ふんばれ、がんばれ、ギランバレー! (ワイドKC モーニング)
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たむら あやこ
講談社 (2016-04-22)
売り上げランキング: 1,961
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・ギランバレー症候群という病気にかかった准看護師の闘病エッセイコミック。
・実際のところ、どういう病気なのかもよくわからないままで、闘病とはいえ、基本痛みと吐き気に耐えて寝続けるという感じのモノではあり、手術をして画期的によくなるというドラマティックな展開があるわけでもないんだけど、おもしろかった。
・本人は寝ているだけなのでいきおい、親や医者や親類や友達にフォーカスすることになるね。寝てるだけって24時間1秒も止まることのない痛み(涙が出ただけでも痛いそうだ)と戦っているわけでな。
・それなのに医者から「これ以上良くなることはない」って宣告受けたりなあ。
・そういうヘヴィな展開なのに基本的には明るく楽しい西原理恵子氏を始祖とするハイテンション目の女性エッセイコミックの流れで展開している。
・唯一、15話から最終回までの3連発は重くてきつかった。たしかに「再発」はイヤだなあ。でも、ここが感動ポイントでもあったなあ。
[がん告知を受けてドン引きしたお見舞いのことば - はてこはときどき外に出る]
・と、これを読んだら、「自分の場合」を書くテンションではなくなったので今回は省略させていただきますが、「入院あるある」ってあるよなあ。3ヶ月で発狂しそうになっていたんだけど、この方1年3ヶ月も入院されていた。
・超余談。ここきっかけではありますが、こことはあまりに関係がないのですが思ったこと。
・友達に見舞いに来てもらう話。この話自体はすごくいい話。身ひとつでも来てくれるのはどれだけうれしいかわからないと。
・ここでも「友達が少ない」がなにか負い目のように描かれている。これはわりに普通にあちこちでみられることで、女性特有ということでもない。マンガのみならずリアルでも友達が多いことはステイタスにはなっているね。
・最近やっと思い当たったけど、これっておれのほうが感覚がおかしいのね。マイノリティなのね。
・世の中には「ひとりメシなんて正気の沙汰ではない」っていう坂本龍一氏のように「おひとりさま」が絶対のNGって人間が存外に多い。場所や環境によっては圧倒的多数派の「常識」であるということなんだね。
・おれが3ヶ月入院していたとき身内が1日こない日は「不便」だとは思ったけど寂しいって感情はいっこもなかったんだよね。そしてそれはまちがった感情。
・そう考えると、過去、交流のあったいろいろな人のいろいろな行動も合点がいくし、おれはずいぶんと異端だったんだなあと思う。
[【話の肖像画プレミアム】蛭子能収(68)=漫画家=「愛する人がそばにいるからこそ安心して独りぼっちでいられる」 (1/10ページ) - 産経ニュース]
1人でいるのが好きなのは、自分の時間を自由に楽しみたいと思っているから。友達を誘えば、もしかしたらその人の自由や時間を奪うことになるかもしれない。自分が自由でありたいから、他人の自由も同じように尊重すべきだと考えてきました。
自由でいるために、僕は意識して“群れ”の中に自分の身を置かないようにしてきた。
・エビスさんの感覚がよく分かる。ちょっとわかるのはエビスさんのように再婚しようとは今のところ思わないことくらいかな。
・まあ、でもそれで身内をはじめとして友達づきあいしてくれた過去の方々にも随分と不義理で冷たいことをしたなあと。
・うーむ。そういった意味じゃネットの距離感というのは心地よいものだよなあ。