19巻、どこかのまとめサイトのアフィリエイトで書影をみたときずいぶんとポップになったなと思っていた。
19巻は文化祭にむけて邁進するという全力で学園マンガになっていた。クラス一丸になって出し物をするための練習。
もちろんこれまでの展開を織り込んではいる。でも、学園祭にむけてがんばるという芯の通った大きくてシンプルな展開がとってもスッキリと楽しく読むことができた。
いろいろありつつも「学園マンガ」に帰結していくというのがおもしろい。すでに破綻に破綻を重ねてるけどふたたび「学園マンガ」を試みるってのは「BEASTARS」もちょっと連想させる。こっちのほうがより大きくて強引ではあるが。
そしてもうひとつ特筆すべきは絵だ。
マンガ家はたえず絵が変わる。どんなマンが家もそうだ。一見まったく変化のなさそうな、いしいひさいち氏や植田まさし氏でもそうとう絵は変わっている。
それは「自然」に変わるのと、意図的に変わるのとある。本作はかなり意図的に絵の改革を進めてきていると思う。それは詳しくはわからないがここ5巻くらいで少しづつこころみた変化は19巻で完成を見たと思う。ぶっちゃけると19巻が作者のマンガ人生における作画のピークになっている。これが過渡期のものか完成形ということになるのかはわからんけど、と19巻は絵の隅々が見事だった。文字通りの「見事」。
女性キャラは限りなく可愛くなり、とくに19巻ではキーポイントで表紙にもなっている耳郎というキャラがとってもいい。そりゃあ人気投票上位に食い込むわけだ。
ほかメンバーも均等に見せ場があり、他メンバーも「丁寧」にデフォルメキャラとしてあちこちに描かれており、それが小さいコマの小さい描画でも誰か確実にわかるようになっている。これって本当に気を配って完全に「つかんで」絵を描いてないとできないことだぞ。
それでいてここんところずっと登場する新キャラもまあ覚えられるしなあ。きちんと作り込んできてるし。ミリオはこのあともなんとかかっこいいところを作ってやってほしいと思うし。彼をみてるだけでなんか泣きそうになる。
11巻、こないだアニメでもやってたオールマイトの引退の巻。アレ以来にすばらしい。久しぶりに何回も読み返している。