「味いちもんめ」も作者の倉田よしみ氏も実は初体験です。
おもに大ベテランのマンガ家に食にまつわることをインタビューしにいくというエッセイコミック。ただし、作者のかわりに「味いちもんめ」に出ているキャラがたずねるというテイになっている。
いくつか「決まり」があり、表紙に作者による今回訪れるマンガ家さんの模写、仕事机の描写、作者によるサインと略歴。食べ物について話す。とか。
このインタビューのメンバーがものすごい。敬称略で、ビッグ錠、川崎のぼる、谷口ジロー、モンキー・パンチ、うえやまとち、矢口高雄、池上遼一、ちばてつや、小山ゆう、浦沢直樹、土山しげると。思わず全員書いてしまった。こりゃあだって省略できない正真正銘のビッグネームばかりじゃない。
どれもこれも「へー」ってネタがあってなあ。前半はまだペースというかつかめてなかったようなところもありましたが、どうもそれはおれのほうで、倉田先生の独特の間がつかめた中盤以降はぐっとおもしろくなりまして、前半を読み返すとコレがまたいい。
ただまあいわゆるご年配ばかりで、「東京にやってきて、++を食べた。こんな美味いものがこの世にあるんだなあと思ったよ」みたいな展開は多かったすね。もちろんそれが悪いこともありませんが。
マンガ家に食をたずねるマンガといえば「うつぬけ」でマンガ家内ジョブチェンジを果たされた田中圭一氏も「箸とペン」という作品を書いておられましたが、むこうがご子息に様子を伺うって変化球に対してこっちは直球ですからね。まあ、どちらも味わい深い。
マンガ家でダブってる人はうえやまとちさんくらいか。アプローチや内容は当然のことながら全然ちがう。うえやまとちさんの仕事場がすごいんだよな。海辺の元レストランだったそうですげえロケーションと建物。