2012年02月18日

究極の萌えマンガ〜世界に大自慢したい日本の会社

こせき こうじ¥ 630



・究極の萌えとはなんだろう?と、つかみだけのタイトルなので早めに処理をしておこう。
・つきつめると、恋愛感情を抱くこと、具体的にいうとココロをつかまれること。そういうことを思わせるキャラがいるマンガですね。
「陽射し/吾妻ひでお」、「あんどろトリオ/内山亜紀」「すすめパイレーツ/江口寿史」なんかがパッと思いつきます。パイレーツは終わりくらいに1話だけ登場した魔女ですね。江口寿史氏のマンガであんな気持ちになったのは後にも先にもそれだけです。
・で、このなかだと「あんどろトリオ」なんかは出オチみたいなもんで、表紙絵のかわいさに思わず立ち読みですませていた週刊少年チャンピオンを買ったくらいです。しかも、買うときにすごく恥ずかしかった記憶もありますし、このことがおれの人生でけっこう大きめの進路変更になったデキゴトだったのかもしれません。
・と、まあ、余談。
・で、本作。久しぶりにキャラにココロをつかまれたなと思いました。そりゃあ、いうても中学生のころ(上記3作品の出会いは全部そうだね)から、かなりマンガを読んでいるし、読んでいる以上はスレてきてもいるわけです。だから、おいそれとそんなこともならないし、あとなんていうか、以降は恋愛感情というより劣情をもよおすわけです。そこらが混同してよくわからなくなるんだな。萌えの感情とエロいって気持ちは根っこはいっしょかもしれないけど微妙にちがうと思うんだよね。

・マンガにくわしい方ならこせきこうじ氏はジャンプ系列で活躍されているしご存知と思いますし、彼の絵柄も想像つかれるでしょう。
・あれ?「ああ一郎」とか「県立海空高校野球部員山下たろーくん」とか描いてたこせき氏ってこんな女性描写上手かったっけ?と記憶をたどるような。そういえばジャンプOB作家再生工場誌だった「バンチ」だとどうたったっけかな?とか。

・本作は、大ヒット書籍のコミカライズです。日本のすごい会社のルポマンガですね。
・採算度外視でカラダの不自由なヒトのために服飾を作ってる広島の「ハッピーおがわ」
・砲丸投げで世界中のアスリートから注目されてる埼玉の「辻谷工業」
・3坪の敷地面積で年に3億の売上をほこる吉祥寺の羊羹屋「小ざさ」
・など、6社6話の実録です。社長がすごいヒト、やってることがすごい、創り上げる商品がすごい。毎話、話を伺う狂言回し役のエヌ氏の超オーバーな「マンガみたい」動きといつしか読者もシンクロしていっしょに感動し泣いてるというものです。
・こせき氏といえば、一生けん命やることにかけては天才の少年が主人公で奇跡を呼び起こすというマンガが多いですが、エヌ氏のキャラはその芸風のまま、社長の逸話をきいては泣いて叫んで感動してるんですね。
・それが大げさじゃないんだよ。本当にすごい。
・たとえば「ハッピーおがわ」の社長は、親が病床で寝たきりになったときに「オシャレな服が着たい」といったのをうけて試行錯誤していたけど、結局間に合わなかった。それがずっと悔いになっている。だから、すべてのクレームは受け取るし、その上で返金に応じるし、改良もする。色のバリエーションもアホほど作る。

・しかも、実に、毎話、基本のノリはいっしょだけど、いろいろなテクや見せ方を模索しておられます。真剣勝負のヒトには真剣勝負で応えねばとばかり、ベテランこせきこうじ氏もあらゆるテクニックで「読みがい」のある話を描かれてます。
・それが萌えにもつながったんじゃないかなと。女性キャラは「かわいく」なければとばかり。

・そして、本題。「日本理化学工業」の話になるのです。
・この会社はチョークをつくってる会社で、社員の7割が知的しょうがい者だそうです。
・話は昭和35年に2人の少女に「はたらくヨロコビをおしえてあげてほしい」と養護学校の先生に土下座されてしぶしぶ2人を雇うわけです。
・そして、その子らの一生懸命ぶりに社員が「辞めさせないでくれ」と社長に嘆願して次第に増えていったと。
・この少女2人の描写がすげえんだ。ただただ愛おしい感じでね。
・絵で萌えるのと、マンガで萌えるのはちがうワケで、たぶんにpixivのランキング上位や、タンブラでリブログされまくってる萌え絵と比べるのはナンセンスで、その話にその絵でそのキャラでコマのなかでいきいきと活躍されていることにココロをつかまれるワケですから。

写真.JPG

・この少女の笑顔がなぜこんなにココロをつかまれたのかは、本作を読まないかぎりわからないのです。それがマンガの持ってる魅力だなと思います。

・そして、半円状の線、いわゆる「ニコ目」をカワイイと感じる技術を持ってるのも日本人として誇るべきスキルだなと。

・萌えなんてのは個人の感覚によるところが大きいのですから大上段に「だれもが萌える!サイコー!」なんていうつもりはないです。でも、本作がマンガとしておもしろいこと、こせきこうじ氏の円熟味をたっぷり堪能できること、そして登場する会社がスゴイことはもうけっこうチカラを込めて断言できますよ。

オススメ

・あと、「小ざさ」の店主の少女時代もまたカワイイねえ。

余談コーナー。

[こせきこうじ先生直筆色紙【こせきこうじ&あーちゃん色紙19】 - 新潮社公式ショップ|新潮オンラインショップ|]
直筆の色紙を売っておられるのね。一時期路上で絵を売っておられたなんて話題にもなられてましたが。ここの少女もカワイイね。

[小ざさ]
「小ざさ」の羊羹は並ばないと買えないけど、モナカはいつでも買うことができるし、ネットでも取り寄せられるのです。本書読むと買いたくなりますよ。

posted by すけきょう at 15:16| Comment(0) | TrackBack(0) | オススメコミック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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