2013年08月31日

中国嫁日記の中の国の嫁じゃない人について〜中国嫁日記★同人誌総集編

[【とらのあなWebSite】中国嫁日記 同人誌総集編]
(とらのあな専売だそうです)

・50万部売れている「中国嫁日記」を知ったのは多くの方と同じWEBでした。
・オタク歴の長い作者が中国人の奥さんと結婚したほがらかモゲロWEB4コマです。
・けっこうな熱中具合で1巻が発売されたときはWEBでさんざんぱら読んでいたのにさらに何回も読んでいたし、作者のTwitterもすごくチェックしておりました。
・いっときは「TMNのネーム入り消しゴム」状態で、関連商品なんでもほしいなんでもおもしろい状態で、それこそとらのあななんかを駆使してフィギュアだのピンバッジだのを買おうかと真剣に悩んだものです。グッズ半分、薄い本半分目当てで。ビルゲイツじゃないから断念しましたが。
・その薄い本に描かれたものを集めた、薄い本をちょっと厚くしたものが本作です。5冊分ほどまとめておられます。こりゃあええわいと飛びついたのです。

[SUNDAY FLICKERS|春風亭一之輔|番井 奈歩|JFN Online]

・マンガにもありましたけど、ラジオに出演されたことがあるんですよね。作者であるダンナさんと奥さんの月さんと。いまでもポッドキャストできくことができそうな気がするんですけどよくわかりませんでした。
・これはもちろん月さんの肉声を聞きたいがためのものでした。いや、まあ、ダンナさんの方も少し。
・ここでまず「ん?」とひっかかったのです。
・もちろんといったら大変失礼になるんですが、おれは多くのヒトと同様で「中国嫁日記」によって作者を知りましたし、「以降」の情報しか知りませんし、それもおもに中国嫁日記関連です。書籍とWEBと。
・フィギュア会社の社長だったりTRPGなんかの仕事は興味がありません。それは今も。

・だけど肉声の作者は、奥さんのそれよりインパクトがありました。
・率直にザックリと端的に「ジマンしい」だなと。
「ジマンしたがるオタク」を具現化したら作者になるんじゃないかって感じで。しかも声だけなのに、そしてそうとう「よそ行き」なのに、すごくそれがよくわかる。

・そう思ってもう1度WEBや書籍を読みなおしてみると、また趣きがあっておもしろかったんですよ。
・いっておきたいのは、「ジマンしい」に関しておれはそうマイナスイメージはないんですよ。オタクで「ジマンしい」ってのはもうチャーハンと小スープくらいアタリマエの組み合わせだしね。
・だから、「作者はイヤなやつ」みたいな感情は一片も持ちあわせてません。多分に内包している同質の「エキス」がおれにもあるからなんだろうなあと。同族嫌悪ってコトバもありますが、この場合そうはならなかったです。

・で、本作。
・同人誌で出された「中国嫁日記」に関するあれこれ。ご本人の表現によると「拡大版」。
・これが、作者の「そういうところ」が全開でおもしろかったのです。
・たとえば、「中国嫁日記」が売れたことについての分析のマンガ。こういうのは受け取り方次第でどうにもでもとれますけど、けっこうジマンではあります。
・ジマンするヒトの特徴として、ルサンチマンが強いというのもありますが、作者はそれもバッチリです。10年前に売れてることをジマンされた方に中国嫁日記のほうが部数は上とジマンされてました。
・そのあと1巻発売時の怒涛の忙しさの裏日記。
・2巻発売時の儲かってもロクなことがないって日記。
・なおかつ、プチネタバレですが、オチがみんな奥さんのやさしいコトバというおのろけたもの。

カラスヤサトシの初体験 (クロフネコミックス)
カラスヤサトシ
リブレ出版 (2013-08-06)


[Amazon.co.jp: カラスヤサトシの初体験 (クロフネコミックス): カラスヤサトシ: 本]


本作のちょっと寄せ集め的なエッセイコミックの「はじめてのトークショー」という話で井上純一氏とのトークショーおよびあとの飲み会なんかでのカラスヤサトシ氏のけっこう詳細な分析があるんですよ。これが作者への興味をさらに引き立てました。

井上「「中国嫁日記」はね 描きはじめる前に いろんなエッセイ漫画を分析して売れるものを描こうと思ったからね」
カラスヤ(ココロの声)(うっ……それで売れなきゃ……イタイ人だが……こうしてホンマに結果を出してるって…なにげにスゲーな マジで この人……)


そして同人誌ではわからなかった売れた理由を分析されてました。なるほどね。

[Live Wire Online Shop ≫ 希有馬屋フリートーク#3 井上純弌 x カラスヤサトシ 『嘘のようなホント』は真か嘘か? 4.1“オタ婚”マンガ頂上対決、真相大追求!]

・いつまで有効かわかりませんがそのときの模様はここで「有料」でみることができます。無料でも出だしの30分くらいみることができます。(有料だと800円)

井上「別れるわけないですよ。大事な金づるですから…(観客爆笑)…ウソですよ愛してます」


・なんかこういうことを無料時間の最後のほう、おっしゃってましたね。こういうタイプの「リップサービス」ができるヒトなんだなあと。同族だよなあと。
ま、あんまり似てる似てるわかるわかるいってもオッパイの大きい20代の奥さんと結婚できるわけでもないし、なんかもらえるわけでもないんだけどさ。

・もうじき本編の3巻が出るんですよね。WEBでもみているので内容はわかってますが怒涛の展開になりそうなので楽しみではあります。
・で、しみじみとわかるんですよ。上記のカラスヤ氏のなかでの分析じゃなくて、「中国嫁日記」が売れた理由。
・それは奥さんそのものですね。彼女が、井上氏の持ってる毒を相当デトックスしてくれている。
・オタク勢からは「モゲろ」「若い娘と結婚うらやましい」になるし、女性読者には「仲睦まじい」「月さん(奥さんの名)、カワイイ」にみえる。まあ、「中国人差別だ」ってあさっての方向からの攻撃もあるそうですが(ふたばにアンチがいるらしい)。
・よくよく読んでみると、3巻での中国に移る経緯やら結婚にいたる経緯、なおかつ日々の生活で、地味に「?」って思うところが出てきます。「こりゃあ月さん怒らないか?」的なところ。まあ、逆に「月さん贅沢すぎないか?」って思うところもありますけど。
・んま、そういうことは夫婦間とダンナの甲斐性とかの問題ですが、月さんを前面に押し出しているマンガにも、ダンナの特異なところがみえかくれしているのです。
・それは逆に、上記のトークショーの動画をみていただければよくわかります。カラスヤさんのマンガのとおり毒舌マシンガンな話で、「解毒」な奥さんがいない井上氏が堪能できます。WEB版、書籍版の「中国嫁日記」にあるイメージとはずいぶんとちがうんじゃないかなあと。

・その中間にあたるのが、本作「中国嫁日記同人誌総集編」かなと。これは弱めですが「解毒」されてますし。
・しかし、結婚して作者の運勢が上向いたのはまちがいないし、月さんが「運命の人」であることはまちがいないけど、それ以前もけっこうな感じの方だったんだなあ。けっこうグイグイな感じのオタクライフを満喫されておられるというか。週に1回しか歯を磨いてない生活だったそうだけど(逆に週に1回磨く意味がわからないけど)
posted by すけきょう at 15:08| Comment(0) | TrackBack(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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