[うちのクラスの女子がヤバい(1) (マガジンエッジKC)]
うちのクラスの女子がヤバい(1) (マガジンエッジKC)
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衿沢 世衣子
講談社 (2016-04-15)
売り上げランキング: 2,021
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・わりかしずっと読んでいるし、単行本も出たら即買の方ですが、それはとにもかくにも「シンプルノットローファー」という最高傑作のおかげだ。
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・本作はついにその最高傑作を更新したかもしれない。「したかも」というのはもうしばらく「シンプル〜」を読んでないから比較のしようがないので。
・そして近作である「ちづかマップ」や「SATOSIO」などと比較するのもまた方向性がちがうのでなんなんですが、これまでのキャリアを踏まえての現時点での最高傑作といっても差し支えはないなと。
・思春期の女子が発症する不思議なチカラなれど誰の害も及ぼさない名づけて「無用力」。その持ち主を軸に1話読み切りのオムニバス。
・無用力自体はちょっとしたミステリー仕立てになっていることが多くて「さて彼女の無用力はなんでしょう?」的な感じになっている。
・無用力は彼女らのメンタルにおおいに作用されていて、最初からネタバレしている「扇花と指先」の扇花さんはイライラすると指先がイカの足になってしまう。そしてそれをかじる。別に無味だそうだが。
・そういう感じの限りなくファンタジーな能力が毎回登場する。
・それでいて、舞台が女子校であった「シンプルノットローファー」とちがい、共学であるために、彼女らのメンタルで発現する無用力の多くは男子高校生が原因だったりする。
・先ほどの指がゲソになる扇花さんなんかはクラスのマッコウという背の高い男子の話をすると発現するけど、彼といっしょにいるとなんともない。つまり、彼を他の女子が話すことにイライラするわけだ。
・衿沢氏の作品の特徴に男女間のラブなアレがないってのがあるけど、これは男性誌に連載されていることを意識しておられるのかあえてわかりやすく「そういうの」を挿入している印象。その「薄口」具合がまた新鮮でいいわ。
・いろはすの透明な砂糖水じゃなくて、もっとうっすらとしたペリエのレモンとかの味付け。
・で、おれは1巻のトリを飾る「ミクニさんとおにぎり」がいい。とてもいい。