5巻が終わったときすごく心配してたんだ。
最大の敵のメンバーがこともあろうに同じクラスにまとめて転校してくる。そいで友好的に過ごしていたけど、それは六道の最大の武力を持つ乱奈さんの弱点を見つけるため。その弱点がみつかったので「仲良しごっこは終わり」だと6巻では血みどろの戦いが始まると。
と、6巻はまだそのための駆け引きでした。そもそも六道は普通の平和を愛するオタク少年だからドンパチの殴り合いは性に合わないし、むしろ命がけで止めようとする性質があるから全面戦争にはどうしたってならない。
そう、だから、6巻は敵に騙された乱奈さん以外のメンバーで知力体力を尽くして対決を避けるって「総力戦」なんだよ。これは予想できなかった。そしてそれが素晴らしい。各キャラが要所要所にガチンと噛み合って「いい仕事」をする。感動した。また飯沼が涙が出るほど男前でな。こいつが1番かっこいいわ。
それはそうと思ったけど作者の弱点。お膳立てが上手ではないな。5巻にポッとでてきた竜宮ってレディースが話の中核にいるってのはなあ。降ってわいたような配置だったんだよな。そりゃまあしょうがないってのもあるんだし、6巻で表紙になってる竜宮のボスはほれぼれするくらいかっこいいけどさ。そこが残念というか、もうちょっとうまくやれたんじゃないかと思ったり。
あとややネタバレになるけど、鬼島連合に取り込まれた乱奈さんに、六道が「そこにいるやつらちょっと殺しといて」っていえば一瞬で終わる話ではあるよね。乱奈さんはDr.スランプにおけるアラレちゃんばりに無敵なんだし。
でも「それ」をやらないところに感動があるんだよね。いや、分かっちゃいるんだけどさ。そういうの「いかんともしない」って状況を作り上げてそこに追い込まないとって気もする。六道はなんで歩道橋で無傷だったのか?とか、雷乃さんは学校じゃなくてもっと遠くで監禁しておけばよかたんじゃないかとか。
まあ、重箱の隅ってのは承知。不粋ってのも承知。作者よりにすごく考えればいくらでも解釈はでるのも承知。でも、それはすっきりと読者にわからせるってのも大事やろ。
しかし、わりとクライマックスだぞ。7巻で終わるのか。そういや六道で6巻だったな今回。