2017年10月06日

カフェでカフィを ヨコイ エミ( 集英社クリエイティブコミックス)

カフェでカフィを (集英社クリエイティブコミックス)
Posted with Amakuri at 2017.10.4
ヨコイ エミ
集英社クリエイティブ

コーヒー(お茶)のある日常を描いたショートコミック。登場人物やロケーションなんかは他作品にゆるくつながってます。
お弁当のたらこを電子レンジで爆破させたのを顔に浴びてたけど1日会社で誰も気づかないのでムカついたから眉毛の端をうずまきにしてカフェに行くOLさんの話からはじまって、
それを最初に発見してドギマギしてる同じカフェにいたおじいちゃんの話がはじまって、
そのおじいちゃんが前に来たことがあるはずなのにどうみてもはじめてのカフェでキョロキョロしている男を「同士」と思って笑いかけるって感じ。

その冒頭3編のあとは、少し掲載年月にブランクがあったと思ったらパラリと絵柄も変わる。絵柄が変わるといろいろと急加速して進行する。
会社でミルでマメを挽いてコーヒーを淹れる女性と茶飲み友達になり、
自販機とコーヒーの会話。そこに茶飲み友達がそのラインを超える瞬間があって、
自販機とコーヒーが田舎に配置されて、そこから田舎の物語がはじまってって。

その田舎でのリンクからいよいよ真骨頂になっていくんですよ。ここからが本作の最大の特長。おじいちゃんおばあちゃんの出てくる話がとってもいい。ジジイ3人組で公民館借りて「マンガ部」やったりな。ジジイ3人がマンガを描くんだよ。あと、回転寿司でコーヒー飲んだりシュールストレミングを食べようとしたりな。そこからラブストーリーが薄くなっていくのよ。それがいい。最高。

そのラインとは別に個人的にぐっときたのは新婚夫婦がいっしょに家の狭い風呂に入ってコーヒー飲む話。エロかったなあ。こういう日常のあちこちで行われてるエロはいいなあ。足で金玉ぎゅってやったりなあ。憧れるねえ。

高野文子さん風のさっぱりとした絵(たぶんもっといろいろ混ざった末のこの画風ではあるんでしょうが。宇仁田ゆみさん要素とか)で、ドタバタとしてるのは本当に楽しくてなあ。読めば読むほど味わいが増す。
日常描写のあちこちの細かさがまたいいんだよな。病気の同僚の家に看病していって下痢漏らしたって半べそかいた男に「これ使え」ってナプキン渡したりとか。でもオトコは使い方がわからなくて戸惑うとか。

あ、でも、最後に謎。「卵かけご飯のコツ」の答えってどこかに書いてたかしら?


posted by すけきょう at 07:16| Comment(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]