もともと1話だけの出落ちみたいなものだそうですがまさかの2巻刊行と。
少年誌のマンガ家志望のJKが話が思い浮かばずに兄が原作のBLを少女マンガ誌の賞に応募したらそれがまさかの大賞に。で、毎回読み切りのBLを描くハメになるという。
こういうあらすじでいいんですよね? 1巻は「おまつり」の企画マンガみたいな気持ちでフンフンと読んでいたところがあって、正直一生懸命ではなかった。ところが2巻になりグググとおもしろくなる。原因はあきらかで、キャラが増えたから。ゆうきまさみマンガはキャラが増えるととたんにおもしろくなってくる。これはもう天賦の才としかいいようがない。群像劇なんて多分にすべての創作で1番難しいと思われるんだ。それが証拠にキャラがたくさん出てくるマンガでおもしろいマンガが少ないから。それなのにゆうきマンガはおもしろくなる。恐ろしい話です。
ということで2巻ではマンガ仲間と兄の友達の腐女子など登場してグググとおもしろさが増している。とくにマンガ仲間がとってもいいキャラ。ゴスロリファッションで高飛車でゴリゴリの少女漫画を描いているけどその実態は腐女子でコンビニのアルバイトで気弱で常識人という。
それでいて巻頭に展開するBLマンガやそのマンガをおもしろくするための創意工夫がそのままBLマンガ入門になっているというのがまたいいよなあ。主人公の話づくりに煮詰まって変な方向に流れていくのもマンガ家志望にはあるあるなんじゃないでしょうか。サッカー部員同士のBLで延々と試合描写するとか。
非常に楽しかったです。あと、有名女性漫画家さんが巻頭のBLマンガに着色しているというお楽しみもありますがそっちのほうはわりとどうでもいいです。