・5巻が2009年10月で6巻が2011年2月ですからね。
・と、そのブランクをモノともせずに、いや、ちょっとモノともするか。でも、楽しく読ませていただいた6巻です。
・女の子たくさん登場の学園ほがらかマンガです。オトコもたくさん登場します。
「ヒャッコ」の特徴はたくさん登場することです。たくさんたくさん登場します。
・しかも、こういう女の子キャラ図鑑マンガにおいては画期的ともいえる、各キャラの兄弟姉妹親なども登場します。なぜ、ほかはやらないかというとキリがないからです。
・キャラクターがたくさん登場するのはバリエーションに富むし、話が多層的におもしろく展開するという利点がありますが、それがすべてそのまま弱点にひっくり返るという諸刃のアレです。
・ある時点で、開き直ってますよね。本作はそれが功を奏してると思うのです。そして、それは加速していってます。
「キャラ? ああ、たくさんいるさ。それがどうした?」
・で、おそろしいことに使い捨てというか、「ゲスト」があまりいないのが特徴だったりもします。
・6巻は校内サバゲー大会から幕を開けます。2人1組で仁義なき撃ち合いをするわけです。
・キャラの1人の過去から、「別」の学校の女子を描写、そして、キャラリンク。
・そして学園祭。「学園祭になにをするか」で1話ですよ。
・そして毎巻キャラが増えていきます。クラス全員に名前がついてキャラがついてしゃべりはじめてます。それは比喩とかじゃなくて本当にそうなってきてます。
「そんなの読みにくくない?」
・そうです!そこがキモですよ奥さん。
・読みにくいんです。ただでさえ5巻から間が開いてキャラが多いなか、ドタバタと動きまわるサバゲー大会ですからね。しかも、けっこうずっと動きまわっております。
・しかも、それぞれキャラに応じた動きをみせます。行き当たりばったりだったり、すごく綿密に計画をねったり、惚れた腫れたで動いたり、なにもしなかったり。それらを有機的にからませては、だいたいの主要キャラを全員活躍させてますからね。
「キャラを把握させ能力」が尋常じゃないです。もともとキャラのアクセントやら性格やらそういう設定にハンパない時間をかけておられそうで、えらい強固なモノがきちんと応じた動きをしているわけで、だから、サバゲーやっても、学園祭の話し合いやっても、中学のときにいじめに遭った話を描いても見失い「にくい」んですよ。ま、見失います。それはおれが悪いんでしょう。それに甘んじても読みたいとは思わせます。
・カトウ氏は作風芸風からしてマンガ人生はずっとそれとの戦いになりそうですね。
・えーと、ちがう分野でいうと三谷幸喜氏とか。同じ分野だと、ゆうきまさみ氏、荒川弘氏とか。
・詰将棋的にキャラを配置し行動発言させるって、からまってダンゴ状になってる毛糸をあっちゆるめ、こっちひっぱりで、少しづつほぐしていく作品。
・めんどくさいから「ドカーン!全員死んだ。THE END」みたいなことは絶対にしないんだろうなあ。
・カトウ氏の作品はくわえてキャラがみんな好感を持つことができるのがすばらしいところです。今のところ純粋な悪役を描く作品ではないですからね。それにしても、これだけ描き分けて、「イヤ」なキャラがいないのはすごいです。
・実にカトウ氏の真の才能はそこかもしれない。まあ、それには次回作じゃないとわからないかもしれないけど。
・楽しかったです。7巻は早めに読みたいものです。
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