・第2回「このマンガがすごい!」大賞 最優秀賞受賞者待望の最新作だそうです。
・マンガを評するところでマンガを描くのって難しいしイヤだろうなあと思います。
・どうしても色メガネがかかってしまうしね。マンガ専門誌で連載してる4コマ漫画とかね。
・どうしても「なんぼのもんじゃい」と思ってしまうし。
・どうしてもおれも濃い目のメガネをかけて本作を読んでしまうわけですよ。
・地球に隕石が直撃することを天文学者が発見します。もう対策する時間がない。ということで非常事態だから魔女にお願いしに行く。
・この話から4話。各キャラ、各話、非常に密接につながって、ラスト「アッ」って声を出してしまった。
・島田虎之介氏の「ラストワルツ」や「東京命日」のようなグランドホテル形式とでも申しましょうか、彼のその作風が好きならマストです。
・あとはSF者にも相当な吸引力がありますね。本田ルークって登場人物が出ますよ。ルークは有名な映画の主人公の名前をとったものです。そういう「遊び」も多いです。
・あと、ホラー要素。それと同じくらいギャグ要素。つまり、「なんでもあり」なんですよね。ないのは萌えくらいかな。カワイイ魔法少女が現れるけどさ。
・だから、そう、残念なのは絵のクオリティかな。全然過不足ないけど、ちょっと昭和の絵かな。ああ、そうだ。これは話も昭和な感じなんだ。どこか懐かしい手触り。
・全170pほどにあれもこれもつまってるんだなあ。それがちょっと圧縮されすぎなキライはあるかもしれないです。
・たとえば「ピタゴラ装置」に美しさを見出すことのできるセンスを持ち合わせてるならとっても有意義な1冊と思います。
・ただ、こういういいかたはなんですが、「賞」のための作品って感じもありますね。
・それこそ「このマンガがすごい」で上位にくる作品、とくに1位2位なんて作品。それってその年で1番売れてるわけでもないし、純粋な意味で1番「おもしろい」わけでもないわけですよ。ただ、審査するヒトたちの支持が高かった作品ということで。
・そして審査するヒトというのは審査するに相応しいヒトたちで、多くは、その年に発売されたマンガをたくさん読んでおられる方です。
・つまりは「うるさがた」あるいは「マニア」な感じが。そういうヒトのためのマンガという感じはどうしても拭えないです。
・そしてなにをどう考えてもおれもソッチのほうなんで、むしろ、そういう方面にない方がこの作品を読んでどう評価するのか実はわかりません。
・オビではつばなさんが大プッシュされております。なるほどよくわかります。
・だから、マンガ好きのあなたが読むマンガですよ。こんなところまで貪欲にマンガを求めてるあなたにぴったりと思います。
[あなたを待っている〜地上の記憶〜: ポトチャリコミック]
・本作も「地上の記憶」同様に書店で「見つけた!」って気持ちになることができる良書です。