2018年02月19日

彼方のアストラ 5 篠原 健太(集英社 ジャンプコミックス)


はてなブックマークでヤマカム氏の記事の見出しを目にし「あ、これ最高のやつだ」と直感し、記事内容を読まずにタイトルだけ覚えて書店で5巻の分厚さをみて、直感は高まり、在庫をみたら1巻から5巻まで1冊づつ並んでて、なおかつその書店5冊以上買うとボーナスポイントがつくって知って、これは読まなくてはいけない運命と悟り、買いました読みました。おれの直感は正しかった。

舞台は未来。無作為に選ばれた少年少女9人が宇宙船でサマーキャンプに行く。ところが目的の惑星に着くなり謎の光る球体に飲み込まれて宇宙の彼方に放り出される。
そこからはじまる冒険物語全5巻。

一気読みしてアタマがキーンとなったイキオイで書いてますが、5巻からの展開はちょっと息をするのを忘れるくらいのスピードで持っていかれるよ。

SFの醍醐味がこの1冊にぎゅうぎゅうに濃縮されている。くわえてサバイバルアドベンチャーゲーム的な醍醐味もある。ダンガンロンパとかさ。

でもって、本作5巻通して最高中の最高なのが、「少年漫画」であることよ。もっといおうか、週刊少年ジャンプのスローガンである、「友情努力勝利」がガチンと詰まっている。どんな閉塞した状況でも明るい主人公が元気と勇気で頼りになる仲間に助けられて切り抜けていく。これが最大の武器じゃないかな。今日日ココまで突き抜けたキャラはなかなか見当たらんぞ。それを宇宙サバイバルSFに違和感なく溶け込ませている力量。
さらにほんのすこしでも空いてる隙間には「これでもか」とばかりギャグも詰めてある。
それこそネタバレにならんと思うけど、カバーめくったくっそつまらない(褒め言葉)おまけまで詰まってる。
まるで隙間がない。

まとめると、少年漫画の明るくて魅力的なキャラにホレ、ドキドキワクワクの宇宙冒険に興奮し、謎を呼ぶミステリーにハラハラし、すべての謎が解けるカタルシスにつつまれ、そこらかしこに撒き散らしてあるギャグに笑い、おまけ4コマでさらにキャラを好きになり、カバーをめくったおまけに失笑するという。つまり全部がつまってます。そして隙間なく詰まってます。そのボリューミィなこと。

堪能中の堪能ですよ。こんな浸ることのできる物語(世界)はそうそうねえぞ。

もちろん2018年ベスト候補ですよ。4巻まで読んでて5巻読んでない人はいないだろうから、まったく読んでない人、5冊買って休みにガッと読むこと推奨。

あと、先日読んだ「私のカイロス」といい「ロッタレイン」といい。最終巻が分厚い作品は名作だな。そのジンクスがさらに強固になった。


posted by すけきょう at 20:37| Comment(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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