2013年01月30日

おもしろいけどおもしろくない〜銀の匙とアゲイン!!〜

銀の匙 Silver Spoon 6 (少年サンデーコミックス)
銀の匙 Silver Spoon 6 (少年サンデーコミックス)荒川 弘

小学館 2013-01-18
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アゲイン!!(7) (KCデラックス)
アゲイン!!(7) (KCデラックス)久保 ミツロウ

講談社 2013-01-17
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・徹頭徹尾与太話なので双方の作品のマジメな書評をお読みになりたい方はヨソでどうぞ。

・北海道の農業高校を舞台に雄大な自然や食や生命について描いている銀の匙、高校卒業の日に入学式の日にタイムスリップしてしまいもう1度高校生活をやり直すアゲイン。
・それぞれ6巻と7巻。どちらもますます順調に展開していっております。
・銀の匙は学園祭がはじまり、その前に馬術大会もありいの。
・アゲインはポイントであった野球の試合が終わる。完全に登場人物の人生が変わってしまう。そして新展開。

・どちらも手堅くおもしろい。スキがない。計算され尽くしながらも自身も楽しんでノリながら描いておられるのがわかる。

・ただおもしろくない。

[「銀の匙 Silver Spoon」1巻 荒川弘: ポトチャリコミック]
[「アゲイン!!」2巻 久保ミツロウ(講談社): ポトチャリコミック]

・ここでも取り上げて熱狂しております。
・そしてここでも懸念してました。「終わる」ことを。双方とも。


・あんまり長くなさそうな気がしました(ガンガンがほっとくわけないから)。そういう意味での「期待」もこめて。
[「銀の匙 Silver Spoon」1巻 荒川弘: ポトチャリコミック]


・通常、長く続くとリプレイの設定がうやむやに、そしてそれは先に進めば進むほどgdgdになっていきます。
[「アゲイン!!」2巻 久保ミツロウ(講談社): ポトチャリコミック]


・中学生のころ、「少年」がついてないマンガ雑誌を読みはじめます。そうすると、いやに読み切りが多かったり1話完結の連載マンガが多いことに気がつきます。
・その後もいろいろ読むとそれは逆であることにさらに気がつくんですよね。週刊少年マンガが特別なんだよ。
・だいたいの話が連続でつながっていて毎回主人公がピンチに陥って次の週に続く感じ。
・それが「普通」だと思っていたけど、それを楽しみにできるのは限られた人種だけなんですね。あ、人種というか「期間」ですか。おれもかつてはその限られた人種でしたから。そう、過去形です。
・それが「おもしろくない」の正体です。期間が切れたのです。定期が切れた、あるいはチャージが尽きた状態です。

・最近、1巻を買うのに躊躇します。あ、正確にいうとこれも過去形です。以前は、のらない作品でも1巻から買った以上「いつかはおもしろくなる」と思いつつ最後まで買い続けたりしてました。そして完結したマンガを「あーつまらなかった」と一応棚には残しておいたり。
・今は1巻でつまらなかったら即売ることにします。ブックオフなんかの買取査定は発売日が全てですから。だから逆にあまり躊躇しなくなりましたね。

・そういうわけで、いきおい、巻数表示のないマンガ(1冊完結)。上下巻表示とか終わることがわかってるマンガ。短篇集。続いていても毎話読み切り。こういうのを好みます。
・もちろんこれらもつまらんかったら売ります。もう家と脳に余計なマンガを置くスペースがないのです。
・おれだけだなと思っていたんですけど、だいたい中学からよみはじめるヤングマガジン、ビッグコミックスピリッツ、ヤングジャンプなんかでの読み切りやら1話完結のブッコミ方からして全体的な流れで、なおかつ少年ジャンプに熱中していた多くの方はマンガそのものを「卒業」するんですね。
・それがビックコミックオリジナルや漫画サンデーやモーニングになるとさらに倍率ドンです。

