戦争にいった兄が戦死したとのことで兄の嫁を嫁にもらった弟の話。なんとか兄を超えて嫁さんにこちらに振り向いてもらおうと一生懸命でしたが、なんということでしょう! 兄は生きて帰ってきたのです。という上巻でした。
それをうけての下巻でしたが素晴らしかったです。ラストですべてがスーッとつながる快感もある。
しかし、上下巻で実写映画化しやすい感あるな。非常に邦画っぽい。あえてそういうウエット感を出した感じもあるな。兄役はもうちょっと年齢重ねて渋くなった渋くなった菅田将暉さんあたりがぴったりじゃないかとか。あるいは今の菅田将暉さんが弟で松田翔太さんが兄とか。
まあ、表面上はそうだけど、これを「ちゃんと」描こうとしたらキツイかなあ。兄弟で1人の女を取り合う話で限りなく掘り下げるもんなあ。いいですよ後半の展開。
上巻は巻末に画家のダリと詩人のランボーの読みきりがあったけど下巻はムンク。あの有名な「叫び」はどうやってできたかという話。将来的にこれで1冊短編集ができるといいですわね。