作者をはじめとしてうつ病を発症してそれを克服(もしくは克服しかけている)した方にうつの「ヌケ方」をたずねた同月発売の「箸とペン」よりさらにマジ度の高いコミック。ギャグは本当にない。
作者をはじめとして登場する人の意外なことよ。「え、うつだったんですか?」って。大槻ケンヂ氏、代々木忠氏、まついなつき氏、一色伸幸氏などなど。
それぞれのエピソードが自分はそうだと自覚もないし心療内科医的なところもいったことないのになんだか刺さるんだよな。本書内にあるステルスうつだったのかなーと思ったり、たんに感情移入の深すぎるやつかなとも思ったり。そういうことを感じるほど切実に身につまされるのですよ。そう誰しもが「自分は絶対大丈夫」とはいえない話ですからね。
この病気に悩んでおられる方の救いになればとのことです。たぶん、おれなんかよりずっと切実な人には大事な1冊となることでしょう。
ということと別の話も書く。
本書はKindle版がオールカラー。ここんところ電子書籍版と紙の本版に差がある作品が目につくようになってきた。たとえば、村上春樹氏の「村上さんのところ」という読者からの質問に答えたものは、電子書籍版のほうが圧倒的に回答が多い。
じゃあ電子書籍版のほうがいいのか?というと、そうでもなくて、前記の同月に出た田中圭一氏の「箸とペン」などは、各漫画家のタッチはカラーや印刷の雰囲気を味わうためにも紙のほうがいい(電子版持ってないので推測)。あと桜玉吉氏の「日々我人間」などは変則版型なので電子版は読みにくいそうだから紙のほうがいい。あとマンガではおなじみの見開きページは絶対に紙のほうがいいし迫力あるよな
音楽もいまだにCDか配信かということになってますが、それよりも「一長一短」ということでは、もっと昔のCDとアナログレコードが両方出ていた時代を思い出します。レコードとCDの収録曲や曲順がちがったりとかどっちにしようか悩ましかった記憶があります(そのうちCDで全部ぶっこんだ「完全版」商法かまされて結局全部買ういいお客さんになってましたが)。
それで本作のカラー。ちょっとは紙の版にもありますが、これがCG彩色で興味深い。手塚プロの作画がPCを導入したらこういうカラーの感じになるんかなあと。そこも興味深い。
あと次はどアホウな作品もよろしくお願いします。