オールカラーフルアナログの上下巻のスペースオペラ大作。しかし、オールカラーはともかく「フルアナログ」が売りになるのな。宇宙で工事をやってる青年。ある日、帰りのバスに乗り遅れて宇宙に取り残されたところ、バイクに乗った少女と出会う。送ってくれるそうで。
ところが途中で戦いに巻き込まれてシッチャカメッチャカ。そうこうしつつも次の日のデートの約束を取り付ける。こうしてふたりの距離は縮まったに突然サヨナラを告げられる。それでも忘れられない青年は彼女を追って海賊船に乗り込む。
ややレトロな雰囲気が漂うオールアナログな絵。そしてあらすじでもわかるようにもはや共通言語となったジブリな内容。スターウォーズ的でもあるし、昭和のSF的でもある。「スペースオペラ」に関する作者の思いをありったけつめた感じ。
伏線を貼るためのエピソードを今から挿入しますよ的な構成の「若さ」はあるけど、オールカラーなことや制約が弱そうなことから、独自なセンスがあちこちで炸裂していてみていて気持ちが良い。
名作だと思いますし、上下巻でキレイにいつか劇場映画化されるのを待っている感じはあります。
あとここんところのリイド社すげえなあ。こういう野心溢れる作品をバンバン出してる