新しいキャラメイクに成功できたなと思う。
容姿端麗で頭もよくて体育もできてなおかつ「イケメン」の性格を持っている女性に告白されてつきあう、ラブコメでおなじみの「普通の男子」という図式。
このヨウコさんが新しい。
男前のさっぱりした優しい王子様の性格だけど見た目はごくごくノーマルの美少女で、なおかつ恋心などがわからない朴念仁ではなくて、手を握られると赤くなったりする、でも、デレはしない。手を握られたり告白まがいのことをいわれると赤い顔になる。そして「少しテレた」みたいにいう。あくまで普通の感性のクールな「イケメン」キャラではある。
これをしてAmazonのレビューでちょっとヘンってレビューが見受けられる。
全然かけ離れてるけど映画版の「悪の教典」があります。三池崇史監督、伊藤英明主演。ここで登場する生徒を虐殺していく教師というキャラメイクにも批判が見受けられた。これを思い出す。
こういう成り立ちでこういう理由で人を殺していくと説明がある。殺す理由残虐な理由。目的を遂行するために1番合理的なのが殺人というからその手段を躊躇なくとることができるというキャラで、快楽殺人者ではない。でも、そこのところがすごくひっかかるみたいな人が多い。
なんていうか、自分のアタマにあるステレオタイプのキャラに合わないことに猛烈に不安や違和感を持つ人がいるみたいね。
本作もそれと同じで、イケメンの中身でも主人公にラブを感じたときはデレデレになってほしいみたいな意見がある。でも、彼女はそういうんじゃないんだ。初デートで主人公が「私服をホメなきゃ」って言おうと思った瞬間に、「今日は大人っぽい服でかっこいいな」っていってくるようなタイプ。で「ヨウコさんもお似合いで」って敗北感のままいうと「ありがとな」と応える。男前だ。
お約束なポイントがちがう。でもかわいいし魅力的ってのは実にいいじゃない。新鮮だったよ。
2巻以降の展開は気になるところではあるが、1巻での「つかみ」はいい。