・考えてみればおれもそういう年齢だなと思い当たります。
「銀の匙」「アゲイン!!」双方とも、「少年」のつくマンガに連載されているもので、「おもしろくない」と考えるのは当然なことではあります。「対象」じゃないから仕方はないです。
・もはやおれは学生であったことも遠い過去ですし、それこそ、「アゲイン!!」の作者がカバーの折り返しのあいさつで「高校時代は20年前です」なんて書いてあるのと変わらない感じですので、身につまされるようなことじゃないってのも関係あるのですかね。

・やっぱり個人的に5巻までですね。「話」に集中できてなおかつ楽しむことができるのは。おれが名作と思ってるのも10巻以内に終わってるものが多いです(愛蔵版とかの再編集じゃなくて通常のコミックでね)。

・今巻、「銀の匙」も「アゲイン!!」も話が動きはじめます。とくに「アゲイン!!」です。応援団マンガから逸脱しはじめてきてます。
・どっちもなんていうか「続くから」ちがった展開って、1巻を描いたときに想定してないであろう展開になっているような気がする。「もっとおもしろくなるよ!」って、「テコ」が入っていく感じ。
・そういうマンガはいっぱいありますけど、おれはもういいかなって。
・アメリカのドラマもこんな感じじゃないですか。人気があるから延々と続くって。そいでもって最初の方の設定とかウヤムヤになっていく感じ。さらにそいでもっていざ終わったときにどういう終わりだったかなんか全然記憶に無い感じ。

[最終回でコケるのが!!名作の条件なんだよ!!!]

・島本和彦作の「吼えろペン」よりのキャプチャを記事にしたものです。
・ラーメン屋でラーメンを待つ間に読者にハラハラドキドキしてもらうために生命をかけるのがマンガ家で、そのために整合性をもって最終回の着地点を考えるなんてセーブしてるとしかいえない。だから、コミック派ばかり増えるんだと。
・嗚呼そうだなあと、コミック派としてはおおいにうなずくし、だから島本和彦氏のマンガとはあまり縁がないよなあとも。
・割合と早い段階からコミック派だったんだよな。
・たしかに雑誌で読むなら、上記のアメリカドラマのように「おもしろくおもしろく」ってことばかり考えて続けていけばいいし、読んでいけばいい。それ以外のことはすべて「オマケ」だよ。

・マンガを読むタイミングはザックリ3種類あります。
・雑誌(WEB)の連載時に1話づつ読む、コミックで10話(程度)を読む、完結してから全話読む。
・この「連載時に読む」ヒトに向けて特化してるわけですね。これは漫画雑誌ができたときからの大きな流れなんですよね。コミックなんかどうでもいいって感じで。前も書いたけど、小学館に連載されたマンガが秋田書店からコミックで出ていたなんてのが当時の名残だったりね。
・今はなくなったけど、ゴルゴ13とか天才バカボンは連載しているところじゃない出版社からコミックは出てますよね。そんな感じ。
・だけどどうだろう? 現在、コミックは、通常版、愛蔵版(ハードカバー)、完全版、文庫版、コンビニ版、そして海外版と、様々なカタチで再発されてます。
・書籍出版部数の78%で売上で28%、2005年には雑誌よりコミックのほうが売れるようになったそうですよ。(参照:[日本のアニメを活用した国際観光交流等の拡大による地域活性化調査]
・そういうこと考えると、どう考えても「1作品」で取り回しのいい発売形態のほうが有利です。
・すなわち、雑誌連載にウエイトを置くより、適当に先を考えて、適当にエピソードを切り取ってある。
・なおかつエピソードエピソードで区切りはするけど長く続けるって形態をとると作者のほうも助かるという感じでしょうか。

