しばらくぶりの山本ルンルン。なんだか再発だの復刻だの多すぎて、おれは買ったか買ってないかわからない作品は基本買わないしそれが続くとその作家が嫌いになってしまうのでご無沙汰だったのです。だから復刻や再発はあまりやらないほうがいいですよ。それやるくらいならまったくまんまで出せばいいのに。
余談からはじまりました。
ロシアが舞台。サーカスに売られた少女オルガの青春物語。
これが相変わらずの小学生でも読むことができる内容とかわいらしい絵なのに苦い苦いストーリーでドキモを抜くスタイル。
オルガ自体も表紙にある御曹司との淡い恋をずっと抱えつつもサーカスの宿命で旅から旅の毎日(彼の描いた絵のクッキー缶を探す話は泣けた)だけど、ほかのキャラのさりげない苦さがまた。将来を誓いあっていたオルガの世話役の姉さんの彼氏がフィアンセといるところ遠くからみつけ、すべてを察して目配せだけで済ませるとかな。苦いんだよ。小学生には苦すぎるだろ。
前のJIVEって出版社から出していたコミックはオールカラーだったけど、今回はモノクロ。それでか知らんけど、テレたり寒かったりのほっぺたが赤い表現を表す斜線の細かさが妙にロシアっぽいというか白人の人の顔の赤さを感じられて効いているなと思った。こういう細かいところに本当に神が宿ってるんだよなあルンルン氏の描画は。
ルンルン節は健在ではありました。