2017年03月30日

100万の命の上に俺は立っている(2) 奈央 晃徳( 講談社 講談社コミックス)


1巻を読んだのもつい先日でほぼつづけて読みました。作者作品ともに前情報なし。ジャケ買いってやつです。
異世界モノです。ある日突然クラスメイト2人とともに異世界にジャンプされ、おかしな人にクエストをクリアしろといわれる。世界は異世界の定番中世RPG的。モンスターをやっつけてレベルアップしながらクエストをこなしていく。
2巻ではキャラ(パーティーとNPCと)が増えて、よりハードなクエストがはじまってます。2巻で終わりきらないような。
それなりの知識がないと読み進めるのがとってもしんどいマンガです。そしてそれなりの知識があると「なんだかなー」が多いという。

シンプルにいうなら設定や目指すところはかなり複雑で「高いところ」なんだけど、それを表現するに見合うスキルが伴ってない。

メタの構造で、人々や魔物が生きて暮らしているところをプレイフィールドとして、彼らは「勇者」となり「ゲーム」をしている(もしかしたら今後それをひっくり返すなにかがあるかもしれないけど)。死んでも生き返るし魔法やら不思議な力を使うことができる。虚空から武器を出したり、ランクアップしたらジョブチェンジができたり。かなり(ってもありモノを下敷きに)練り込んだ世界の情勢の中、自分らがどうするかって(クエスト自体が具体的なものじゃなくて謎解きの要素がある)探り探り進行する。
キャラは主人公以外メインは女性。なおかつ主人公以外の男性キャラは甲冑に身を包んだりなどで極力顔を見せないようにしたりしてる。キャラにしても、設定は細かく深いんだ。読モだったりいじめられっ子だったり男性恐怖症だったり。
主人公は、厭世的で人嫌いでありながらも、狡猾でわりとドライな人の道に外れがちな行動に躊躇ない。3人のうち1人でも生き残ればセーフというシステムを利用するためにあーしてこうしての応用な。ゲームの構造を点く的な。

これらの魅力的な要素が全部、見せ方や活かし方が上手くいってるとは思えない。全部ね。

すべてのバランス調整が甘いんだな。だから、個別では魅力的なものが噛み合ってない。原作者がとくに「一生懸命すぎ」るんだな。抜きどころがなくて詰め込みすぎたためににっちもさっちもいかない状態。

「尺の都合で「登場人物は知ってるけど漫画内にはまだ書けてない情報」がいくつか出てきているので順に書いていきます。」

2巻のおまけ設定ページのまえがきが裏付けてます。「登場人物は知ってるけど漫画内にはまだ書けてない情報」は漫画には必要のないものです。そしてそれが後々必要ならこういうもの書く前に全力で漫画内に盛り込むべきです。ほかの「どうでもいいところ」を削ってでも。

これだけギチギチの設定で動く場合、それぞれのキャラのバックボーンは切り捨てるべきか、むしろそっちを活かすなら設定をゆるやかにするかどれかを省略しても成り立つかどうかをすごく一生懸命考えるべきです。設定が読モとかすごくどうでもいいし、前半にあった主人公がクラスメイト2人とクエストってハーレムか?とかの期待するシーン不要じゃないかね? 実際2巻にいたる前にそういうところ全然どうでも良くなっているし(ぶっちゃけ別のヒロインが登場してるし)。

ビュッフェで美味しそうなものをあれもこれもととってみたら大皿から零れるわ、料理同士が混ざって干渉して味が台無しだわって。

そもそも。タイトルに即するなら主人公のソロで、クエスト毎にゲスト登場って構造のほうが良かったんじゃないかなーって。まあ、後々の構想に障るのかもしれないけどさ。

ところがよ、それらのダメを飲み込んでも「これ、どうなるんだろう?」ってのは残るんだよね。何回も書くけど、あちこちに「美味しい」ところはあるんだよ。たとえば、ゲームの世界に住んでいるとして勇者一行を傍目からみたらどう映るかとかさ。上記のように、本人とゲームマスター以外は時間が止まっている。そしてジョブチェンジだの武器を変えたらそれは突然変わっているようにしか見えない。そういうのが伺える(ビジュアル化すればいいのにと思うのだけど)のがおもしろかったりさ。
だから非常にもったいないものがあるんだ。

どうしたもんだろうなあ。

つーか、逆のほうがおもしろかったような気はするんだよな。自分らの住んでいるところを舞台にゲームしてる存在と干渉してクエストするみたいな。あー、それは「GANTZ」か。





posted by すけきょう at 19:06| Comment(0) | TrackBack(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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