「孤独のグルメ」「花のズボラ飯」の久住氏原作の新作グルメマンガ。作画の方も少女漫画系のベテランさん。こなれたカワイイ絵です。
コンサートで出会ったアラサー女子2人。ギタリストとドラマー。2人で組んでユニットをやることになる。それにラブ要素をからめたストリーラインと、基本2人で、「いい仕事」する酒屋でガンガン飲み食いして「あー最高」ってなるマンガ。
・久住氏がバンドを長年やっておられる方というのはドラマ版「孤独のグルメ」なんかでご存知の方も多いとは思うのだけど、バンドのライブや練習のあとの打ち上げ飯だよねつまり。
・なんというかいつもの飯というより「ハレの日」にちょっとスペシャルなものをみんなと楽しく腹に入れたいって感じのモノがメイン(その真逆もあるけど)で下戸なんだけど美味しそうに見える。
「花のズボラ飯」でもそう思ったけど、久住氏の「女子言葉」は独特だわ。あまり無理せずに書いておられるとは思うけど、作画が戸惑うようなセリフが多い。端的に「そんなこというか?」って。宇能鴻一郎氏をはじめ官能小説の大家の若い娘言葉的な。
それが味わいにはなってるね。ただ、好き嫌いは「孤独のグルメ」とか「食の軍師」のときより明確に分かれそうな気もするけど。
「うまさのループ 停止は不可能 ピーマンだめ押し トーゼンおかわり とっまっらっなっE!」
「大吉!! このジャンク味 ザッツ・オキナワ! スパムがどんギマリしてて ヤバイ!」
こんなの。また音楽がかなり重要な要素になってるマンガなのでセリフがリズミカル。
それを作画の方がちゃんとモノにされてるね。だいたいがグルメマンガがこんなに隆盛なのは、かわいいキャラと、写真取り込みでもなんでもいいからうまそうな料理を描くことができれば8割方完成ではあるからなんだよね。それに1アイデア入ったら完成。ここしばらくの参入のハードルが低いマンガだよ。
本作は上記の1アイデアね。でも、その1アイデアがかなりの「愛デア」なのよ。すなわち演奏シーンとかライブ後のダルい感じとかすごく上手く描けているなあと。これは久住さんどうお感じなんだろうなあ。
ただ、おれもバンドやってライブとか何回かやったけどこんなフレンドリーなのなかったけどなああ。演奏中ずっと袖で控えてる次のバンドに悪口いわれてたりとか(身内がそばにいて聞いてたのよ)。