「平太郎に怖いものはない」と同時発売。
作者がしょうゆさしに手足がはえたものとして相方のビッグフットさんと暮らしておられての日々の食エッセイ。自炊。ああ、外食を再現してみようってのが多いかな。
作者がしょうゆさしで、相方ほか家族もジンガイって造形以外はなんていうかすごくオーソドックス。マンガの展開も料理も。
もうちょっと細かくいうと、ちょっとだけハレの日の「料理」なんだよね。自炊というより。
1話は会社員時代に毎朝コンビニでブリトーを買っては食べていたなあと思い出しては自宅でブリトーパーティーをする話(トルティーヤの皮を買うと簡単ね)。
そういう「ちょっとだけ」がミソ。自炊と料理の中間点の豪華な夕食、ちょっと洒落た昼食というライン。これが絶妙にセンスいい。
一昨年あたりがピークで去年はだいぶ陰りをみせはじめたグルメマンガブーム。生き残っているのはかなり食の要素を薄くしほかで補強したものか、キャラがずっと愛されているものか、似たものがない孤高でただただセンスがいいモノとなった気はする。おれは去年かなり意図的に避けていたのでつよく結論は出せませんが。
本作はその最後の。
ピザの生地づくりに熱中したり、ちゃんこ鍋、手巻き寿司パーティー、クリスマスにラザニアとか。みんな「美味しい」が容易に想像つくものを気取らずかといって変にデフォルメせず、美味しそうに簡単に作って、美味しそうに食べるという。かなりスタンダードな作りなのにマンガとしておもしろいのがすげえなあと。
とりあえずブリトーは作ってみたいなあと思いました。