※成年コミックなので成人未満は云々
・pixivで知った方。ファンになったのでブログなどもフォローしていたところ表題作のサンプルなどがありおもしろそうなれど同人かデジタルだったのでどうしようかなーと思っていたら書籍にまとまったのでこりゃあええわいとばかり購入。
・表題作の連作3編と、これまた同人に発表していた作品。ページ数でいうと半々かな。
・表題連作が飛び抜けて良かった。作者にとっては軽い思いつきの出落ちネタだったそうだけど、これでいろいろと新しいエロの扉が開かれたエポックな作品かと。
・タイトルの通り、貞操観念が男女逆の世界。女性がセックスに超貪欲でやりたがっていて、男性はすごくビビってるし、そんなのはしたないと思ってる。そういうパラレル世界。
・ポイントはそれ以外はここの世界と同じというところ。
・つまり、女性は「THEガッツ」ってドカチンでマッチョな女性が男性を逆レイプしまくる男前なエロゲーみたいのじゃなくて、身なりや体つきや美的センスなんかは変わりがない。貞操観念のみが逆転してるという。
・だから、教室でエロ本読んで「やりてー」と叫んでいるのが美少女同士だったりするし、「3000円でやらせてあげる」というと眼の色変えて「処女喪失のチャーンス」とがっつくのも女性という。それみて女って怖いとスミでビクビクしてるのは男。
・そういう世界に紛れ込んだこっちの貞操観念を持っている男性がビッチ化してやりまくるということで、流行りの異世界ものとは言えるのだけどな。
・理系ギャグという言葉がありますが、天原さんは理系エロといいますかね。非常にロジカルにエロを描き、それがギャグにもつながっていくという作風でいらっしゃいます。
・それがわかりやすいのは本作に収録されている「モン娘ソープ街」。エルフがモンスター娘のいるソープで遊ぶという話。スライム娘とゾンビ娘とエロいことをします。
・スライム娘は液体の代わりにローションで身体を形成してる。スライムだから造形は自由自在。そしてアソコも相手の大きさにジャストサイズにできるし感触も自由自在。
・ということでいいように翻弄されるかとおもいきや相手の男は百戦錬磨の遊び人エルフなので逆襲がはじまると。異世界RPG風「やるきまんまん」みたいな展開になるのですよ。
・バランスでいうと、成年コミックなわけでエロに寄ってしまう。だから、この「モン娘ソープ街」以外の作品はエロに比重が置かれすぎていて、うーむ。
・もともと、画力で勝負の方じゃないのでなんか物足りなさを感じてしまうのですよ。
[(4) 「天原」の作品 - イラスト [pixiv]]
・かといって、pixivにあるような落書きはおれは大好きだけどエロさが足りない。ここいらのバランスにおいてのブレイクスルーも表題の貞操逆転世界なのですね。
・逆転ならではのこちらにはない「おもしろ」がある。たとえば、こっちにあるパイズリは逆に男の胸板にアソコをすりつけるということになり名前も「汁ワックス」になるとか。この世界のエロ動画事情とか(男には抜けない物が多い)、あと、逆転世界においての処女女性の「あさましさ」「がっつきっぷり」がそのままこの世界の童貞どもの写し鏡になっていたり。
・そういうギャグ要素が楽しい一方で、エッチシーンはわりとノーマル。女の子は女の子としてちゃんとかわいく描かれている。まあ、「マンコでいかせる」ことにこだわったりしてるけど。行為は受け身になるってのがおもしろいよね。いわれてみればビッチにリードされて童貞喪失ってことになると男側も受け身になるもんね。
・ということでエロとギャグの両立に成功してるわけなのです。
・ちょっとにったじゅん氏の極端な女性上位世界に似てますけど当然ちがう。ちがうけどどちらもエロくていいですね。最近にったじゅん氏はどんどん「普通」になっていく傾向がみうけられますけど。
・そしてにったじゅん氏のマンガが実写AV化されたように(みてない)、本作が実写化されたとしていやらしいかなあ?と思ったりもするのです。
・多分、そういうことはないだろうなあと。たまにあるアニメを実写AV化してOPを完全再現なんて誰がどれだけよろこぶか?って話題になったりしてたけど(過去形。今、聞かないね)、本作はこの女性の「童貞っぷり」を上手く演じるのは非常に難しいと思われます。そこいらのAV嬢でも女優でも無理でしょう。
・だからここいらはマンガの有利なところかなと。
[(4) 「貞操逆転世界宣伝」/「天原」のイラスト [pixiv]]
おまけこそ味だから描き下ろしペーパーほしかったなー。
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・で、別作者が描いてる女性がジャンプしてしまうのはどうかなーとか。
・エロって(必要なところには)必要よね。
・あと、続編は1冊まるまる貞操逆転世界でおねしゃす(再編集でもいいです)。