借金の肩代わりに地下深くの炭鉱で働かされているハンチョウ。ただ、裏賭博で荒稼ぎしては地上での1日外出許可をもらう。その1日の遊びっぷりを観察するという、カイジシリーズのキャラのスピンオフ。
1巻で主なパターンが出尽くした。基本は外に出て休日に美味しいものを食べたり1日を遊ぶ。とくに1話に顕著。朝の立ち食いそば屋。これから会社に行く前にそばを流し込んでいるサラリーマンを横目にゆうゆうと酒を飲み天ぷらを食べている。そしてまわりに羨ましがられる。そういう感じで休日を楽しむ。
2巻は妙にマンネリ感があったのよね。いま読み直すとまた意見がちがうかもしれないけど、もともとのしばりが同スピンオフの「トネガワ」よりもキツイのでバリエーションのためのバリエーションのような感じになっていてそれがちょっとシラケるところがあった。
3巻はそんなことはなかったな。それぞれの話が珠玉でな。
スーパー銭湯を満喫する回からはじまり、高級料理店で鯖の塩焼きを食べ、名古屋に行き、今回の白眉である、友達の家に泊まってダラダラするという禁断の技まで使用する。
そのどれも非常によくできていた。ハンチョウ一味もエンジョイしまくり。
そしてこのチキンレースは最後どうなるんだろうと思う。
オチはわかってるよね。カイジに登場してカイジにコテンパンにやられるんだから。そうじゃなくて、休みの度に1日思いきり遊ぶ。で、だいたい1話読み切り。ネタにはアルアルかウンチクを盛り込む。非常にしばりがきついわりにもう1回同じことができない。構造は真似できるけど、たとえば、もう1回スーパー銭湯に行く場合はかなり思い切ったネタをぶっこまないといけない。
たとえば、3巻の最後は地下の炭鉱での年越しの様子だったけど、それが地上でのハンチョウ流年越しってパターンはあるかもしれない。でも、それでも苦しい気はする。
このクビの締まり方はほかのどの作品より厳しいような気がするんだよな。
あとこのスピンオフの新しいのは、ハンチョウだったりトネガワだったり、もう本編には登場しないし、脇役だったから設定もいろいろと固まってないってのがありますよね。だからいろいろな設定が「後のせ」できる。たとえばレイラを熱唱したりとか。