うわ、せつない。1巻ってどうだっけ?というかこんな強くせつなさを感じる作品あったっけ?
シンプルにあらすじを書くと、好きだった男性が自分を好いてくれてました。でも彼は結婚して子供もいました。それでも好きが止まらないという。
んまあ、ベタベタな話だけど、その表現がすばらしかった。
両思いになって一夜を過ごしてラブラブになったけど、次の日に、友達に「その人独身なの?」と尋ねられた瞬間、世界が「黒く」なっていくんだよ。これは物理的な意味で。
そこがスゴイんだよ。つまり、その瞬間から、このマンガのこの世界は彼女の気持ちを明るさ暗さで表すようになる。スマホの画面の明るさ調節のスライドバーのように。
ココロに不安を覚えると黒くなり、それでも彼氏との愛情にココロが沸き立つときは暗闇に光が灯る。
会うと明るい。でも、前のなにも知らなかったころのように真っ白の明るさじゃなくてところどころに「影」が忍び寄るような明るさ。そしてふっとしたことでいっきに黒くなる。レストランで不倫の別れ話をみたり、友達にもう別れたといったら。
このふとしたことにサッと入ってくる「黒」描写がもうたまらない。そしてせつない。主人公がかわいそすぎる。
谷川氏の描写でベッドシーンとかこういうのを読む日がくるとはなあと(ってほど長年のファンでもないんでもしかしたらベッドシーンについてはこだわりのあることで有名だったのかもしれないけどさ)。
もしかしたら谷川史子氏の成年コミックがでまわる日も近いのか(さすがにそれはない。成年コミックの手法としてはアリと思うけど、マネできなそうだよなあ)。
ベテランの変幻自在の技に翻弄された2巻でした。