モキュメンタリー、フェイク・ドキュメンタリーともいうけど(厳密にはちがいがあるんだっけか)、ドキュメンタリーを撮ってるってていで創作を描くという手法。「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」が有名ですね。日本だと「放送禁止」シリーズとか。
ホラーが多いような気がするけど、4話収録されている本作にはいまのところホラーはありません。
架空のマンガ家、百野哲を主役とすえ、実際にカメラをまわしているという回もありますが、フェイク・コミックエッセイといった感じで展開する。
4話はバラエティに富んでおり、
・あるAVだけを延々と落札している男と接触して話を聞く
・アイドルのライブまで歩いて行くという「儀式」に同行する
・自分探しにバングラデシュの人里離れた漁村に放置される
・海軍カレーに対抗していた陸軍ナポリタンがあった
といった布陣。
向き不向きでいうと最初の話が1番おもしろかったな。そして最後のはいろいろと無理があったような。
パッと思いつくのは島田虎之介氏「ラストワルツ」かな。テイストとかちがうけど、とくに前半の聞いてきたような法螺話感が共通点を感じる。
本作はシマトラ作品と比較するならストレートなマンガ表現と起承転結を踏まえたまっすぐな話作りな分読みやすい。それにモキュメンタリーというワンクッション挟んでいる感じ。
たいへんおもしろかった。2巻も期待します。1話のような謎解きがあるのがええですね。