2018年09月06日

えれほん うめざわ しゅん(幻冬舎コミック バーズ エクストラ)

えれほん (バーズ エクストラ)
Posted with Amakuri at 2018.9.6
うめざわ しゅん
幻冬舎コミックス


2018年の7月8月はマンガの当たり年で、2018年を代表するような作品がボコボコ発売されている。本作もそのひとつ。気持ちが追いつかないくらいすごい作品。

鬼才の短編集。うめざわ鬼才は短編集が多いんですけどね。
今回はディストピア作品集とでもいいそうなくらい、将来ありそうなディストピアな未来を4編。

リア充爆発しろが具現化した世界「善き人のためのクシーノ」
JASRACの波及が会話にまで及ぶ世界「かいぞくたちのいるところ」
生まれてからもへその緒で繋がれてないと死んでしまう臍子がいる世界「もう人間」
描き下ろし、あるマンガのパスティーシュですけど、作者は描かないだろうって点では、田中圭一氏の手塚マンガにも似ている「NOWHERE」

どれもこれも現在からの地続きの悪夢である説得力をもたせるためにすごい情報量。もっとぶっちゃけ文字量。ほとんど小説なくらい。それでいて視覚による刺激も多いので、挿絵の多めの小説ということにはならない。ここがわかってない人が多いんだよね。すごく凝った話を書く人は多いけど、それは「マンガで書く意味があるのか?」というラインを超えてしまう。あるいは、絵と内容が絶望的にあってない。

と、ネタバレになるけど、表紙の絵は詐欺ではあります。もっとリアルな浦沢直樹〜大友克洋〜な劇画ラインです。

描き下ろしはともかく、どれもこれも2時間オーバーの映画をみたような「疲労」がありますね。すごいです。

個人的には「もう人間」がとってもしみるな。もう1歩進めたメイドインアビスの「カートリッジ」みたいなことまで発展できたりとかいろいろ考えてしまう。

そうなんだよな、1作1作読後の余韻がすごい。めまいがする。


posted by すけきょう at 14:00| Comment(0) | コミック感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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