2013年11月04日

ラッキーエロス〜ラタキアの魔女




純粋かつ
エロい
妄想だけが
砂漠を
サバイブ
する…
エナジー・
ドリンク
なんです
(あとがきマンガの「おまけ」より)


・表題及び最初の引用に誤解誤読させるつもりはありません。
・笠辺哲氏の短篇集です。
・藤子F不二雄、水木しげる、福山庸治、手塚治虫などなどの洒脱な軽くて苦くて甘い短篇集をモノにされる名手と並び称されるべき作者の最新短篇集です。
・すべてがそうですが、生き死にのヒリヒリしたものと紙一枚はさんだとぼけた感じが内在し、優れた短編に見受けられる、斬新な発想と大胆な展開で読者を夢中にさせて鮮やかに終わる。コレです。

・そして笠辺哲氏は上記の名人ともうひとつ共通するものが。それが表題です。
・彼の作品はエロいわ。

「トラベルライター」の彼女。
「宇宙戦争」のヒトモドキアゲハと小隊長。
「スラバキア」のスラバキアさん。
「ごうつくばりの街とコンニャク岩」のJKリナさん。
「ラタキアの魔女」の魔女さん。

・みんなエロいのです。

[笠辺哲 - Google 検索]

・絵をみていただくとよくわかるのですが、「エロい」という感想を持たせるために特化したものとは正反対のタッチではあると思うのです。

[サバイバルカード]

・幼いころ、少年マンガ誌(月刊かな)の裏表紙には通販の広告が載ってました。しかも、「王様のアイディア」的な工夫をこらした「なんじゃこりゃ?」って感じの商品が多く、おれはいくつかつかまされてお年玉を溶かしてました。
・なかでも惹かれたのがサバイバルツールです。
・1枚の金属片ですが、片方に刃を付けてあったり、ツメをひっかけたら缶切りや栓抜きになったりするというもの。
「オトク」と「ロマン」を感じるのですよ。
・エロも似たようなところがあり、「え、これがエロくていいんですか?」ってのはすごくトクした感じがあります。

・めちゃくちゃわかりやすいのは「ドラえもん」のしずかちゃんの入浴シーンでしょうか。日本を代表し、なおかつ海外の知名度が高いマンガにおいてヒロインがちょいちょいと風呂に入ったりヌードになったりするってのは意外性があるじゃないですか。

・エロは個人の好みがものすごい多岐にわたるのでしずかちゃんの入浴シーンがエロいかどうかはともかくですが、そのネタを加工したものはたくさんネット上にあります。みんな少なくとも「好き」ではありますよね。

・そして笠辺哲作品ですよ。
・前々からフライングガールの主人公のパイオツとか、なんだかもやもやしたものを感じてたのですが、短篇集の完成度の高さやおもしろさに紛れていたというか決定打として弱かったというか。「なんかいいよね」って感じだったのです。
・本作は「エロスもええよ!」ってピントがかっちりあったかのような明確さがあったのです。
・エロスはいいですよね。エロスを求めてヒトは生きていくのです。
・もちろん、本作、及び、笠辺哲氏にとってエロスというのは大事な要素ではありますが、レベルとしては「隠し味」です。それこそドラえもんがエロマンガということがないように。
・ただ、こんなおもしろい短編なのにエロもあってトクしたなあ!ラッキーだなあ!って明るい気分になれるのです。
・エロスはいいですよね。以下略。

・また、こういう醸し出ているエロスってのは本当才能としかいいようがないですね。モロってのにまったくなにもこない作品や作者も多いですし。そしてそれは個人の感じ方次第ですしね。おれは成年コミックの作家にも「まったく」って方が多いです。
・だから、笠辺哲さんの作品で「まったく」になられても怒らないでね。作品自体のおもしろさでエロくなくても損したとは思わないのでそんな心配はしてませんけどね。
posted by すけきょう at 16:34| Comment(2) | TrackBack(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
自分も笠辺さんの漫画はエロいとずっともやもやしておりました。
エロスっていいですよね。
Posted by 通りすがり at 2014年04月18日 19:10
コメントありがとうございます。
エロスはいいですよね。
Posted by sukekyo at 2014年04月18日 19:57
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