるのです。
・生まれつき氷でできてるミュータントのアイスマン子さんとか。
・あと、どう説明していいのかわからんけどカサカサ星人と淫乱熟女が出てくるシリーズとか。
・前記のこなちゃんとかりんちゃんのシリーズもあるね。
・と、こういった方向でのカオスになっております。書きだして全然「らき☆すた」の裏じゃないと思いました。すみません。でも、構造はこういう風になっております。
・最大のポイントは、これらのネタがわかるってのはつまり成年コミックに精通してるってことが露呈することです。2つの意味で精通。
・ここが「らき☆すた」とちがうところですね。「らき☆すた」は割合とざっくりしたオタク全般の薄いところを上手く味付けした京風のはんなりした万人に好まれる上品な仕上がりになってるのに比べて、「んぼおおおおおっ」ってのがハードなフェラチオのときの擬音って知識を持ち合わせてないと笑えないピンポイント爆撃なコテコテのクセのあるものになっているのです。
・連載してる雑誌が成年コミックの銀座六本木、あるいはモノポリーでいうならボードウォークにあたる、「COMIC快楽天」にあるのでそれはまったく問題ないんですが、これを非成年コミックで出されて買われてもすごく困るんじゃないか? 女性がTENGA買うようなもんだぜ。
・といいつつすげえおもしろかったのでおれは選ばれしモノだったんだなあと。
・ヒット出版の成年コミックの数々から、ワニマガジン社の水爆シリーズときて、本作と「ヴォイニッチホテル」でとりあえずのピークを迎えておられる気がします。けっこうマイルストーンな。ターニングポイントな。
・ついでに書かせていただくなら、「ヴォイニッチホテル」のほうも、本作と合わせ鏡のようになっております。ま、シンプルに、シモネタというアクを抜いて、映画やサブカル風味をつけたしたブレンドですか。
・こちらも興味深いしおもしろいのですが、おれには「鉄山靠(てつざんこう)とケツマンコって似てるよね」のほうがおもしろいワケです。鉄山靠がなにかを知らないとダメだよな、この場合。
[鉄山靠とは - はてなキーワード]
有名なのね。
・ということで、たとえば「PSすりーさん/Ika」のように読むヒトを選ぶ作品ではあります。こっちはゲームのこと知らないとさっぱりわからないですからね。
・そして絶賛するということはつまり「エロマンガ」に詳しいことをカミングアウトしているようなものです。
・と、ここから「けいおん!」や「らき☆すた」の薄さと、昨今のオタクの薄さと、それにまつわる「あるある」、そして薄めた「あるある」を知ってることで「それくらい知ってる」と持ってしまう優位の危険について書くこともできるのですが、時間は有限なのです。別の表現をするならば「めんどくせえ」。
・だから、友よ、黄色い楕円のマークがついた本の山を横目にしつつ本作を楽しめることを神に感謝しようではないか。
「絵描き歌」では大笑いしたのでした。ありがとうございます。
[Amazon.co.jp: ぱら☆いぞ@ (WANI MAGAZINE COMICS SPECIAL): 道満 晴明: 本]
「ぱら☆いぞ」の続きはいつになるんでしょうかねぇ。
じゃあ、おれはいいかな。
「ぱら☆いぞ」よかったですね。続刊楽しみです。