諸星大二郎氏は若いなあと思った。
氏による「キューブ」で「ソウ」な話。いまやすっかり1ジャンルとして確立した「異常なシチュに閉じ込められる」モノです。それぞれのメンバーがひとつのパズルを持って大きな箱型の物体に呼び出され中に入る。そして閉じ込められる。あとは脱出ゲームがはじまると。こういう話だから1巻で終わるかと思ったらまさかの長編で2巻にも続いていく。
内部の不思議なギミックの数々は諸星節とでもいうようなお馴染みのもの。そこいらの評価なんかも全部飲み込んだ上で楽しんで描いておられる感じがとっても風通しがよくていいです。朝日ソノラマの「紙魚子」シリーズほかの作品群を経て、ぐっと肩の力が抜けたような作風になってて怖いシーンもどこかのんびりされてるようなのは今風に合わせたのか自然体なのかわかりませんが好ましいです。密室劇なのに風通しがいい。
主人公がやたら乱暴だったり、キーとなる女性が初登場パンチラサービスしたり、どう考えても「ボクっ娘」がいるしでキャラ配置の諸星氏による「今風」なのもなかなか味わいです。パンチラのフリル的な味わい。2巻も楽しみ。ただ長くならんよなこれ。