最初に書いておくと、9月の「このマンガがすごい!WEB」のランキング投稿募集がきたら1位で投稿します。最高です。
構造としては単純。藤子・F・不二雄的なSFにラブコメ要素が混ざっている。
うれしいと浮かんでしまう体質の少女が一目惚れする話「ヒコウ少女」
浮気したために別れた彼女のことを忘れたいからタイムワープして告白を中止する「タイムワープで」
背中に硬い鱗がはえている美少女の苦悩「不純恋愛」
など7編にあとがきマンガがまたオチがついてて話としても非常にいいので1編で8編。ハズレ無し。最高です。
表紙にもなってる「トーカの日」なんてすげえよ。生理の期間は女子は透明になってしまう世界の話。みたことないネタだな。でも、生物学で考えると生理期間はみえないほうがいろいろな面で有利ではあるよな。で、その設定でラブコメ。心を閉ざしているメガネ地味女子がトーカ(透過)中にメガネをこわしたからイケメン同級生と手をつなぎながら帰る話。甘酸っぱいのよね。つまり自分はトーカ中もそうじゃないときもクラスで透明な存在みたいなな。
そこらへんの(あえてこの表現)「浅さ」が非常にいい湯加減なんだよな。深くしたり細かくするだけがSFじゃないしよくできるってわけじゃないんだよな。そこらへん考証や設定を細かくしてもおもしろくならないからいい意味で割り切っている。
ということで、描いたものが実写する筆で死んだ彼女を蘇らせる「一筆一筆撫でるように」はボロボロ泣きました。
弱点があります。表紙はいい表紙だけど中身がわかりづらい。くわえてオビのコピーがさらにわかりづらい。それはすげえ勿体無いと思う。
先月1位で投稿した「大きい犬」とか、その前に1位で投稿した「好奇心は女子高生を殺す」とかと同じ並びではあるので、そういう内容を反映した表紙とオビのコピーがよかったように思える。わりに表紙の絵と中の通常絵は違うし。
それが惜しい。だからすごく声高に言うわ。本作最高だって。ラブコメ短編としてもSF短編としてもええど(どっちかというとSF寄りかね)