「ぐるなび」で大反響連載だった作品がコミックスになったのでそりゃあ買いますよ。マンガ家のお子さんにマンガ家さんゆかりの店で食事をしながらいろいいろと話を伺うというこの時点でも濃い内容を各漫画家さんのタッチをマネつつも「ほろり」のほうにかなりウエイトを置く、田中圭一氏の作品でも異色作でありながらさしあたっての最高傑作になってしまったのです。
内容も、おもしろエピソードあり、泣ける話あり、隠された逸話、家族への接し方、田中氏やご子息によるマンガ論などなど多岐に渡っており、本題である料理ネタが少なめなのはご愛嬌ですが非常に読み応えがあります。
またネット連載では気が付かなかったけど各漫画家さんのタッチの再現度がすごいことになっている。こういう絵柄タッチをマネするマンガ作品はずっとあるジャンルだけどオールカラーで「印刷の具合」を再現していることで、マネ度合いではトップクラスの出来栄えになっている。とくに「そういう路線で行く」ってがっちり決まった山本直樹さんの回からの完成度が異常。元ネタを雑誌で読んだことがある人なら「ああこうだった」と思うこと請け合い。
そういうことなので紙の本でみることを絶対オススメ。