「長く続く作品」や「雑誌の1回が最高の作品」を否定しているわけではありません。絶対にそういうのも必要です。ただ個人的にはもうつかみたくねえなあと。それだけなのです。(それが銀の匙やアゲイン!!のことか?っていわれると微妙なんですが、それらを読んで思ったことなのです。だから与太話なのです)
・今から20巻以上出ている「すげえおもしろい」マンガを手に取るか?っていうとそれはなかなかです。「ベルセルク」クラスの名作でもちょっと躊躇します。
・それより5巻から10巻できちんと終わるマンガをもっと多くしてほしいなと。
・さしあたって、そういうことに関してはいろいろと実験してる先駆者である小学館にやってほしいな。
・1巻ざっくり200ページ。5巻で1000ページ。あるいは10巻までで2000ページ以内。これで終わるようにあらかじめコントロールされた作品。これまでの経験上、これだけのボリュームであれば「すべて」のジャンルの傑作はモノにできます。
・上記の島本和彦氏じゃないですけど、1000ページきっちりで完全燃焼するような作品に仕上げるのは、20巻30巻と続くマンガよりむずかしいような気がするけどね。
・仮に1000ページで終わるなら、あとでコンビニコミックの総集編は1巻500ページの「特大ボリューム」とかいって上下巻でだすことができるよ。コロコロコミック的な雑誌2冊ね。
・じゃなかったら、金田一少年の事件簿的に5巻目安で1本のエピソードにするって手もあるわな。

「ホムンクルス」の何巻か忘れましたが「残り4巻」みたいのが巻末広告に出ていて「おお!」って思ったのですよ。そして、それがあったからこそ最後まで買いましたよ。あの作品、すごく不定期に出てたじゃないですか。だから、話も忘れかけるし、もう続きどうなってもいいやって気分にもよくなりました。

「終わる」ことを前提にはじまるマンガ作品って必要と思うんだけどなあ。それこそレンタルで映画を借りる感じで5冊。TSUTAYAもコミックレンタルが盛んだし。
「まだ終わらないのかよ」って実はけっこうなマイナス要素です。「まだ続くの!」ってヨロコビももちろんありますけどね。
・大いなる前例として映画化もした「20世紀少年」。1巻冒頭がエンディングにつながる展開かとおもいきやそれはただの中間部のフックで、それからも永遠に続きました。
・あれでどう思うか?ってことで向き不向きがわかるかもしれませんね。この例だとおれは断然前者ですし、以降、浦のつくマンガ家のマンガはなにも買ってません。浦安鉄筋家族も(←とんだとばっちり)。
・だから、いっそ分数表記でコミックをだすとかね。「1/5」巻からはじまって「5/5」巻で終わるとか。

・ちなみに。
「5巻で終わる」を実践されてる方はパッと2人思い出します。
「カイジ」の福本伸行氏と、古谷実氏。
「カイジ」と古谷氏のなんやらよくわからんタイトルのマンガ群はとってもおもしろいし、何度もカタチを変えて売り出し続けておられます。他出版社や他マンガ家さんは、あの販売形態での「機会」をいろいろと逃しておられるんとちがいますか? ああいうカタチでもっともっと売れてもいい作家さんもいらっしゃるんじゃないでしょうかね。
というか、おれが読みたいのよ。あの作家この作家の5巻くらいの名作。
・実際のところ、わりと後半打ち切り感がただよって「もうちょっと続けられそうなのになあ」って残念な5巻完結が多いんですよねえ。この矛盾。

・それはそれとして。
・先ほども書きましたとおり「銀の匙」も「アゲイン!!」も5巻で終わるべきでない「つづく」べきマンガではあります。つづいても「良い」マンガです。断言します。
・でも、おれには長いなと思ってます。それぞれ4巻くらいから。その思いを覆すほどは現在のところおもしろくはなっていません。
「おめえみてえな「ピー(いろいろな罵詈雑言をあてはめてみよう)」が読むことを想定してないよ」ってはいわれそうだし、そのとおりなんですけどね。
・ただ、作者それぞれのちがうもの読みてえなあって。それだけです。同時に別の連載を始めろってことじゃないですよ。荒川氏はなんだかちっともおもしろくなかった中国のマンガを連想しますし。よきところできちんと着地してほしいなと。
・銀の匙はやりようによっちゃまだまだ先があるような気がしますけど、アゲイン!!はかなりヤバイところまできてるんじゃないかなと。

おおそうじゃ。「モテキ」は4巻で終わってるじゃないですか(まだ3巻4巻読んでない)。


posted by すけきょう at 08:59| Comment(0) | TrackBack(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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