2018年01月24日

ぶっきんぐ!! 1 美代 マチ子(小学館 裏少年サンデーコミックス)


美大卒でふらふらしていた主人公がふとしたことで街の本屋さんで働くことになり、一生懸命立て直そうとする話。
作者も実際に働いていたそうで、その時代2006年の本屋事情がバリバリ描かれている。
街の本屋に探している本がない理由。新刊が届かない理由。書店にない本の取り寄せをたのんだらアホみたいに時間がかかる理由。あと本の街神田神保町に一般人に売らない本屋のための本屋があることとか詳しく丁寧に描かれている。
街の本屋はなるほど意外にできることやれることがないんだなと思ったりする。その中でもいろいろと工夫や熱意で乗り越えようとする様に感動すると。
そりゃあ地元の本屋がつぶされたり、実はちょっと書店で働きたいと思ったり(社員割引で買いたいってのが理由の多くだけど)、実際に今でも本屋にはちょいちょいと顔を出してたり(半分はネットだけど書店でないと見つけられない本っていっぱいあるから)、してるものとしては超肩入れして頑張れ頑張れと読む他ないのですよ。
富山ではもう数えるほどしか非チェーンの書店ってないと思うけどそういうところでもたまには買わないとなあと思ったりもする(クルマ止められないし本がないんだよねー正直なところ)。
そいでこれが大きな書店の問題も描いてておもしろい。大きな書店は次々入ってくる新刊をさばくのに手一杯とかさ。

後半から1エピソードが長めの話になっていく。地元で有名人がいる。そのサイン会を開こうとする話が長い。それはそれで読ませるけど、本屋の話じゃないなあと思ったり。でもそれは編集部で奮闘するマンガ「重版出来」でもあったからなあ。そいでそれが原因で2巻切りして後悔したんだよね。だから本作は2巻も買ってみる。というか2巻あるんだよね?1巻でキレイに終わってる感もあるんだわ。
主人公がアグレッシブで展開が派手だからこれで実写映画化ならできそうなノリもあるんだよね。そうなるとこのサイン会の話がちょうどいいクライマックスだなと。最近こういうミーハーなことばかり書いてる気がする。でも、そうすることがマンガでの「成功」に組み込まれているからなあ。

なおモデルになった書店はつぶれたそうです。おれも近くにあって人生の3/4くらい通ってた書店がなくなって久しいですがまだ寂しいっす。


posted by すけきょう at 18:36| Comment(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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