絵本なども手がけられているイラストレーターの方のエッセイコミックです。
不安障害を改善されるために夜さんぽをはじめられて、そのときの夜の街の風景を描いておられてます。
エッセイコミックはいかに新鮮な視点があるかってのが第一とは思います。
本作は、とても新鮮です。
大阪が舞台だそうですが、田んぼに張ってある水に映ってる街灯りと高圧鉄塔を東京タワーにみたてて「東京」をみるなんてすばらしく新鮮。またそれを説得力ある風景として実現させている画力よ。
ほかには猫よけのペットボトルの観察とか、「手」の話とかな。
「目」のみならず、五感が全部活躍するのも特徴だね。音も臭いも味も触覚も。
カレシと作者だけがおもな登場人物かと思いきや、最後には沢山の人(花火の夜な)など、そういうバランスのとり方が抜群。同じような話がひとつとしてない。
パステルっぽい質感の絵もすばらしいすぎるし。電子書籍版だけでもいいからオールカラー版も発売してほしいなと思ったり。
作者とカレシのキャラもいいしなあ。
いいエッセイコミックっすよ。「いこまん」ってエッセイコミックも気になってます(これを書いてるあいだに結局買いましたキンドル版)。あと「夜さんぽ」は電子版のみペーパーがついてきているそうでずるいがな。
(という間に「いこまん」も読んだわ。こっちもいいけど完成度は「夜さんぽ」だね。絵の質感がね)