「つづき」からどうぞ。
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・おれ、iPhoneの3G使ってるんですよ。
・初代の次にでたやつですね。ブラックタイプ。
・おれが3G買った2ヵ月後に3GSが出て、たいそうショボーンと思いましたよ。でも、2年縛りのローンやらなんやらあって、それも無視して乗り換えってほどじゃないので、その後、4が出て、つい先日4の白タイプが出ても、耐え難きを耐え、忍び難きを忍んで、だいたいいつもニューモデルの発表がある6月、そして、おれの2年ローンが終わるこのタイミングをまって、晴れて5だか、4GSだかに乗り換えて高笑いと目論んでいたら、どうも秋以降になりそうだと思ってガッカリしてました。
・で、ここしばらく引きずり続けたガッカリな気持ちを現時点で最高に癒してくれたのが本作です。
[「ラブでれ」尾野けぬじ(富士美出版)<FONT color=#ff0000 size=5>成</FONT>: ポトチャリコミック]
・前作にあたる「ラブでれ」でドギャーンときまして、景えんじ名義の過去作も光のスピードで捜し回るくらい(正直手に入れるの苦労しました)のファンになりまして、新作を首を長く長くして待ってました。
・そして本作です。前記のように最高だったのです。
・連作で4編からなり、どれも、スキなヒトとラブラブな状態ではじめていたす話です。処女と童貞です。あーと、最後の「あいつはすごい美人と結婚した」はちょっと例外です。
・26歳OL処女が年下との彼氏との「はじめて」を失敗してしまうところからはじまる「はじめてのXXX」は4編からなります。
・前編後編でそれぞれオンナ視点、オトコ視点で、「はじめて」の顛末を語る「乙女妄想」。
・あてもない旅に出るってサークルが、ドタキャン相次いで男女の旅になってそういうことになってしまう「お願いミサキちゃん」は3話。
・超美人と結婚したオトコになるという夢をみる「あいつはすごい美人と結婚した」と「はじめてのXXX」の番外編で、全ラインナップ。
・本作で考えを改めることになりました。改めることにしたらなぜそう思っていたのかよくわからなくなったのですが、エロマンガに登場する女性を現実寄りかマンガ寄りかを分類しようとしていたんですよね。ああ、まあ、エロマンガを系統立てて語ることはできないかなと思っていたんですよ。たぶん、そのココロミからかなと。
・リアル世界の女性に寄せつつも2次元変換しエロマンガキャラ化したものと、もうベタでファンタジーで定石ともいえる「ありがち」なれど安定感のある伝統的な「こんなの現実にいねえよ」ってツッコミが入る「THE2次元」な女性キャラ。これらを端っこにおいてこのキャラはどうかな?っての。
・たとえば、「ツンデレ」なんて取り上げてもリアル寄りのソレと、マンガマンガしてる作品でのソレはちがうものでしょ?でも、マンガってことにおいてそれのどちらが優れているか?っていうとそれぞれの良さがあるなあと。そういうことを一時期意識して考えていました。
・このマンガ家さんは、リアル寄りでセリフに現実味があるなとか、2次よりだけどセリフのテンポがすごいからキャラの立ちがハンパねえなとか。
・んま、描写においてもか。おっぱいの重力に対する考え方とか。全体的な肉のつき方とか。
・でも、本作において、自分が「かわいい」と感じるならばそこいらのはほとんどどうでもいい些末ことだなと思ったのです。そういう突き抜けるパワーをいただいた感じ。
・本作は、ハイブリッド。リアルっぽくもあるけど2次元っぽくもあるなあって。「ええとこどり」ということでもなく両方あるかなって。でも、女性が読んだら「こんなのいねえ」っていわれそうな気もする。
・そして、重要なのはそれいわれると悲しいなと思ったのです。なぜならここに出てくる女性のかわいさがたまらないからですね。それぞれのキャラがスキだからけなしてほしくないなと思ったのです。
「はじめてのXXX」の26歳OLさんは、年下の学生とつきあっているので「お姉さん」ぶりたいもキスの回数を数えていたり、もろもろのはじめてのことを隠してたりして経験豊富ぶっていたり。
・4回目で旅館にお泊り旅行に。お風呂場で待ち合わせてオトコのほうが「いこうか」と手を出したらその手をふりはらってしがみついて腕組みのカタチに。その表情がまたスゴイんですよ。これまで手をつなぐことすら街中でできなかったんですね。
オトコ「そーいや 手を握って歩いたこともないね」
OL「できないよ 街中でそんな 呪われちゃう」
オトコ「呪うって… 誰が…」
OL「昔の私なら呪ってたよ 幸せそーなカップル 全部」
ってね。
たまらなすぎて途中で読むのを止める止まる。「たまらない熱」がハンパない。だからクールダウンの時間が必須。
・全作品通して、はじめてだけど強がってるガールって感じではありますが、それぞれちがった味付けが施してありキャラを明確に分けてるあたりがとにもかくにもすばらしいです。
「乙女妄想」のコは小さくてちょっと「姫」入ってる感じで「あーもしたいこーもしたい」と思いつつ踏み出せないも、踏み出したらもう姫な感じがたまらない。
「お願いミサキちゃん」はダンドリのいいしっかり者の後輩で、だらしない先輩の彼氏のおしりを叩く感じ。1話目、2人きり1部屋で泊まる温泉旅館で先輩が土下座して「させてください」なんていう感じでね。
ああそうかバリエーションでいったらそっちの描写のバリエーションは弱いかな。みんな胸がない華奢な感じだし、昨今のエロ描写基準でいうと「マンガ寄り」だとは思うし。おれはまったく気にならないしきっちりエッチだなとは思ったのですが、そこに「ガッカリ」を見出すヒトはいるかもです。んま、そこはひとつ女性の「かわいさ」というところを愛でる感じでいらっしゃれば。愛あるセックスこそ至高ですよ。
・最「たまらない」はミサキちゃんの「リベンジ」かなああ。あれはすげえよ。
・前作のように宇宙人とかSFチックな味付け等のおはなしのバリエーションが乏しかったのは残念ですが、尾野けぬじ氏のキモであるラブラブチュッチュな、呪いや嫉妬なしで「いいなあ」と指をくわえながら、2人の「アイ」をうらやむ感じはやっぱりいいね。しみじみといいなあ。
・売れてほしい。そしてバカスカコミック出てほしい。また読みたいもっと読みたい。強く強くそう思うのです。
![]() | 尾野 けぬじ¥ 650 |