少女漫画の巻末のおまけエッセイ30年分です。それだけですばらしい文化遺産だよな。
またそれが谷川史子さんですからね。国宝ですよ。
1986年から2016年。元号も世紀も飛び越えてますしファミコンからSWITCHまでですよ。凄まじい年月です。
そんな中だと、巻末マンガの芸風も画風も変わってない方ですよね。そしてそれだからこそ変化がおもしろかったりもします。
こう読んでいると、谷川さんは誰かのちょっとした「金言」を聴き逃してないのがすばらしいね。エッセイコミック内でも医者に笑われるレベルで耳がいいなんてエピソードありましたしね。
それが本作のみならず諸作品でも名作を生み出している秘密なのかと思ったりしました。
だいたいが単行本時の修正や、この手のおまけページってのは原稿料は作者に発生しないんですよね。作者の気持ちだけで。だから、雑誌発表時が完全版と思ってる作者はまったく直しをしないし、表紙くらいしか描き下ろさない。実名を挙げると須賀原洋行氏とかな。それはそれで作者のこだわりだ。
つまり、この「おまけ」には愛が詰まっているわけだ。作者の単行本買ってくれてありがとう、単行本出してくれてありがとう、って「幸せ」の思いが詰まっている。
それの30年分ですもの。そりゃあ幸せのカタマリですよ。読んでいくうちに幸せにあてられてニマニマしてしまいます。
個人的には本書内の区分でいうところの2003年から2016年まで「part3」からのファンでにわかもいいところでいろいろな事実が判明してエッセイコミック1冊分まるごと楽しむことができたのでたいそうオトクでした。
かように発見が多くて、まさか谷川さんが「千夏のシュート」の作者と結婚なさっておられるとは夢にも思いませんでしたよ。えーと、もっとわかりやすくいうと「あまちゃん」のツイッターで有名な方。
ということで、結論、読むと幸せになりますよと。